Tips集 RenderワークベンチでレンダリングエンジンAppleseedを使う

技術ドキュメントによれば、Renderワークベンチでは、外部のレンダリングエンジンを使用して、FreeCADモデルから高品質のイメージを生成できるとある。

現在、6つの外部レンダリングエンジンが対応していることになっているが、ネット上で検索しても使い方については、ほとんど知ることができない。


LuxCoreRender
スタンドアローン版)と Appleseedは、ダウンロードして解凍し、FreeCADに連携すれば使用できる。

LuxCoreRenderの操作方法については、以前にオブジェクトを着色する(3)パースのレンダリングに挑戦」に記載した。

CyclesBlender)は、スタンドアローン版のプログラムデータを入手しビルドする(実行ファイルに組み立てる)必要があるようなので、プログラミング初心者には手が出ない。

Pov-Ray、Intel Osprey Studio、Pbrt-v4 については、情報が乏しく導入方法がわからない。

以上のような状況から、現状で利用できそうなレンダリングエンジンは、LuxCoreRender以外では、Appleseedとなる。


Appleseedは、アニメーションと視覚効果のために設計されたと説明があるように、LuxCoreRenderレンダラーより詳細な設定が可能なようにみえるので、短時間で精細なイメージを生成できる可能性がある。


■Appleseedをインストールする
Appleseedのホームページから、プログラムをダウンロードする。


ダウンロードしたファイルを解凍すると、Appleseedフォルダ内にプログラムファイルが展開される。

特にインストールは必要ない。解凍してできた
Appleseedフォルダを適当な場所に移動する。

(解凍したフォルダ内のbinフォルダのappleseed.studio.exeをダブルクリックすると、ソフトが起動する。FreeCADで使う場合は、RenderワークベンチからAppleseedを呼出すので特に起動する必要もない。)



■FreeCADとAppleseedを連携する
FreeCADでRenderワークベンチに移動する。
メニューの編集>設定>Renderで、Appleseedの実行ファイルにリンクする。

Appleseed command(cli) path に appleseed.cli.exeをリンクする。
Appleseed Studio pathに 
appleseed.studio.exeをリンクする。









上の図では、AppleseedフォルダをC:\Program Filesフォルダ内に移動してからリンクしている。



■Appleseedでのレンダリング操作
Renderワークベンチでのレンダリング操作は、LuxCoreRenderの場合と同様である。

① をクリックしてAppleseedのレンダリングプロジェクトを作成する

 プロジェクト作成ライトを設定しないときは、Sunlightを選択する。

② オブジェクトをレンダリングプロジェクトに追加する
 レンダリングするオブジェクトとプロジェクトの両方を選択し、[ビューの追加]ボタンを押して、オブジェクトをレンダリングプロジェクトの下層に登録する。

③視点を設定する
 透視投影モードに切り替え、3Dビューで目的の位置に移動してレンダリングするビューを決める。

カメラを作成した時は、カメラとプロジェクトの両方を選択し、[ビューの追加]ボタンを押して、カメラをレンダリングプロジェクトの下層に登録する。

レンダリングする
 プロジェクトを選択し、ツールバーの[レンダリング]ボタンを押すとAppleseedが起動する。
(この段階ではレンダリングは始まらない。)

■Appleseedでレンダリングする
Appleseedが起動しても、レンダリングは自動的には始まらないので、レンダリングウインドウは黒いままになっている。








Renderingメニューをクリックして、レンダリング方法を選択するとレンダリングを開始する。

レンダリング方法はインタラクティブとファイナルがある。
F5キー、F6キーでレンダリングを開始することもできる。

Rendering Settings (F7キー)でレンダリングの条件を設定することもできる

それぞれの項目については、まだ検討できていないが、Samples(デフォルト値16)を大きくするほど滑らかな画像を生成する。



■インタラクティブレンダリング(F5)は、動的なレンダリングで、レンダリング中に画面の構図を調整することができる。

Ctrl+マウス左、中、右ボタンのドラッグでレンダリング中のオブジェクトの回転、パン、ズームができる。

Appleseedは、レンダリングウインドウを見ながら構図の調整ができるので、FreeCADの3Dビューに戻ってカメラを調整をする必要がなく効率的である。


インタラクティブレンダリングは自動的に止まらないので、Renderingメニューの「Stop Rendering」をクリックして停止させる。
ストップはShift+F5キー、一時停止はCtrl+F5キーでも代用できる。



■ファイナルレンダリング(F6)は、インタラクティブレンダリングで構図を決定してから実行する方がよい。
ファイナルレンダリングは、タイル状にレンダリングする。

画像生成用のレンダリングモードなので、レンダリング中の構図の変更はできないが、画像を短時間で生成できる。終了すると自動的に停止する。

ファイナルレンダリングの欠点は、レンダリングが完了するまで最終形が確認できない点にある。レンダリング中に適当でないと判断した時は、Stop Rendering(Shift+F5)で停止させることができる。

Samplesがデフォルト16のままだと、ざらついた画像になるので、サンプル数を大きくする方がよい。
Passesが1、Samplesが64の場合と、Passesが8、Samplesが8(8×8=64)の場合は、サンプル数が同じとなり、ほぼ同等の画像を生成できるが、Passesを8にした方がレンダリング時間を短縮することができる。


■画像を保存する
レンダリングを終了したら、レンダリングウインドウの左上にあるSave Frameボタンをクリックして、画像イメージを保存する。





参考としてBIMモデリング練習で作成したBIMの定番モデル ファンズワース邸」のデータをAppleseedとLuxCoreRenderでレンダリングした結果を掲載する。

レンダリングプロジェクトはsunlightとする。(ライトの設定なし)
マテリアル設定はしていない。
レンダリングプロジェクトのGroundPlaneプロパティをtrueにして地面を表示している。

   Appleseed               LuxCoreRender


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