投稿

4月, 2023の投稿を表示しています

PartDesignワークベンチ3分間練習15 Shellで作成した面材から線形のモデルを切り出す

イメージ
 線形の部材を組み合わせてモデルを作成する場合は、連続線や曲線でフレームを作成し、スイープツールで部材に変換するのが汎用的な方法ですが、面の向きがそろっている角材の場合はソリッドで外形を作り、部材を切り出した方が簡単なこともあります。  Shellツールを使えば、ソリッドを一定の厚さの面の組み合わせに変換することができるので、作成した面から角型の部材を切り出します。 ■傾斜した面で構成されるモデルを作成する 直線的なモデルは、ソリッドから残す面を考えて順にPocketツールで切抜いていけば、線形の部材が残るので、特別な操作はありません。 【直線フレームの切抜き】 【Textデータ】 PartDesignワークベンチのスケッチ作成ツールで、XY-planeを選択してSketcherに移動します。 長方形ツールで、座標原点から長方形を作図し、水平距離拘束で200、垂直距離拘束で200で固定します。 閉じるで戻り、Padツールで長さ100で直方体に変換します。 直方体の側面を選択し、Pocketツールをクリックします。 長さを100にして、方向をカスタム方向に変更し、xを30、zを100に変更して、面を傾けます。 反対の側面を選択し、Shellツールをクリックして、「□内側に向かって作成」をオンにし、厚みを20にして、板材に変換します。 ソリッドの上の面を選択し、スケッチ作成ツールでSketcherに移動します。 外部参照リンクツールで、右の線をクリックして参照ラインに変換します。 参照ラインに線上拘束して、長方形を作図します。 長方形の右下の点と水平軸を選択し、垂直距離拘束で20で固定します。 長方形の線を、水平距離拘束で120、垂直距離拘束で160で固定します。 コーナー保持フィレットで、長方形の左側のコーナーを面取りし、半径拘束で10で固定します。 閉じるで戻り、Pocketツールで長さ20で上の板を切抜きします。 下の板を選択し、スケッチ作成ツールでSketcherに移動します。 外部参照リンクツールで、右の縦の線を選択して参照ラインに変換します。 参照ラインの下の点に一致拘束して、長方形を作図し、水平距離拘束で80で垂直距離拘束で160で固定します。 コーナー保持フィレットで、長方形の左側のコーナーを面取りし、半径拘束で10で固定します。 閉じるで戻り、Pock

PartDesignワークベンチ3分間練習14 プレートとパイプ リブプレートの組み合わせ

イメージ
 今回から少し複雑なモデルを練習します。注意すべき点は、PartDesignワークベンチは、形状の作成とブーリアン演算を別々に操作することができないということです。  Partワークベンチであれば複数のソリッドを作成して位置を調整し、ブーリアン演算で加算減算して合成することができます。しかし、PartDesignワークベンチでは、元の形状に別の形状を追加するためには、正しい位置に作成しないと後で位置を調整してから合成するということはできません。  ただし、形状を追加するときに作成するベースオブジェクトのSketchは、Attachmentプロパティで位置を変更することができるので、ベースオブジェクトを移動することで、形状の位置を調整することはできますが、それがPartDesignワークベンチの正しいモデリング方法であるのかは確証がありません。  さらに、正しい依存関係で作成しないと、パラメーターを変更したときにデータが崩れてしまいます。図面から直接モデルを作成するだけなら適当に作ってもそれなりの形状にはなりますが、パラメーターによる変形を考えているなら、依存関係についても、作成する順序やリンクと拘束を考慮する必要があります。    3分程度の短時間でモデリングするためには、3Dで複雑な操作をすることができません。できるだけSketcherで詳しいベースオブジェクトを作成して、3Dの操作を単純化することを考えています。PartDesignワークベンチの本来の方法とは少し違うかもしれませんが、こんな方法でも作成できるのかという程度に考えて、他の方法も試してみてください。 ■最初は3Dモデルの例題によくあるリブの付いたプレートのモデルです。 プレートの形状をSketcherで作成し、立体化した上で、リブプレートを追加します。リブの位置がどこかの面と一致していれば、その面にスケッチを作図しますが、合わせる面がない場合は、基準平面に作図し、Attachmentプロパティで位置を調整してから立体化します。 Attachmentの座標軸は、作図した平面がXY平面になります。作図面に垂直に移動するにはZ方向に移動量を入力します。 その他に、Sketcherには複雑なモデルを作成するときに役立つ機能があります。 基準平面に作図する場合には、作図面の前にソリッドがあって、作図中のライン

PartDesignワークベンチ3分間練習13 ソリッドから箱や板材を切取る(Shell(厚さ)ツール)

イメージ
 押出系のツールの最後に、箱状のモデルを作成します。一般的な方法は、箱の外形のソリッドを作成し、内側をPocketツールで切抜きます。  それ以外の方法としては、FreeCADには Shell(厚さ)ツールがあって、面に直接厚みをつけることができます。  Shellツールは、面から除外する部分を選択してクリックすると、その他の面の外側に設定した厚みのソリッドを作成します。 均一な厚みを付ける場合には、Shellツールを使う方が簡単です。  モードはスキンとします。  接合タイプを円弧にすると、外側コーナーを厚みの半径でフィレット処理します。  共通集合にすると面を突合せにします。  内側に向けて厚みを付けるには、「□内側に向かって厚みを作成」オプションをONにします。  Shellツールは、ソリッドから面を切出し、厚みを付けてソリッドに変換するツールなので、複数の面で構成される板材を一度の操作で作成することができます。 (Partワークベンチには、Shellツールはありませんが、FaceBinderツールでソリッドの面を取り出し、3Dオフセットツールで厚みを付けることができます。) 【板材を使ったモデルの作成 Shellツール】   【Textデータ】 PartDesignワークベンチで、直方体プリミティブで、100、100、50の直方体を作成します。 上の面を選択し、スケッチ作成ツールでSketcherに移動します。 長方形を作図し、縦と横の線を選択して、等値拘束で固定します。 上の辺を選択し、水平距離拘束で96で固定します。 左下の点と水平軸を選択し、実長距離拘束で2で固定します。 左下の点と垂直軸を選択し、実長距離拘束で2で固定します。 閉じるで戻り、 Pocketツールで48で切抜きします。 これで、厚さ2mmの箱ができます。 ボディを削除します。 直方体プリミティブで、100、100、50の直方体を作成します。 上の面を選択し、 Shellツールをクリックします。 厚みを2に変更します。 「□内側に向かって厚みを作成」をオンにします。 OKをクリックして、厚さ2mmの箱を作成します。 モデルタブでBodyを選択し、プレイスメント 配置オプションを出し、増分変更をオンにしてZを-100として下に移動します。 ボディ作成ツールをクリックして、Body001を作

PartDesignワークベンチ3分間練習12 勾配のある面をつくる(Pocket、ドラフト、面取り)

イメージ
 ソリッドの面に勾配を付けることもモデリングの主要な操作のひとつです。PadやPocketツールで直接モデルを作成する以外に、面取り(Chamfer)ツールや、ドラフト(Draft)ツールで面を傾けることもできます。  PadツールやPocketツールでSketchをベースにして変換すると、形状の寸法がスケッチに記入されているので、パラメーターの数値がわかりやすくなります。  面取りやドラフトを使う場合は、できたChamferオブジェクト、Draftオブジェクトのプロパティで変更できますが、オブジェクトをダブルクリックすれば、作成したときのオプションを表示して変更することもできます。   PadツールやPocketツール は、Sketcherで2Dベースオブジェクトを作図し、押出します。  この方法でSketcherで作図するときは、ソリッドの面や基準平面をSketcherの作図面にすれば、比較的簡単に断面を作成することができます。  基本は法線方向(面に垂直な方向)ですが、特別に方向を調整したいときは、Sketcherで作図した線やモデルの任意のエッジを、「参照を選択」オプションでクリックして指定することができます。  また、絶対座標のXYZの比率で方向を設定することもできます。  テーパー角度のオプションもあり、指定した角度で拡大縮小しながら押出すこともできます。   面取り(Chamfer)ツール は、2つの面の間に勾配面を作成します。オプションで、等距離、2つの距離、距離と角度の3種類の設定方法を選択できます。   ドラフト(Draft)ツール は、機械設計で抜き勾配といわれる面全体を傾ける機能です。面を選択して指定した角度で面を傾けます。不整形の面でも、中立面を基準にして傾けることができます。  面取りやドラフトツールは、面と面の間に勾配面を作るツールなので、対象となる面の長さが0になると、作成することができません。  辺長が10の立方体で面を傾ける場合、辺の長さが9.999999(小数点以下6桁)まで、角度は44.999(小数点以下3桁)までは変換できます。  実際のモデルでは製作上の誤差があるので、まったく問題のない数値ですが、正確な数値で作図するCADとしては気になるところです。 【勾配面を作成する操作練習】 【Textデータ】 PartDesign

このブログの人気の投稿

はじめに FreeCADでBIMはできるのか(2022/8/8追記)

オブジェクトを着色する(3) パースのレンダリングに挑戦