投稿

6月, 2021の投稿を表示しています

04.2鉄骨造 円形トラスを作る

イメージ
前回は標準のトラス作成ツールの使い方を検討したが、今回は標準では作成してくれない円形トラスを作ってみる。 ■円形トラス ここまで来れば、円形トラスもどうすればよいか想像はつくが、流れだけ記録しておく。 操作を単純にするため、原点にトラスを作成している。(他の場所にあると、基準線や切断面がずれることがあり、それを移動する手間が必要になる。) 図の方向がずれないように、上面ビュー、作業平面は上面から始める。 まず、トラスを作図する。長さは10m トラスを選択しパラメーターを設定する。 3Dビューにすると、状態がわかりやすい。 円形形状を作るために、正面ビューに移動、作業平面も正面とする。 トラス上弦材となる円弧を作図する。(トラスの高さもこの時に調整するのがよい) 縦材の位置が均等でなければ、下図に縦材位置も作図する。 部材を編集するために、トラスをdowngradeでSolidに分解する。 縦材と斜材の位置を移動する。 上面ビューで見て移動した部材の前後の位置関係がずれる場合は、WP拘束をONにするとずれる可能性が少ない。 斜材を回転移動して、上弦材と縦材の交点に位置合わせする。 上弦材の円弧をExtrudeで押出して、切断用平面を作成する。前後300 切断の前にトラス部材Solidをまとめて選択し、結合でfusionに変換する。 (結合できない場合は、部材をひとつずつ切断することになる。) 部材をまとめる方法は結合の他に、コンパウンド、グループがあるが、まとめて切断するには結合がうまくいくようである。 トラスfusionと切断面Extrudeを選択し、Partワークベンチに移動して切断ツールをクリックすると、上下2つのオブジェクトに分割される。 分割した上側オブジェクトを選択して削除する。 上弦材はスイープで作成する。 円弧は切断で使用したので、ビューから消えている。切断でできたSliceの層を展開していくとArcがあるので、コピーアンドペーストして表示にする。 作業平面を側面にするとトラスの中央に作業面が移動するので、円弧の頂点部分に上弦材の断面を作図する。(50x100) 断面と円弧を使って、Partワークベンチのスイープで押出しする。 断面長方形をリストから右に移動、オプションは2つともON。 作業ビューで経路として円弧を選択する。 OKをクリックでスイープに

04.1鉄骨造 標準トラスの使い方

イメージ
  今回からトラスツールの練習をしながら、鉄骨造の建物に挑戦してみる。最初の壁式住宅と同様に、モデリングの練習用として意識的に複雑な構成のものを選んでいるので、構造的にはあまり美しくない。  鉄骨造と言っても、製図に耐えるほどの精度の高いものや、詳細な納まりを考慮したモデルを作れるほどFreeCADを使いこなしていないので、部材を組み立てて見た目の雰囲気を理解してもらう程度にしか役に立たないのではないかと考えている。  また、この程度のモデリングなら鉄骨造でも木造でも、部材の形が違うだけなので同じような作り方ができる。要は主要フレームと仕上げ材が分離している建物である。  まずは、鉄骨の部分だけ作成する。仕上げを張っていくのは次の段階でまとめようと考えているが、モデル練習用で仕上げの詳細な作りこみは目指していないので、これでかなりの部分は完成している。  モデリングについては、BIM的な作り方で柱梁を順に配置しながら構成していく方法で作成してみたい。 ■トラスを作る  すぐに建物を作りたいところではあるが、今回の建物は屋根に円形のトラスがあり、屋内にラチス梁のような梁があるので、この作成方法を考えておかないと行き詰ってしまう。  柱のバットレス状のサポートは板を切り抜くだけなので、それほど問題ないが、トラスについては少しまとめる必要がある。  FreeCADには、トラス作成ツールがある。技術ドキュメントを見ると3種類のトラスの図が出ていて、パラメーターのRod Modeに対応している。  その他のパラメーターを変えることで、三角形のトラスであればいろいろな種類を作成可能であるが、円形に対応しない、不規則なピッチに対応しない、自由に部材を選べないなど他のツールと同じような問題がある。  この標準のトラス作成ツールの動きを確認しながら、円形トラスやラチス梁に使う方法を考えてみる。トラスのような不規則な部材を最初から作るのは手間がかかるので、ソフトでできるところまで作ってもらうという進め方である。 トラスツールで作成できるタイプは下の3タイプである。今回のモデリングに必要なことだけいくつか記録する。 トラスの作成方法は、ビューで始点終点を指定する方法と、Lineを選択した上でトラスツールをクリックする方法の2つがある。 Height     起点終点の高さを指定。上弦材の

03.4らせん階段 吊りタイプ

イメージ
■螺旋階段吊りタイプ  らせん階段の最後に吊りタイプを作ってみる。  軽く見せるために段板やパネル、金物を細かく作りこんでいくと、実寸モデルや画面で拡大すると確認できても、全体の画像では見えないということになってしまう。  モデルの作り方はスイープと回転複写を繰り返しているだけで、見た目ほどには複雑ではない。  階段サイズはこれまでと同じにする。  階段内半径1000、外半径2500、1周36分割、130x28段=3640(階高)  段板は20mm、腰のガラスパネルは10mmとする。  まず、下図を作成する。 難しい加工はしないので、段の分割と手摺の位置程度である。平面から押出すものがあれば、基準線程度は作図しておいた方がよい。 断面方向は、XZ平面(正面図)に作図する。 主に、スイープで押出す断面になる。 位置は回転移動で調整するので、作図が簡単なXZ平面上で作業するのがよい。 手摺の笠木、ガラスパネルなどを準備する。 踏面の切出しは、これまでに作った階段と同様である。 踏面と蹴込を押出しで作成する。 蹴込板はLineを下方向に押出し、さらに厚み方向に押出す。 (踏面を大きく押出し、不要部分を切抜きする方法もあるが、少し手間がかかる。) できた段板は今後変更しないなら、結合で一体化しておいてもよい。 段板を階高まで回転複写する。 Partワークベンチに移動して、階段の両側に螺旋を作成する。 手摺笠木の断面と螺旋を使ってスイープで押出す。 BIMワークベンチにもどって、手摺の支柱を作成する。 支柱断面を前後10で押出して立体化する。(外側の柱も作成する。) 吊材も作成する。 吊材は上方向に押出し、段板取り付け金物は上下に押出し。 内外の吊材をまとめて選択し、5度(踏面中心 360/36=10度/2)回転して、踏面の中心に移動する。(今後、この部分で段との関係を調整してから回転複写する。) 吊材の回転複写は外周は10回、内周は細かくなりすぎないように4回とする。 支柱も5度回転移動して、段板と手摺笠木の取り合いを確認する。 そのままだと上部に笠木との間に隙間があるので、PlacementでZ方向に移動させながら適当な高さを調整する。(今回は65とする。) 上にずらした分だけ柱脚に隙間ができたので巾木で埋めることにする。 支柱柱の平面図を使って、外側にオフセットコピーす

03.3らせん階段 RCタイプ、切抜き

イメージ
■らせん階段コンクリート製  躯体タイプをモデリングするときは、部材を作成して組み立てていくと、どうしても接合部が増えて、見た目が汚くなる。  大きなブロックから不要な部分を切取っていく方が最後まできれいな面を保てる。 今回のコンクリート階段は躯体部分をスイープで押出し、段部分をArrayで回転複写して切抜き用Solidを当てることで、躯体に継ぎ目のないモデルを作成した。 手摺をスイープ、Arrayで作成することは前回と同じである。 階段サイズは前回と同じ内半径1000、外半径2500、階高3640、130x28段で作成する。 階段の円周や分割線は前回と同じ、切抜き用Solidは円形なので少し大きめに作成しないとCutできないことがあるので100ずつ大きくした。 XZ平面(正面図)にも手摺、躯体の断面を作図しておく。 躯体断面は、階段幅1500×300(1段130+スラブ150 →300とする。) 踏面平面を切出すために、外周線を面に変換、境界ラインを追加選択し、Partワークベンチの切断アイコンをクリックして切り分ける。 踏面以外の必要ない部分を削除して、踏面の平面を取り出す。 踏面の平面をExtrudeで押出す。150 切抜き用なので、躯体と反対方向に押出す。 押出した立体をArrayで回転複写する。 前回と同じで、270度、28回、Z=130とする。 回転複写で階段の上面ができたので、躯体を作って切抜きする。 躯体はスイープで作成する。 スイープ経路となるらせんを作成する。 作図が見えなくなるので、切り取り用Arrayは非表示にする。 Partワークベンチに移動し、プリミティブ呼出しツールをクリックして、螺旋を選択する。 螺旋のオプションは次のようにする。 ピッチ 4680(螺旋が1周する高さ) 高さ  3640(線を作成する高さ) 半径  1000、2500の2つを作成する。 躯体の断面を選択して右に移し、オプションはON、スイープ経路に螺旋をクリックしてOKで螺旋を作成する。 (螺旋は内外どちらでもよい。) 躯体のスイープが完了する。 そのまま、Partワークベンチで手摺もスイープで作成する。 躯体があると螺旋が見えないので、躯体の形状は非表示にする。 螺旋が消えた場合は、スイープの下層に螺旋が入っているので、その部分だけを表示にする。 手摺断面を選択し、

このブログの人気の投稿

はじめに FreeCADでBIMはできるのか(2022/8/8追記)

オブジェクトを着色する(3) パースのレンダリングに挑戦