入門ガイド5.1 TechDrawで2D図面作成、spreadsheetワークベンチ
3DCAD初心者のためのFreeCAD-BIM入門ガイド
S.5 その他の機能
■TecDrawワークベンチ
TechDrawワークベンチは、他のワークベンチで作成した3Dモデルから技術的な2D図面を生成するために使用します。
図面を作成するためには次のような手順が必要です。
1. 図面をレイアウトするベースになるページを作成し、ビュー(図面)を挿入します。
2. 挿入したビュー(図面)を、ページ上にレイアウトします。
3. 注釈寸法を記入し、ハッチング、画像等の情報を追加します。
4. 図面のタイトル、フォーマットをまとめます。
5. 完成した図面を保存、エクスポートします。
TechDrawワークベンチには、2D作図機能はありません。2D作図ツールであるDraftワークベンチの作図ツールを使うこともできません。寸法注釈を記入して、図面をまとめるための機能を提供します。
建築図面の場合は、BIMワークベンチにある断面オブジェクト作成ツールにより切断面を作成し、TechDrawワークベンチのツールでレイアウトして図面を作成します。
断面オブジェクトは、平面図、断面図、立面図などの2Dビューとしてページに挿入します。切断方向と位置、切断対象のオブジェクトを設定できるので、いろいろな断面図が作成できます。
TecDrawワークベンチのツールには次のようなものがあります。
作成したモデルをいくつかのパターンで図面化し、TecDrawのページ上にレイアウトすることができます。
ページは、テンプレートを選択して、新しいTechDrawページを作成します。
TechDrawでは、ベースになる用紙をページとよび、ページ上にビュー(図面)を挿入してレイアウトします。
テンプレートを使うと、図面サイズと図枠のフォーマットを選択できます。
ビューは、BIMワークベンチで作成した断面図ビューをページに挿入します。
BIMワークベンチで断面図オブジェクトを作成しただけでは、ページに挿入されないので、ページにビューとして挿入するためにこのツールを使います。
ビューの挿入は、データ量が大きくなると、意外に時間がかかります。小さなデータで正しく機能しているか試してみることも必要です。
ビューの挿入は、選択したオブジェクトを作業ウインドウの視線方向で2D平面に投影して、TechDrawのビューとして挿入します。
選択したオブジェクトを使ってビューを作成するので、作図ウインドウで非表示のものでも、TechDrawの図形として挿入することができます。
Draft Workbenchオブジェクトの挿入は、選択したDraftオブジェクトをビューとして挿入します。
スプレッドシートビューの挿入は、スプレッドシートワークベンチのシートのビューを挿入します。
詳細ビューの挿入は、挿入したビュー(図面)の一部を詳細ビューとして抽出して、別のビューとして挿入します。選択したビューの部分を、抽出し拡大できます。
機械設計用の機能としては、 投影グループの挿入で、挿入したモデルに対して、ダイアログを呼び出して、複数の方向からビューを作成します。オプションで三面図、透視図を追加することができます。
インサートセクションビューは、挿入したモデルの断面図ビューを作成します。
クリッピング機能で、ビューの表示範囲を切取ることもできます。
注釈関係の機能もあります。
寸法では、ページ上で、寸法を追記できます。
ビューを挿入すると、測定可能なポイントは、黒点で表示されているので、その点または、点を結ぶ線を選択し、寸法ツールをクリックすると寸法を記入することができます。
BIMで作成した断面オブジェクトのビューには黒点が表示されないので、ページ上で寸法を計測して記入することができません。
装飾では、ページにハッチングパターンを適用、画像の挿入、ビューフレームとラベルのON/OFFができます。
画像ファイルを使用した面のハッチング 幾何学的ハッチングを面に適用
ビューを囲むフレームとラベルをオン/オフ
その他、注釈ツールは、テキストの追加編集、ビューレイアウトの補助機能などがあります。
上の説明は、FreeCADv0.19までのツールについてまとめています。TechDrawワークベンチはv.020以降に寸法関係のツール等が追加されれいるので、技術ドキュメント(オンラインヘルプ)を読んでください。
TechDrawワークベンチを使った2D図面の作成は、練習05RC造の中の「09.5建築 平面断面オブジェクトを作成する」から 「09.6建築 平面断面ビューをレイアウトする」、「09.7建築 3DBIMモデルから2D図面を作成する」に操作例があります。
TechDrawワークベンチを使った2D図面の活用方法は、「TechDrawワークベンチの使い方(1)ビューの挿入」、「(2)寸法」、「(3)平面断面レイアウト」、「(4)2DCADと連携」に説明を作成しました。
スプレッドシートは、モデルから取得したデータをシートに記入し、計算を実行します。エクセルなどの表計算ソフトとの間で、データのインポート、エクスポートすることもできます。
spreadsheetワークベンチは、計算機能やセルの装飾、編集や入力操作など表計算ソフトの基本的な機能を提供しています。
・セルは列(大文字)行(数値)で指定する代わりに、エイリアスを定義することができます。エイリアスはセルの数式や、モデルとリンクするための数式エディタで使うことができます。
・スプレッドシートのセルには、任意のテキストまたは式を含めることができます。式は等号 '='で始まる必要があります。
・ひとつのドキュメントで複数のスプレッドシートを使用できます。スプレッドシートは、その名前またはラベルを使用して識別できます。
スプレッドシートとCADモデル間の相互作用
スプレッドシートのセル内のデータは、CADモデルのパラメーターで数式エディタを使って参照できます。したがって、スプレッドシートは、モデル全体で使用されるパラメーターのソースとして使用でき、値を1か所に効果的に収集できます。スプレッドシートで値が変更されると、モデル全体に伝播されます。
スプレッドシートのセル内のデータは、CADモデルのパラメーターで数式エディタを使って参照できます。したがって、スプレッドシートは、モデル全体で使用されるパラメーターのソースとして使用でき、値を1か所に効果的に収集できます。スプレッドシートで値が変更されると、モデル全体に伝播されます。
同様に、CADモデルオブジェクトのプロパティは、スプレッドシートセルの式で使用できます。これにより、スプレッドシートでモデルのボリュームや面積などのオブジェクトプロパティを使用できます。
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