04.1鉄骨造 標準トラスの使い方
今回からトラスツールの練習をしながら、鉄骨造の建物に挑戦してみる。最初の壁式住宅と同様に、モデリングの練習用として意識的に複雑な構成のものを選んでいるので、構造的にはあまり美しくない。
鉄骨造と言っても、製図に耐えるほどの精度の高いものや、詳細な納まりを考慮したモデルを作れるほどFreeCADを使いこなしていないので、部材を組み立てて見た目の雰囲気を理解してもらう程度にしか役に立たないのではないかと考えている。
また、この程度のモデリングなら鉄骨造でも木造でも、部材の形が違うだけなので同じような作り方ができる。要は主要フレームと仕上げ材が分離している建物である。
まずは、鉄骨の部分だけ作成する。仕上げを張っていくのは次の段階でまとめようと考えているが、モデル練習用で仕上げの詳細な作りこみは目指していないので、これでかなりの部分は完成している。
モデリングについては、BIM的な作り方で柱梁を順に配置しながら構成していく方法で作成してみたい。
■トラスを作る
すぐに建物を作りたいところではあるが、今回の建物は屋根に円形のトラスがあり、屋内にラチス梁のような梁があるので、この作成方法を考えておかないと行き詰ってしまう。
柱のバットレス状のサポートは板を切り抜くだけなので、それほど問題ないが、トラスについては少しまとめる必要がある。
FreeCADには、トラス作成ツールがある。技術ドキュメントを見ると3種類のトラスの図が出ていて、パラメーターのRod Modeに対応している。
その他のパラメーターを変えることで、三角形のトラスであればいろいろな種類を作成可能であるが、円形に対応しない、不規則なピッチに対応しない、自由に部材を選べないなど他のツールと同じような問題がある。
この標準のトラス作成ツールの動きを確認しながら、円形トラスやラチス梁に使う方法を考えてみる。トラスのような不規則な部材を最初から作るのは手間がかかるので、ソフトでできるところまで作ってもらうという進め方である。
トラスツールで作成できるタイプは下の3タイプである。今回のモデリングに必要なことだけいくつか記録する。
トラスの作成方法は、ビューで始点終点を指定する方法と、Lineを選択した上でトラスツールをクリックする方法の2つがある。
Height 起点終点の高さを指定。上弦材の勾配を決める。
Rod Direction 斜材の方向が変更できる。
Rod End trueにするとEnd端に縦材が入る。
Rod Mode トラスのタイプ。
Rod Sections 分割数。
Slant Type Doubleにすると折り返し。
各Sizeで部材の寸法を変更できる。
トラスはdowngradeでSolidに分解できる。
■ラチス梁
トラスのstartとEndの高さを同じにすれば、ラチス梁を作ることができる。折り返しを使えば対称形や奇数のフレームもできる。
Offsetで上弦材のStart端、End端の位置を調整できるので、台形も可能である。
下弦材を短くしたい場合は、鏡面コピーで反転させるのが最も速い。
もう少し複雑な加工をしたい場合は、トラスをdowngradeでSolidに分解すれば、部材ごとに編集することも可能になる。
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