入門ガイド4.7 その他のBIMツールでできること
■その他のBIMツール
建築オブジェクトの加算減算ツールなら、もとになる建築オブジェクトの下層に他のオブジェクトが移動する形で合成するので、建築オブジェクトの属性が残ります。合成して残るオブジェクト(ホスト)が建築オブジェクトであれば、相手の加算減算するものは、建築オブジェクトでもソリッドでも使用することができます。
建築オブジェクトの 加算ツール、 減算ツールと、カットツールはオブジェクトを選択する順序が逆になっていることも注意すべき点です。
その他に、BIMワークベンチには、使用頻度は少ないけれども知っておくと便利なツールも含まれています。BIMツールで作成するオブジェクトは、建築オブジェクトになり、BIMの属性が定義されます。
■ カーテンウォールは、枠とパネルで構成されたモデルを作成するツールです。
(最初に作成されるのは嵌め殺し窓のような単純な形状ですが、枠(マリオン)のプロパティprofileに部材の形状を設定することで複雑な形状を作成することができます。
等間隔で配置される部材であれば、ルーバーやガラリ、シャッターも作成できます。
パネル部分のプロパティと枠の間隔を調整すれば、パネル状のカーテンウォールも可能です。
枠を均等配置できる機能を使って、壁の胴縁下地を作成する方法も技術ドキュメントで紹介されています。
1. Face(平面や曲率の緩い自由曲面)を選択し、カーテンウォールツールをクリックするとカーテンウォールに変換します。
2. 壁ツールと同様に、始点終点を指定してカーテンウォールを作成することもできます。
カーテンウォールはまず形状を作成してから、プロパティを調整します。
■ パネルは、Faceをパネルオブジェクトに変換するツールですが、別の使い方があります。
プロパティWave Typeの設定で、波板またはデッキプレートのような形状を選択できます。
形状の細かい設定ができないので、折板のような不規則な形状の繰り返しには対応していません。
■ トラスは、標準的なトラス形状を作成します。部位別にサイズ指定できるので、細かい操作をしなくてもトラス形状を作成することができます。
SketcherやDraftワークベンチでサブオブジェクトを作図し、パイプツールやフレームツールで部材を割り当てれば、自由な形でトラスを作成することができますが、特殊な形でなければトラスツールを使う方が簡単です。
■ パイプは、自由に作図したWireをパイプ形状に変換します。パイプの接合部は自動的に処理します。結合処理のためのツールもあります。
経路だけ作図すれば、パイプの断面を作成したり、配置したりしなくてもパイプにすることができます。
■ フレームは、パイプと同様に経路を作図して、部材に変換するツールです。部材の断面を作図する必要がありますが、経路との位置合わせは必要ないので比較的簡単に操作できます。
接続部分の自動処理はしないので、コーナーは突きつけ状態になります。Partワークベンチのスイープを使えば、コーナー部分を連続的につなぐことができます。
■ フェンス(柵)は、フェンスの支柱とパネル部分の部材を作成し、経路に沿って配置します。端数分の処理はしないので、経路の長さはピッチの倍数にする必要があります。支柱とパネルは基準点(0,0)に配置しますが、使い方が難しくなかなか思い通りになりません。
その他関連ツール
オブジェクトを選択してツールをクリックすると、その時の作業平面の方向でオブジェクトの中心に合わせて断面ビューを作成し、選択したオブジェクトの断面図を作成します。
断面ビューは、TecDrawワークベンチのシートに挿入して図面として使用します。
■ マテリアルは、オブジェクトに材質関係の属性を付加するために、マテリアルオブジェクトを作成します。モデルタブにマテリアルオブジェクトができます。
プロパティにmaterialのあるオブジェクトにリンクします。
マテリアルオブジェクトを複合登録したマルチマテリアルオブジェクトを作成することもできます。これを壁オブジェクトにリンクすると、複層の壁を作成することができます。
■ スケジュールは、FreeCADのデータから、特定の条件に合致するものの数量を抽出してスプレッドシートにまとめます。
数量の集計に使用できる機能ですが、モデルを作成するときに、数量が正しく抽出できるような名前を付け、正確な形状を作成することは、モデリングする人の責任です。ソフトが正しい形状を判断したり、接続部の数量を調整して数値を作成することはないので、抽出した数量の信頼性はモデルの正確さに依存します。
床面積であれば、床範囲を正確に作図すれば比較的簡単に面積のプロパティを集計することができます。
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