3Dモデリング入門02 Part、PartDesignから、Draft、Sketcherに移動して作業面を決める
■Part、PartDesignワークベンチからDraft、Sketcherに移動する
FreeCADで3Dモデルを作成するには、DraftワークベンチやSketcherワークベンチを使って2D図形(ベースオブジェクト)を作成し、PartワークベンチやPartDesignワークベンチに移動して、3D形状作成ツールで立体にします。
3DCADなので、基本的には3Dツール群のPartまたはPartDesignワークベンチで作業を開始すればよいのですが(建築の場合は、BIMワークベンチ)、それぞれのワークベンチからDraftやSketcherに移動する方法や2D図形ができる場所には違いがあります。
■PartワークベンチからDraftとSketcherに移動する
>Draftを使うには、ワークベンチセレクターで移動します。
>Sketcherを使うには、ワークベンチセレクターで移動します。
Sketcherに移動したら、ツールバーのsketch作成アイコンをクリックします。
>2D図形を作成したら、ワークベンチセレクターでPartワークベンチに移動します。
・2D図形はモデルタブのデータの最後尾に追加されます。
・Partワークベンチには、DraftのツールやSketcherを呼出すアイコンがないので、2D作図操作をするたびにワークベンチを移動することが必要です。
■Sketcherワークベンチで作業面を決定する
1)オブジェクトがない、またはオブジェクトの面を選択していない状態でsketch作成アイコンをクリックすると、作業面を選択するウインドウが開きます。
2)オブジェクトの面を選択している場合は、スケッチのアタッチというウインドウが開きます。
「FlatFace」となっているので、そのままOKすると、選択した面が作業面になります。
3)作業面を決定すると、Sketcherのツールが有効になり、作図を始めることができます。
■PartDesignワークベンチからSketcherに移動する
PartDesignワークベンチでは、2D図形はSketcherで作成します。
>Sketcherに移動するには、ツールバーのsketch作成アイコンをクリックします。
・PartDesignワークベンチのアイコンで呼び出したSketcherで作図したsketchは、ボディの下層に作成されます。
・PartDesignワークベンチでは、ツールバーのSketcher作成アイコンでSketcherを呼出せば、ワークベンチ移動の操作をする必要はありません。
・作図を終了してSketcherを閉じると、自動的にPartDesignワークベンチに戻ります。
>ワークベンチセレクターでSketcherに移動すると、作成した2D図形はボディの下層に作成されないので、PartDesignワークベンチのツールで操作できなくなります。
その場合には、作成したSketchをモデルタブで、ボディにドラッグ&ドロップすればPartDesignで操作することができるようになりますが、データ構造が崩れる可能性があるので使いたくない操作方法です。
■PartDesignワークベンチでSketcherを呼出して作業面を決定する
3)作業面を決定すると、Sketcherのツールが有効になり、作図を始めることができます。
■BIMワークベンチでDraftとSketcherを使う
>DraftのツールはBIMワークベンチに組み込まれており、ツールバーに作図編集ツールのアイコンがあるので、ワークベンチを移動する必要はありません。
■BIMワークベンチでSketcherを呼出して作業面を決定する
1)オブジェクトがない、またはオブジェクトの面を選択していない場合
2)オブジェクトの面を選択している場合
・いずれの場合も、sketch作成アイコンをクリックすると、現在の作業平面を作業面として、直接Sketcherの作図画面に移動します。
・注意すべき点は、選択した面やXYZ軸に平行な面ではなく、BIMワークベンチのその時の作業平面がsketchを作図する作業面になることです。
つまり、BIMワークベンチのアイコンでSketcherを呼出す場合は、まず作図したい面に作業平面を移動してから、sketch作成アイコン()をクリックする必要があります。
・作図を終了してSketcherを閉じると、自動的にBIMワークベンチに戻ります。
(FreeCAD V.0.21では、BIMワークベンチのsketch作成アイコンをクリックすると、モデルタブにXY平面(上面)のsketchが作成されるだけで、作業中のWPのSketcherに自動的に移動することはできない。おそらくプログラムのエラーと考えられるので、修復されるまではSketcherワークベンチに移動し、sketch作成アイコンを使用する必要がある。)
■Draftワークベンチ、BIMワークベンチで作業平面を決める
Draftワークベンチ、BIMワークベンチでは、Sketcherのように作業をする前に作業平面を設定する手順がないので、作図を始める前に作業平面を決めておかないと想定外の箇所に図形ができることがあります。
特に、作業平面が自動(Auto)になっていると、ツールやマウスの操作に合わせて作業平面が勝手に切り替わってしまうので、建築のモデリングでは使いにくい仕様です。
■グリッドの表示非表示
作業平面とは、作業ウインドウでグリッドが表示されている面です。Draftのツールはこの面の上に図形を作図します。
グリッドの表示は、BIM、Draftではツールバーのグリッドの切替えアイコンで表示非表示を制御できます。
Part、PartDesignには切替えアイコンがないので、キーボードショートカットでGRと打てば、グリッド表示の切替えができます。
■作業平面の移動方法
DraftワークベンチとBIMワークベンチのツールバーには、作業平面を表示するSelectPlane があります。これを使って作業平面を決定します。
1)オブジェクトの面を選択していない状態で、SelectPlaneをクリックすると、タスクタブに作業平面のセットアップが表示されます
2)ここから、上面XY、前面XZ(正面)、側面YZ、ビュー方向へ調整(アイコンの表示は「色の編集」)、自動(Auto)を選択することができます。
面を選択していない状態のときは、その時のビューの視線方向に垂直な面が作業平面になります。(作業ビューのグリッドが移動して水平垂直に表示されます。)
3)オブジェクトの面を選択して、SelectPlaneをクリックすると、選択した面が作業平面になり、SelectPlaneの表示はビュー方向へ調整(色の編集)に変わります。
DraftワークベンチとBIMワークベンチには、SelectPlane がありますが、Partワークベンチのように、SelectPlaneが表示されないワークベンチもあります。
その場合は、キーボードショートカットでWPと打てばSelectPlaneをクリックしたときと同じ操作になります。
※Draftワークベンチのツールのショートカットを有効にするためには、一度だけDraftワークベンチに移動することが必要です。
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