3Dモデリング入門11 PartDesign WB 押出し(Pad)と掘削(Pocket)でモデルを作成する

 PartDesignワークベンチでは、ブーリアン演算は使わないので、同じ操作のツールが加算ツールと減算ツールに分かれています。押出しツールでは、加算のPartDesign Pad.svgPad(押出し)と減算のPartDesign Pocket.svgPocket(掘削)があります。





■PartDesignワークベンチのPad(押出し)ツール
1)PartDesignワークベンチに移動します。
2)スケッチャーNewSketch.svgsketch作成アイコンをクリックして、作業面のXY-Planeを選択してOKします。
3)30×20程度のスケッチャーCreateRectangle.svg長方形を作図します。

閉じるをクリックして、PartDesignに戻ると、ボディと下層にOrigin その下層にSketchができています。






4)Sketchを選択して、PartDesign Pad.svgPadツールをクリックすると、タスクタブがオプションに代わります。

長さは押出しする寸法を入力します。

□Use Custom dir はカスタム方向で、チェックすると、基準点からXYZ方向に指定の距離移動した点の方向に向かって、指定長さで押出します。

□面に対して対称は、ベースオブジェクトの面の両側に指定長さの1/2ずつ押出します。



標準の長さ10のままでOKすると、Padオブジェクトができます。






5)できた直方体Padの上面を選択し、スケッチャーNewSketch.svgsketch作成アイコンをクリックして、Sketcherに移動します。

PartDesignワークベンチでは、面を選択してsketch作成アイコンをクリックすると。選択した面を作業面にして、Sketcherが開きます。


6)SketcherでスケッチャーCreateCircle.svg円を作図します。








7)閉じるでPartDesignに戻ると、Sketch001ができています。






8)円Sketch001を選択し、PartDesign Pad.svgPadツールをクリックします。
長さ順方向を20に変更します。

OKをクリックすると、モデルができます。
最後にできたPadは、最初のソリッドと次のソリッドが結合したソリッドになっています。






9)もう一度、直方体の上面を選択し、スケッチャーNewSketch.svgsketch作成アイコンをクリックして、Sketcherに移動します。










10)四角形からはみ出す形でスケッチャーCreateCircle.svg円を作図します。











閉じるで戻り、できたSketch002を選択し、PartDesign Pad.svgPadツールをクリックします。

オプションを長さ20、□面に対して対称をONにしてOKします。

元の直方体と円柱に交差した円柱ができます。





加算のPadツールは、作業ウインドウに何もなければ、新規ソリッドを作成します。重複するソリッドがあれば結合します。

PartDesignのボディ内のソリッドは単一でなければならないので、Sketcherを押し出した形状が、元のソリッドと重なる部分がない場合はエラーになります。





■PartDesignワークベンチの掘削(Pocket)ツール
1)PartDesignワークベンチに移動します。
2)スケッチャーNewSketch.svgsketch作成アイコンをクリックして、作業面のXY-Planeを選択してOKします。
3)Sketcherで、30×20程度のスケッチャーCreateRectangle.svg長方形を作図します。
 閉じるでPartDesignに戻ると、ボディと下層にOrigin その下層にSketchができています。
4)Sketchを選択して、PartDesign Pad.svgPadツールをクリックします。
5)長さ10はそのままで、OKして直方体Padを作成します。
6)できた立方体Padの上面を選択し、スケッチャーNewSketch.svgsketch作成アイコンをクリックして、Sketcherに移動すると、選択した面を作業面にして、Sketcherが開きます。
7)SketcherでスケッチャーCreateCircle.svg円を作図します。
(ここまでは、上のPadと同じです。)

8)閉じるでPartDesignに戻と、円(Sketch001)ができています。
円を選択し、PartDesign Pocket.svgPocketツールをクリックします。





4)タスクタブがオプションに変わります。

長さは掘削する寸法を入力します。

□面に対して対称は、ベースオブジェクトの面の両側に指定長さの1/2ずつ掘削します。

□逆方向は、面の外方向に掘削することになるので、穴はできませんが、図形が接している面を切断します。

標準の長さ5はそのままでOKすると、元の直方体Padから指定した深さの穴が掘削されます。

長さを元のオブジェクトの厚さよりも大きな数値にすると、貫通して穴になります。




■PartDesignワークベンチのPocketツールを使って面を切断する
5)できたモデルの上面を選択し、スケッチャーNewSketch.svgsketch作成アイコンをクリックして、Sketcherに移動します。






選択した面を作業面にして、Sketcherが開きます。

SketcherでスケッチャーCreateCircle.svg円を作図します。




6)閉じるをクリックして戻り、作成したSketchを選択し、PartDesign Pocket.svgPocketツールをクリックします。

オプションで□逆方向をONにしてOKすると、直方体の上面がSketchの線で切断されます。











■PadとPocketツールでテーブルを作る
 最後に、前回までと同じテーブルを作成します。

テーブルの脚は、分離したソリッドですが、PartDesignワークベンチのボディでは、分離したソリッドは作れないので、テーブルを載せる板を準備し、その上にテーブルを作成します。

1)PartDesignワークベンチに移動します。
2)スケッチャーNewSketch.svgsketch作成アイコンをクリックして、作業面はXY-Planeを選択します。
 SketcherでスケッチャーCreateRectangle.svg長方形を作図し、スケッチャーConstrainDistanceX.svgスケッチャーConstrainDistanceY.svg距離拘束で横100、縦50とします。左下を座標原点とスケッチャーConstrainCoincident.svg一致拘束します。



3)閉じるで戻って、作成したSketchを選択し、PartDesign Pad.svgPadツールで、長さ10、□逆方向をONにしてOKして、作業台Padを作成します。


4)脚を作成するために、スケッチャーNewSketch.svgsketch作成アイコンをクリックして、作業面はXY-Planeを選択します。
 SketcherでスケッチャーCreateRectangle.svg長方形を作図し、スケッチャーConstrainDistance.svg距離拘束で横10、縦40とします。左下と座標原点のスケッチャーConstrainDistanceX.svgスケッチャーConstrainDistanceY.svg距離を横10、縦5とします。

5)閉じるで戻って、作成したSketch001を選択し、PartDesign Pad.svgPadツールで、長さ35に変更しOKして脚Pad001を作成します。


6)作成した脚Pad001を選択して、PartDesign LinearPattern.svg複写の線形パターンをクリックします。
 XY-Planeに作図したオブジェクトなので、方向は水平スケッチ軸とします。
 長さは移動距離70、回数は配列複写と同じように元の形状を1回とカウントするので、2回です。




方向は、プルダウンメニューで選択できるので、うまく複写できないときは、別の軸で試してみてください。




8)複写できると、脚が2か所にできて、LinearPatternオブジェクトができます。

脚の切抜きをするために、スケッチする面を選択しますが、他のオブジェクトが視線方向を遮らないような面を選びます。




9)面を選択し、スケッチャーNewSketch.svgsketch作成アイコンをクリックして、Sketcherに移動します。
 SketcherでスケッチャーExternal.svg外部形状リンクをクリックして、長方形の上と右の線をクリックして、赤表示に変えます。
 スケッチャーCreateRectangle.svg長方形を作図し、スケッチャーConstrainDistanceX.svgスケッチャーConstrainDistanceY.svg距離拘束で縦線の水平方向の距離を3、上辺の距離を3とします。下辺とコーナーの距離は0です。

10)閉じるで戻って、作成したSketch002を選択し、PartDesign Pocket.svgPocketツールをクリックします。長さは10にすると脚を切抜きPocketオブジェクトができます。


11)作成したPocketを選択し、PartDesign LinearPattern.svg複写の線形パターンをクリックします。
今度は、作成した穴だけが複写されます。
オブジェクトの面に作図しているので、方向はベース軸とします。長さは移動距離70、回数は2回です。

12)ガラス受けを作成するために、脚の上面を選択し、スケッチャーNewSketch.svgsketch作成アイコンをクリックしてSketcherに移動します。
ガラス受けのスケッチャーCreateCircle.svg円を2か所作図します。
スケッチャーExternal.svg外部形状リンクをクリックし、長方形の左辺をクリックして赤表示に変えます。
スケッチャーConstrainRadius.svg半径拘束で2.5とします。スケッチャーConstrainDistanceX.svgスケッチャーConstrainDistanceY.svgコーナーから中心までの距離は5です。

13)閉じるで戻って、作成したSketch003を選択し、PartDesign Pad.svgPadツールをクリックします。長さを3に変更しOKすると、Pad002ができます。
11)作成したガラス受けPad002を選択し、PartDesign LinearPattern.svg複写の線形パターンをクリックします。
今度は、作成したガラス受けだけが複写されます。
オブジェクトの面に作図しているので、方向はベース軸とします。長さは移動距離70、回数は2回です。


12)ガラス受け円柱の上面を選択し、スケッチャーNewSketch.svgsketch作成アイコンをクリックしてSketcherに移動します。
スケッチャーCreateRectangle.svg長方形を作図します。スケッチャーConstrainDistanceX.svgスケッチャーConstrainDistanceY.svg距離拘束で横100縦50、左下と座標原点をスケッチャーConstrainCoincident.svg一致拘束で合わせます。

13)閉じるで戻って、作成したSketch004を選択し、PartDesign Pad.svgPadツールをクリックします。長さ2として天板Pad003を作成します。




14)作業台を削除するために、作業台の上面を選択し、スケッチャーNewSketch.svgsketch作成アイコンをクリックして、Sketcherに移動します。




15)作業台の長方形よりも大きめにスケッチャーCreateRectangle.svg長方形Sketch005を作図します。
16)閉じるで戻って、Sketch005を選択しPartDesign Pocket.svgPocketツールをクリックします。
長さを10に変更して、OKして作業台を削除します。
作業台が消えても、天板から足まで単一のオブジェクトになっているので、エラーにはなりません。

このモデルは、いろいろな部分で直接数値を入力しているので、部分を変更すると関連部分が自動的にパラメトリック変形するようにはなっていません。
自動変形させるためには、Sketcherで作図するときに、関連する形状との関係を制約で正しく定義することを考えてください。





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