3Dモデリング入門15 Part WB ロフト、スイープで断面を押出しする
ロフトは、2つ以上の断面をつないで3Dオブジェクトを作成するツールです。線織面のように境界線が2つに限定されていないので、断面をなめらかに連続してつなぐことができます。
さらに、スイープを使うと経路を指定できるので、自由な曲線に沿って変形させることができるようになります。
押出し系のツールには次のような違いがあります。
押出し(Extrude)は、ひとつの面または線を指定方向に押出します。
ロフト(Loft)は、複数の面または線を押出してつなぎます。
スイープ(Sweep)は、ひとつまたは複数の面を、経路に沿って押し出してつなぎます。
ロフトとスイープにも、PartワークベンチとPartDesignワークベンチに別々の専用ツールがあって操作方法に多少の違いがあります。
■Partワークベンチのロフト(Loft)
ここから、いろいろな柱状のモデルを作りながらロフト機能を確認します
断面はSketcherで作成します。(作業面にオフセットを設定できるので、断面や作業平面を移動する手間が省けます。)
最も単純な、上下同じ断面つなぐ方法
3)何も選択していない状態で、sketch作成アイコンをクリックします。
作業面はXY、オフセットを50とします。
4)2と同じ図形になるように、原点を中心として円を作図します。半径拘束で10とします。
6)ロフトツールをクリックすると、タスクタブがオプションに変わります。
Sketch001も同様に選択して、右矢印で右欄に移動します。
8)下のオプションで、ソリッド作成、線織面(2線結合)、閉じる(最後の面と最初の面をつなぐ)を選択できます。通常は□ソリッド作成をONです。
この形状であれば、プリミティブでも、押出しでも、回転でも作成することができます。しかし、断面位置がずれていたり、傾いていた場合には他のツールでは作成できません。
断面の位置や形状が違う場合
1)sketch作成アイコンをクリックして、作業面をXY、オフセット0とします。
2)原点を中心として円を作図します。半径拘束で10とします。
作業面はXY、オフセットを50とします。
4)2の円とずらして、長方形を作図します。
6)オプションで、上下のSketchを順に右欄に移動します。
7)下の□ソリッドを作成をONにして、OKをクリックすると、ロフトオブジェクトができます。
断面の形状が、複雑すぎるとエラーになることがあります。
ソリッドの面をロフトで押出す
4)ロフトツールをクリックし、SketchとFacebinderを右欄に移動します。
5)下の□ソリッドを作成をONにして、OKをクリックすると、ロフトオブジェクトができます。
1)sketch作成アイコンをクリックして、作業面XY、オフセット0とします。
2)原点を中心にして、半径10の円を作図します。
3)sketch作成アイコンをクリックして、作業面XY、オフセット5とします。
4)多角形ツールで、半径3の六角形を作図します。
5)sketch作成アイコンをクリックして、作業面XY、オフセット20とします。
6)多角形ツールで、半径3の六角形を作図します。
8)原点を中心にして、半径20の円を作図します。
10)原点を中心にして、半径25の円を作図します。
オプションで、左のSketchを右欄に移動します。
画面で確認しながら、上または下から順に選択します。
ロフトでは、右欄の並び順に接続するので、順序が違っていると、正しく成形できません。
□ソリッドを作成はOFFのままで作成してみます。
モデルの小口は開いたままで、面で構成したサーフェイスモデルになります。
(オプションの線織面がONの状態です。)
断面を2つずつ順につないだ形状になります。
Partワークベンチのロフトは線をつないてサーフェイスモデルを作成することができますが、PartDesignワークベンチの加算/減算ロフトは、サーフェイスを作成することはできません。
■Partワークベンチのスイープ(Sweep)
スイープツールは、2つの使い方ができます。経路に沿ってロフトのように複数の断面をつなぐ方法と、経路に沿ってひとつの断面を押出す使い方です。経路に沿ってというところがスイープの特徴です。
ひとつの断面を経路に沿って押出す操作は、次回以降に検討するパイプやフレームと同様の機能なので、そのときにまとめて検討します。
スイープで複数の断面を押出す
1)sketch作成アイコンをクリックして、作業平面XY、オフセット0とします。
原点を中心にして半径3程度の円を作図します。
2)Partにもどり、sketch作成アイコンをクリックして、作業平面XY、オフセット50とします。
円の外側に、長方形を作図します。
ソリッドを作成をONにして、OKをクリックすると、Loftができます。
このオブジェクトをスイープで曲げてみます。
5)SketchをXY-Planeに作図したので、スイープ経路の図をSketcherのXZ面に作図します。
sketch作成アイコンをクリックして、作業平面をXZ、オフセット0とします。
3点円弧で、原点と高さ50の点を通る円弧を作図します。
6)スイープツールをクリックします。
タスクタブがオプションに変わります。
7)オプションはロフトとほとんど同じですが、下部にスイープ経路ボタンと、ソリッド作成とフレネのオプションがあります。
□フレネは、形状が経路に進むときのねじれを調整します。通常はOFFにします。ラセン経路などで形状がおかしい場合にONにすると修正できることがあります。
断面を選択して右欄に移動するところまではロフトを同じです。
選択後に、スイープ経路をクリックして、作業ウインドウで経路にする線を選択します。
スイープ経路が終了ボタンになっているので、クリックすると下部のオプションが選択可能になります。
スイープ経路が断面とずれている場合、短い場合
スイープの操作は、ロフトに経路の選択が追加されただけなので、特に難しい点はないのですが、断面と経路の位置関係によっては特別な変形をすることがあります。
5)sketch作成アイコンをクリックして、別の経路を作図します。作業平面をXZ、オフセット-20として、作業面を前方に移動します。
スプライン曲線で経路を作図します。経路は上側の断面よりも低い位置で終わるように作図します。
スイープ経路をクリックして、作業ウインドウで経路にするスプライン曲線を選択します。
経路の位置は断面から離れており、高さも短く作図しましたが
、作成されたオブジェクトは元の断面をつなぐ形になっています。
この方法は、経路の形が変わってしまうので、実際には使い道のない方法ですが、断面位置と経路の関係が一致していない場合は、経路の形状が変わることを理解しておいてください。
以上のことから、スイープを使うときに注意すべき点は次の通りです。
・スイープは、基本的には経路を作図し、経路に合わせて断面を配置するのが望ましい。特に3以上の断面をスイープするときは、断面と経路の位置関係をそろえておかないと、経路に沿った変形ができなくなる。(ロフトもスイープも断面の位置は動かないので、経路と各断面の相対関係が違っていると経路が歪むことになる。)
・経路は断面に投影されるので、断面の位置と経路の位置は、ずれていてもよい。
極端にいえば、断面間の距離と経路の長さが一致しなくてもよい。その場合は、経路を断面の位置に変形して投影し、スイープを仮想の経路に沿って作成する。経路より断面の位置が優先である。
・断面の形状が複雑な場合、連続する断面の形状の差異が大きい場合、経路の曲率が大きい場合などは、正しく作成できない。
・断面の作図方向や経路の位置関係によって、スイープ面にねじれが発生することがある。これには具体的な対策は見つけていない。作図からやり直して試してみるしか方法がない。
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