PartDesignワークベンチ3分間練習08 Sketcherの作図練習とコンストラクション(構築モード)

 Sketcherで簡単な図形の作図練習をします。

 練習では、Sketcherで作図するときに、最初の図形を作図したら、距離拘束で大きさを固定します。

 基準になる長さを決めておかないと、距離を固定したときに相対関係が逆になって、図形が想定外の変形をして、後の操作に手間取ることがよくあるからです。

 可能なら、最初の図形は座標原点との関係を固定して作図しておけば、自由度0になった部分が緑色表示になるので、拘束されていない部分がわかりやすくなります。


作図練習の前に、ひとつだけ追加のツールを説明します。

距離拘束を参照寸法として使うことができたように、作図ツールにも参照線を作成するツールがあります。


スケッチャー ToggleConstruction.svgコンストラクション(構築モード)ツールをクリックすると、作図ツールが青色表示に変わります。この状態で作図すると、作成した図形は青色表示されて、参照線になります。

参照線とは、2DCADの補助線のように、スケッチのラインとしては見えない線ですが、Sketcherで作図するときの基準線としても使えます。

また、線を選択した状態で、スケッチャー ToggleConstruction.svgコンストラクションツールをクリックすると、その線が参照線に変わります。

図形の基準になる線で、最終的な図形としては表示したくない場合に、参照線に変換すれば、作成するスケッチから除外されます。基準線を削除すると図形が崩れてしまうような場合に、参照線に変換すれば、拘束関係が保持されます。

 図形が複雑になると、作図した線だけで拘束関係を定義しようとすると、拘束関係をうまく定義できないことがよくあります。そんな場合に、簡単な基準ラインを参照線で作成して、参照線との間で拘束を定義すれば、比較的容易に拘束できることがあります。


【Sketcher作図練習01】


【Textデータ】

長方形を作図します。

対角の2点と座標原点を選択して、スケッチャー ConstrainSymmetric.svg対称拘束で中心合わせにします。

スケッチャー ConstrainDistanceX.svg水平距離拘束で80で固定します。スケッチャー ConstrainDistanceY.svg垂直距離拘束で40で固定します。

長方形を重ねて作図します。

スケッチャートリミング.svgトリムツールをクリックします。
長方形の内側を順に選択して削除します。

水平拘束が解除された部分を選択し、スケッチャー ConstrainHorizo​​ntal.svg水平拘束で固定します。
短辺の2つの辺を選択して、スケッチャー ConstrainEqual.svg等値拘束で固定します。

最後にスケッチャー ConstrainDistanceX.svg水平距離拘束と、スケッチャー ConstrainDistanceY.svg垂直距離拘束で長さを固定すれば、完成です。


次の図形を作成するために、図を削除します。

連続線ツールで、軸線に線上拘束でひし形を作図します。
スケッチャー ConstrainParallel.svg平行拘束をクリックして、ひし形の対面する辺を拘束します。

上下の点を選択して、スケッチャー ConstrainDistanceY.svg垂直距離拘束で80で固定します。
左右の点を選択して、スケッチャー ConstrainDistanceX.svg水平距離拘束で120で固定します。

スケッチャー CreateFillet.svgフィレットツールをクリックします。
左コーナーの2辺をクリックします。
右コーナーの2辺をクリックします。

線上点拘束と、水平距離拘束が解除されています。


スケッチャー CreatePointFillet.svgコーナー保持フィレットをクリックします。
上コーナーの2辺をクリックします。
下コーナーの2辺をクリックします。

一致拘束のポイントに線上点拘束マークが付き、垂直距離拘束も残ります。

スケッチャー ConstrainEqual.svg等値拘束をクリックします。
左右の円弧をクリックします。
上下の円弧もクリックします。

円弧の中心は拘束されていません。

左の円弧中心と、水平軸を選択し、スケッチャー ConstrainPointOnObject.svg線上点拘束をクリックします。
上の円弧中心と、垂直軸を選択し、スケッチャー ConstrainPointOnObject.svg線上点拘束をクリックします。

最後に、円弧のスケッチャー ConstrainRadius.svg半径拘束と、水平の円弧中心間をスケッチャー ConstrainDistanceX.svg水平距離拘束で固定します。


【Sketcher作図練習02】


【Textデータ】

座標原点を中心にして円を作図します。

円を選択し、スケッチャー ConstrainRadius.svg半径拘束で30で固定します。

縦軸に線上点で拘束して、円周にかかるように長方形を作図します。
スケッチャートリミング.svgトリムツールで円の外側の線と、内側の短辺を削除します。

ラインツールで、円の中心から水平の線(図形の中心軸)を作図します。

スケッチャー ConstrainDistance.svg実長距離拘束で、円周上の端点と、中心軸の距離を10で固定します。
反対の端点からの距離も10で固定します。
スケッチャートリミング.svgトリムツールで外側の円周を削除します。

水平拘束している線を回転すると拘束が解除されるので、回転する前に平行拘束に変換することが必要です。
水平な2つの辺を選択し、スケッチャー RemoveAxesAlignment.svg軸配置の削除ツールをクリックして、平行拘束に変更します。

図形の中心軸と上の辺を選択して、スケッチャー ConstrainParallel.svg平行拘束で固定します。

ラインツールで、円の中心から斜めの線を作図し、スケッチャー ConstrainAngle.svg角度拘束で60度に固定します。

図形と斜めの線を選択し、スケッチャー対称.svg対称(ミラーツール)をクリックして反転コピーします。
さらに、コピーした図形と水平軸を選択し、スケッチャー対称.svg対称(ミラーツール)をクリックして反転コピーします。

コピーしてできた図形の中心線を選択して、スケッチャー ConstrainAngle.svg角度拘束で120度、-120度に固定します。

コピーしてできた円弧の中心は座標原点で重なっていますが、一致拘束していないので、座標原点を範囲で選択して、緑色表示に変えて、スケッチャー ConstrainCoincident.svg一致拘束をクリックします。

円弧のラインが完全固定になり緑色に変わります。

スケッチャー CreateFillet.svgフィレットツールをクリックし、外側の2つの辺を順にクリックして、接続部を面取りします。
面取りしてできた円弧をまとめて選択し、スケッチャー ConstrainEqual.svg等値拘束をクリックします。

円弧のひとつを選択し、スケッチャー ConstrainRadius.svg半径拘束で10に固定します。
外周の図形が完全固定になり、緑色表示に変わります。

閉じるをクリックして戻ると、作業ウインドウにスケッチができていますが、中心軸が残っています。

sketchをダブルクリックして、Sketcherに移動します。
中心軸と回転軸を選択して、スケッチャー ToggleConstruction.svgコンストラクションツールをクリックすると、参照線になり青色表示に変わります。

閉じるで戻ると輪郭だけのスケッチになっています。

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