PartDesignワークベンチ3分間練習14 プレートとパイプ リブプレートの組み合わせ
Partワークベンチであれば複数のソリッドを作成して位置を調整し、ブーリアン演算で加算減算して合成することができます。しかし、PartDesignワークベンチでは、元の形状に別の形状を追加するためには、正しい位置に作成しないと後で位置を調整してから合成するということはできません。
さらに、正しい依存関係で作成しないと、パラメーターを変更したときにデータが崩れてしまいます。図面から直接モデルを作成するだけなら適当に作ってもそれなりの形状にはなりますが、パラメーターによる変形を考えているなら、依存関係についても、作成する順序やリンクと拘束を考慮する必要があります。
3分程度の短時間でモデリングするためには、3Dで複雑な操作をすることができません。できるだけSketcherで詳しいベースオブジェクトを作成して、3Dの操作を単純化することを考えています。PartDesignワークベンチの本来の方法とは少し違うかもしれませんが、こんな方法でも作成できるのかという程度に考えて、他の方法も試してみてください。
■最初は3Dモデルの例題によくあるリブの付いたプレートのモデルです。
プレートの形状をSketcherで作成し、立体化した上で、リブプレートを追加します。リブの位置がどこかの面と一致していれば、その面にスケッチを作図しますが、合わせる面がない場合は、基準平面に作図し、Attachmentプロパティで位置を調整してから立体化します。
Attachmentの座標軸は、作図した平面がXY平面になります。作図面に垂直に移動するにはZ方向に移動量を入力します。
その他に、Sketcherには複雑なモデルを作成するときに役立つ機能があります。
基準平面に作図する場合には、作図面の前にソリッドがあって、作図中のラインが見えないことがあります。そんなときにはセクション表示ツールをクリックすると、作図面の位置で断面表示に変わるので、作図のラインが見えるようになり線を選択するのがわかりやすくなります。
【付属プレートと配列複写(直線パターン)】
【Textデータ】
PartDesignワークベンチで、スケッチ作成ツールをクリックし、XZ-Planeを選択してSketcherに移動します。
中央に長方形を作図し、長方形の左下の点と右上の点、座標原点を選択し、対称拘束で中心合わせします。
水平距離拘束で140で、垂直距離拘束で56で固定します。
上の辺に重ねて長方形を作図します。
円弧ツールで、長方形の上の線に線上拘束し、左の点から右の点まで一致拘束で円弧を作図し、半径拘束で35で固定します。
長方形の上の線を選択し、コンストラクションツールをクリックして参照線に変換します。
円の中心と垂直軸を選択し、線上点拘束で固定します。
トリムツールで、長方形の交差部の不要な線を削除します。
下の長方形の縦の線を選択し、等値拘束で固定します。
水平拘束の消えた上の線を選択し、水平拘束で固定します。
円弧の下の縦の線を選択し、垂直距離拘束で20で固定します。
円ツールで円弧の中心に一致拘束して円を作図し、半径拘束で20で固定します。
コーナー保持フィレットで、長方形交差部分の 線をクリックして丸面取りします。
左右の面取り円弧を選択し、半径拘束で15で固定します。
円ツールで水平軸に線上拘束して、左右に円を作図します。
2つの円を選択し、半径拘束で5で固定します。
2つの円の中心と垂直軸を選択し、対称拘束で固定します。
円の中心と垂直軸を選択し、水平距離拘束で54で固定します。
閉じるで戻り、Padツールで長さを30、「□逆方向」をオンにしてソリッドを作成します。
スケッチ作成ツールで、YZ-Planeを選択してSketcherに移動します。
外部参照リンクツールで、左の縦の線をクリックして参照ラインに変換します。
セクション表示ツールをクリックし、断面表示に変更します。
参照ラインの端点と線上点拘束を使って、三角形を作図します。
フィレットツールで先端部を丸面取りし、半径拘束で10で固定します。
円弧の中心と垂直軸を選択し、水平距離拘束で40で固定します。
三角形の縦の線を選択し、垂直距離拘束で45で固定します。
円ツールで円弧の中心に一致拘束して、円を作図し、半径拘束で5で固定します。
閉じるで戻り、Sketch001を選択し、AttachmentプロパティのPositionで、zを-27.5に変更して、Sketchをプレートの位置まで移動します。
Pocketツールで「□面に対して対称」をオンにして、長さ15でソリッドを作成します。
できたPadオブジェクトを選択し、直線配列コピーツールをクリックし、長さに移動距離55を入力します。
方向を通常のスケッチ軸に変更すると、作図面に垂直な方向にPadオブジェクトのコピーができます。
■円形のソリッドにプレートを追加する方法を考える。
平面のプレートに直交方向のプレートを接続する場合は、線の位置を合わせるだけでよいので簡単ですが、円柱(丸パイプ)にプレートを接続する場合は重なる部分の形状を考慮します。
円周と同じ方向なら、円周上にそろえるには接線拘束で位置合わせすれば滑らかにつながります。
円周と直交する方向にプレートを接続するには、正確なモデルにするために板厚分の切込みが必要になります。円柱を作成してから切り取る方法、切抜きのある断面を押出しする方法、円柱とプレートを重ねて直接合成する方法など、いろいろ考えることができます。
パラメトリックな変形をするには、接続部分の部材へのリンクも必要です。
右の図のモデルを作成します。
下のパイプとプレートは直接合成すると、隙間ができるか、どちらかの部材の小口が残ります。プレートを先に作成し、切抜きした断面のパイプを押出しすれば、プレートとパイプがリンクしたモデルを作成することができます。
上のパイプとプレートも隙間ができないように接続し、板厚やパイプを変更した時に接続位置がリンクできるように考えます。
【円柱とリブプレートの取合い】
【Textデータ】
PartDesignワークベンチのスケッチ作成ツールをクリックし、YZ-Planeを選択してSketcherに移動します。
連続線ツールで、水平軸と垂直軸に線上拘束して、三角形を作図します。
下の線を選択し、水平距離拘束で35で固定します。
線の左右の点と、座標原点を選択し、対称拘束で中心合わせします。
円ツールで、中心を垂直軸に線上拘束し、半径を三角形の斜めの線に接線拘束して、円を作図し、半径拘束で7.5で固定します。
円の中心と水平軸を選択し、垂直距離拘束で19で固定します。
トリムツールで円と三角形の不要部分を削除します。
円と斜め線を選択して、接線拘束で固定します。
閉じるで戻り、Padツールで、「□面に対して対称」をオンにして、長さを5にしてソリッドに変換します。
スケッチ作成ツールで、XZ-Planeを選択してSketcherに移動します。
外部参照リンクツールで、プレートの下の線をクリックして参照ラインに変換します。
セクション表示ツールをクリックして、断面表示に変更します。
円弧ツールで垂直軸に線上拘束し、参照線の右端から左端まで円弧を作成します。
円弧の端点をラインツールでつなぎます。
円弧を選択し、半径拘束で14で固定します。
円ツールで円弧の中心から円を作図し、半径拘束で9で固定します。
閉じるで戻り、Padツールで、「□面に対して対称」をオンにして、長さを35にしてパイプを作成します。
スケッチ作成ツールで、YZ-Planeを選択してSketcherに移動します。
外部参照リンクツールで、プレートの上の円弧をクリックして参照ラインに変換します。
円ツールで、円弧の中心から、円弧の端点までの円を作図します。
円の内側に、中心合わせで円を作図し、半径拘束で4.5で固定します。
閉じるで戻り、Padツールで、「□面に対して対称」をオンにして、長さを19にしてパイプを作成します。
作成したパイプの面を選択し、スケッチ作成ツールで、Sketcherに移動します。
外部参照リンクツールで、円をクリックして参照ラインに変換します。
円の下に長方形を作図します。
長方形の上の線を選択し、水平距離拘束で5で固定します。
線の左右の点と垂直軸を選択し、対称拘束で中心合せします。
線の端点と円を選択し、線上拘束をクリックして、円周上に合わせます。
閉じるで戻り、スケッチ作成ツールで、XZ-Planeを選択してSketcherに移動します。
外部参照リンクツールで、作成したスケッチの線と、円をクリックして参照ラインに変換し、セクション表示ツールをクリックして断面表示に変更します。
円の線上点から参照ラインの端点を使って、連続線ツールでリブプレートを作図します。
円に接する線と円弧を選択して接線拘束で固定します。
円弧ツールで、円弧部分のラインを作図します。
閉じるで戻り、Padツールで、「□面に対して対称」をオンにして、長さを5にしてリブプレートを作成します。
作成したPadオブジェクトを選択し、鏡面コピーツールをクリックすると、軸線の反対側にコピーができます。
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