PartDesignワークベンチ3分間練習09 Sketcher作図面の移動と外部参照リンク

 PartDesignワークベンチでは、ソリッドの面に新しいスケッチ(ベースオブジェクト)を作成し、3Dツールで立体化する操作を繰り返して、最終形を構築します。

 そのためには、ソリッドの面に合わせてSketcherの作図面を移動する必要があります。また、パラメトリックなモデルにするためには、ソリッドの面と新しいスケッチをリンクして、自動変形できるようにすることも必要です。


PartDesignワークベンチでスケッチを作図する面を決める

Sketcherの作図面を決める方法は、別に難しいことは何もないのですが、FreeCADのワークベンチによって操作方法が違います。

「3Dモデリング入門02 Part、PartDesignから、Draft、Sketcherに移動して作業面を決める」で整理しているので、PartDesign以外のワークベンチを使う人は、そちらを見てください。

PartDesignワークベンチでは、次の3つの方法があります。

1. PartDesignワークベンチで何も選択されていない状態で、スケッチ作成ツールをクリックすると作図面を確認する画面になるので、XY-planeのように面の方向を選択すれば、その面を作図面にしてSketcherが開きます。

2. 作業ウインドウにモデル(ソリッド)があるときは最も簡単で、ソリッドの面を選択してスケッチ作成ツールをクリックすると、モデルの面を作図面にして、直接Sketcherが開きます。

3. 特殊な方法として、モデルの面以外の場所に作図面を作成することができます。PartDesignワークベンチには、データムというツールがあります。

データムとは作図の基準となるオブジェクトです。データム平面を作成し、任意の位置に移動できます。

データム平面を選択して、スケッチ作成ツールをクリックすると、データム平面を作図面にしてSketcherが開きます。

データムを使ったモデリングは、初心者には少し難しいので、FreeCADや3Dモデリングに慣れてきたら 「3Dモデリング入門14 PartDesign WB データムを使って作図する」に設定方法をまとめているので検討してください。


■Sketcherで外部形状にリンクする

すでに作成しているソリッドや他のスケッチを利用して、新しいスケッチを作成する機能もあります。

Sketcherには、作図を補助するツールとして、スケッチャー外部.svg外部参照リンクと、スケッチャー CarbonCopy.svgカーボンコピーがあります。


Sketcherを使うメリットは、拘束条件を定義して図形の自由な変形を可能にすることです。
Sketcher単独であれば簡単ですが、パラメトリックモデルは、モデルの一部を変更すると、関連する他の部分もそれに合わせて自動的に変形することが必要です。

作業ウインドウにソリッドや、スケッチが表示された状態で、Sketcherに移動すると、作図面で見ることができます。そのままでは、Sketcherの作図面のオブジェクトではないので、拘束は使えませんが、リンクする方法があります。

スケッチャー外部.svg外部参照リンクをクリックして、ソリッドやスケッチの点や線を選択すると、赤(点の場合は緑)表示に変わって外部参照リンクになります。

これで外部形状を基準にして拘束条件を定義することができます。
リンクしている図形なので、外部の図形の形状を変更すると、参照した図形の形状も自動的に変形し、拘束関係にあるスケッチも変形します。


また、CADの特徴として、すでに作図した要素を再利用することがあります。

スケッチャー CarbonCopy.svgカーボンコピーツールは、すでに作成したスケッチをそのままの形で、作成中のスケッチにコピーします。図形や拘束を部分的に修正したり、新しい拘束を加えたりして、新しいスケッチとして使います。

単なるコピーで、外部リンクではないので、外部の図形の変更には連動しません。


【作図面の移動と、外部リンク】


【Textデータ】

WBセレクターでPartDesignワークベンチに移動します。
ボディを作成をクリックし、モデルタブに移動します。

PartDesign AdditiveBox.svg加算プリミティブツールをクリックします。
作業ウインドウに、直方体が仮表示されるので、OKをクリックします。

何も選択していない状態で、スケッチャー NewSketch.svgスケッチ作成ツールをクリックし、XY-planeを選択して、Sketcherに移動します。

スケッチャー CreateCircle.svg円ツールで円を作図します。
Sketcherの作図面の前に、立方体があるので、円を作図しても円の形状は見えません。
半径を立方体の外まで広げると円のラインが見えるので、クリックします。

(Sketcherで作図中に、スケッチャー ViewSection.svgセクション表示ツールをクリックすると、作業面より前の部分のが非表示になるので、ソリッドに隠れている線を見えるようにすることができます。)

閉じるで戻ると、立方体の下面の位置に円のスケッチがあります。

立方体の上面を選択し、スケッチャー NewSketch.svgスケッチ作成ツールをクリックすると、直接Sketcherの画面に変わります。

スケッチャー CreateCircle.svg円ツールで正方形の中央に円を作図します。立方体の上面を作図面にしたので、円の形状が見えます。

閉じるで戻り、立方体の前面を選択し、スケッチャー NewSketch.svgスケッチ作成ツールをクリックして、Sketcherに移動します。
面が変わったので、先に作図した円は見えません。

スケッチャー CreateCircle.svg円ツールで斜めに円を3つ、作図します。
閉じるで戻ります。

モデルタブで、Boxオブジェクトを選択します。
データタブで、長さ、幅、高さを10から15に変更します。

立方体は大きくなりますが、円は元の位置のままです。

上面のSketch001をダブルクリックして、Sketcherに移動します。

スケッチャー外部.svg外部参照リンクツールをクリックして、正方形の左右の辺をクリックして、参照ラインにします。

左下の点と右上の点、円の中心を選択して、スケッチャー ConstrainSymmetric.svg対称拘束をクリックします。
円が2点の中心に移動します。

閉じるで戻り、前面のSketch002をダブルクリックして、Sketcherに移動します。

スケッチャー外部.svg外部参照リンクツールをクリックして、正方形の左右の辺をクリックして、参照ラインにします。

3つの円をまとめて選択し、等値拘束で大きさをそろえます。
左下の点と右上の点、中央の円の中心を選択して、スケッチャー ConstrainSymmetric.svg対称拘束をクリックします。
対称中心の円が正方形の中心に移動します。

左下の点と中央の円の中心、下側の円の中心を選択して、スケッチャー ConstrainSymmetric.svg対称拘束をクリックします。
中央の円の中心と右上の点、上側の円の中心を選択して、スケッチャー ConstrainSymmetric.svg対称拘束をクリックします。

これで3つの円が対角線上に均等に並びます。

(中央の円をスケッチから除外するために、参照に変換します。)
中央の円を選択して、スケッチャー ToggleConstruction.svgコンストラクションツールをクリックして、参照線に変換します。

閉じるで戻ると、前面には2つの円が表示されています。

モデルタブで、Boxオブジェクトを選択します。

データタブで、長さ、幅、高さを15から8に変更します。
立方体の大きさに合わせて、円の位置が自動的に変形して、元の位置関係を保持します。
(円の大きさを変えるためには、Sketcherで円の半径を変更します。)


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