3Dモデリング入門16 PartDesign WB 加算/減算 ロフトでモデルを作成する

 PartDesignワークベンチのロフトは、加算と減算ツールに分かれています。ロフトはPartDesign AdditiveLoft.svg加算ロフト(Additive Loft)とPartDesign SubtractiveLoft.svg減算ロフト(Subtractive Loft)です。

ツールで作成できる形状は、Partワークベンチのロフトとほぼ同じですが、操作方法が少し違います。



■PartDesignワークベンチの加算ロフト(AdditiveLoft)
加算ロフトは、Partワークベンチのロフトと同じように複数の断面をつなぎます。ただし、PartDesignワークベンチのツールなので自動的にソリッドを作成します。ボディ内に他のオブジェクトがあり交差する場合は、自動的に元のオブジェクトと合成します。

他のオブジェクトがあり交差しない場合は、ボディ内に単一のオブジェクトというルールに反するので、オプションでOKをクリックしても形状は作成されませんが、エラーになることはなく、モデルタブに操作の履歴が残り、AdditiveLoftオブジェクトができます。



加算ロフトは、断面となるオブジェクトをまとめて選択し、PartDesign AdditiveLoft.svg加算ロフトツールをクリックします。
Partワークベンチのロフトのように、オプションで、左欄から右欄に移動する操作はありません。
選択した順に接続するので、選択する順序が重要です。
断面はSketchだけでなく、ソリッドの面を選択することもできます。


1)PartDesignワークベンチに移動します。
2)PartDesign AdditiveBox.svgプリミティブで立方体を作成します。
3)スケッチャーNewSketch.svgsketch作成アイコンをクリックして、作業面XY-PlaneでスケッチャーCreateRectangle.svg長方形を作図します。長方形は立方体と重なるように作図します。
 PartDesignに戻り、スケッチャーNewSketch.svgsketch作成アイコンをクリックして、作業面XY-Planeで別のスケッチャーCreateRectangle.svg長方形を作図します。
4)PartDesignに戻り、モデルタブで、作図した長方形を選択し、AttachmentプロパティでZ=20として、長方形を上方向に移動します。





5)モデルタブで2つの長方形を選択して、PartDesign AdditiveLoft.svg加算ロフトツールをクリックします。





6)ロフトした形状が仮表示され、タスクタブがオプションに変わります。






オプションに、線織面(2線結合)と閉じる(最後の面と最初の面をつなぐ)があります。

OKをクリックすると、ロフトを作成し、元のソリッドと合成します。


PartDesignワークベンチは、ソリッドを作成するワークベンチなので、閉じていない線をロフトでサーフェイスに変換することはできません。























■重複部分がなくロフトで形状を作成できない場合
ボディに他のソリッドがある場合は、そのソリッドと交差している必要がありますが、交差しない場合でも、PartDesign Pad.svgPad(押出し)のように警告が出ることはありません。

分離したソリッドを作成すると仮表示はできますが、形状は作成されません。ただし、モデルタブにはAdditiveLoftオブジェクトが残ります。

1)プリミティブでPartDesign AdditiveBox.svg立方体を作成します。
2)スケッチャーNewSketch.svgsketch作成アイコンをクリックして、作業面XY-PlaneでスケッチャーCreateRectangle.svg長方形を作図します。長方形は立方体と重ならないように作図します。
PartDesignに戻り、スケッチャーNewSketch.svgsketch作成アイコンをクリックして、作業面XY-Planeで別のスケッチャーCreateRectangle.svg長方形を作図します。
PartDesignに戻り、作図した長方形を選択し、AttachmentプロパティでZ=20として、長方形を上方向に移動します

モデルタブで2つの長方形を選択して、PartDesign AdditiveLoft.svg加算ロフトツールをクリックします。

ロフトした形状が仮表示され、タスクタブがオプションに変わります。

タスクタブでOKをクリックします。


重複部分がないので、仮表示されていた形状は作成されず、元のソリッドの形状も変わりません。





しかし、モデルタブにはAdditiveLoftオブジェクトができたままになります。

下層のSketchを編集して、元のソリッドと交差するように修正することができます。


下側の長方形のSketchをダブルクリックしてSketcherに移動します。
長方形の辺をドラッグして、元の立方体と重なる位置まで拡大します。



閉じるで戻ると、ロフトした形状が作成されて、立方体と合成されています。









■PartDesignワークベンチの減算ロフト(SubtractiveLoft)
減算ロフトは、元のソリッドから、ロフトで作成した形状との重複部分を削除します。その他の条件は加算ロフトとほぼ同じです。

特殊な使用法としては、ソリッドの面に2Dベースオブジェクトを作図して、外向きに減算ロフトを作成すると、元のソリッドの面を2Dベースオブジェクトで切断することができます。



1)1)プリミティブでPartDesign AdditiveBox.svg立方体を作成します。
2)スケッチャーNewSketch.svgsketch作成アイコンをクリックして、作業面XY-PlaneでスケッチャーCreateRectangle.svg長方形を作図します。長方形は立方体と重なるように作図します。

PartDesignに戻り、スケッチャーNewSketch.svgsketch作成アイコンをクリックして、作業面XY-Planeで別のスケッチャーCreateRectangle.svg長方形を作図します。
PartDesignに戻り、作図した長方形を選択し、AttachmentプロパティでZ=20として、長方形を上方向に移動します。

モデルタブで2つの長方形を選択して、PartDesign SubtractiveLoft.svg減算ロフトツールをクリックします。







ロフトした形状が仮表示され、タスクタブがオプションに変わります。

オプションは加算ロフトと同じです。


















タスクタブでOKをクリックします。

元の直方体から、重複部分が削除されます。






元の直方体と交差しないようにSketchの位置を調整します。
断面のSketchを選択して、PartDesign SubtractiveLoft.svg減算ロフトツールをクリックします。

ロフト形状が元の立方体と交差していないことを確認して、OKをクリックすると元の立方体は変形なしですが、モデルタブにはSubtractiveLoftができています。

SubtractiveLoftオブジェクトのプロパティで、形状を変更して、元のソリッドを修正できることは、加算ロフトと同じです。

■複数の断面、ソリッドの面
複数の断面がある場合も、形状はPartワークベンチのロフトと同じです。
ただし、PartDesignワークベンチでは、閉じていないSketchを立体化することはできないので、閉じたSketchに変更する必要があります。

データム平面を作成し、面上にSketcherで作図する方法は練習しましたが、ここでは、Sketcherで作成したスケッチを複製し、移動回転する方法で断面を作図します。


複数の断面をつなぐ
1)PartDesignワークベンチに移動します。
2)スケッチャーNewSketch.svgsketch作成アイコンをクリックして、作業面をXY-Planeにして、スケッチャーCompCreateConic.png円錐曲線ツールのスケッチャーCreateArcOfParabola.svg放物線円弧で放物線を作図します。

軸上の端点をスケッチャーCreateLine.svgラインツールで結んで閉じた線形にします。(Sketch)
(斜め線を引き、端点のスケッチャーConstrainCoincident.svg一致拘束でそろえる方が失敗が少なくなります。)

3)PartDesignに戻り、スケッチャーNewSketch.svgsketch作成アイコンをクリックして、作業面をXY-Planeを選択してSketcherに移動します。
スケッチャーCarbonCopy.svgカーボンコピーツールをクリックし、画面上にある作成済みのSketchをクリックしてコピーします。(Sketch001)
PartDesignに戻り、もう一度スケッチャーNewSketch.svgsketch作成アイコンをクリックして、作業面をXY-Planeで、スケッチャーCarbonCopy.svgカーボンコピーツールをクリックし、画面上にある作成済みのSketchをクリックしてコピーします。(Sketch002)
4)PartDesignに戻り、モデルタブでSketch001をダブルクリックしてSketcherに移動し、放物線の形状をドラッグして縮小します。
5)両端のスケッチを移動回転します。Sketchを選択し、AttachmentプロパティでZ=20、回転軸をXにして角度=30とします。
Sketch002を選択し、AttachmentプロパティでZ=-20、回転軸をXにして角度=-15とします。
オプションでOKをクリックすると、ロフトを作成します。

オプションの□線織面をONにすると、断面を2つずつ直線でつないだ形状を作成します。
作成したモデルの、上面を選択します。
Draftワークベンチに移動し、ドラフトFacebinder.svgFacebinderををクリックすると、選択した面を抽出して、サーフェイスオブジェクトを作成することができます。

(ボティを非表示にして、形状を確認できます。)
サーフェイスオブジェクトはボディの外にできます。





ソリッドの面から直接ロフトする
1)プリミティブでPartDesign AdditiveBox.svg立方体を作成します。
2)立方体の前面を選択し、sketch作成アイコンをクリックして、スケッチャーCreatePolyline.svg連続線で断面を作図します。
3)作成したSketchを選択して、AttachmentプロパティでZ=20として、前方向に移動します。
4)立方体の前面とSketchを選択して、PartDesign AdditiveLoft.svg加算ロフトをクリックしてAdditiveLoftを作成します。




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