図面作成とモデリング(3)建具のリンクで仕上壁に開口を作成する(平面詳細図2)

 BIMワークベンチのドアやウインドウのツールは、壁に建具を配置すると自動的に壁を切抜くようになっているので、壁開口の作成は非常に簡単である。
(曲線の壁についても、以前の記事で説明している。)

 今回のモデリングのように躯体と仕上を別の壁で作成した場合でも、ウインドウ(ドア)オブジェクトのHostsプロパティに複数の壁オブジェクトをリンクすることで、ひとつの建具ですべての指定された壁に同じ開口を切抜くことができる。


■仕上壁に壁開口を設ける

構造体1FRC(前回で編集した2FRCを除外したもの)、1FWLS、Draft仕上壁を表示にする。


kaidanは今回の操作に必要ないので、非表示でよい。






構造体1FRC内の壁の下層のドアを選択し、表示に変更する。






ドアは仕上壁に隠れて見えないが、カーソルをモデルタブのドアに重ねると、玄関ドアが仮表示されるので、確認できる。







ドアを選択して、Hostsプロパティを見ると、Wall(壁)になっている。

ドアを配置した時に、自動的に配置した壁オブジェクトにリンクされている。




Hostsの右欄をクリックし、右端の[...]をクリックして、リンクダイアログを開く。


上欄リストをスクロールして、追加するWall外壁断熱D01と、Wall仕上GLD01を選択してOKで戻る。
Hostsに選択した壁が追加されている。








作業ウインドウをクリックすると仕上壁が切抜かれるので、ドアが見えるようになる。

※リンクする壁を選択するには、リストから探すよりも、作業ウインドウで該当する壁をクリックすれば、自動的にリストで選択されるので、その方が簡単である。


壁003の下層のウインドウを選択し、表示に変更する。













仮表示で確認する。




ウインドウを選択し、Hostsプロパティでリンクダイアログを開く。

断熱と仕上の壁はドアと同じなので、追加するWall外壁断熱D01と、Wall仕上GLD01を選択してOKで戻る。



Hostsに選択した壁が追加されている。
作業ウインドウをクリックすると仕上壁が切抜かれるので、ウインドウのガラス部分から奥の面が見えるようになる。




壁005の下層のドア002を選択し、表示に変更する。











仮表示で確認する。





ドア002を選択し、Hostsプロパティでリンクダイアログを開く。

追加するWallWLSD01と、WallWLSD03を選択してOKで戻る。



Hostsに選択した壁が追加されている。
作業ウインドウをクリックすると仕上壁が切抜かれるので、ドア002の開口(開口枠)が見えるようになる。


壁007の下層のドア004を選択し、表示に変更する。

仮表示で確認する。






ドア004を選択し、Hostsプロパティでリンクダイアログを開く。

追加するWallWLSD03を選択してOKで戻る。
Hostsに選択した壁が追加されている。

壁008の下層のドア003を選択し、表示に変更する。






仮表示で確認する。






ドア003を選択し、Hostsプロパティでリンクダイアログを開く。

追加するWallWLSD02、WallWLSD03を選択してOKで戻る。


Hostsに選択した壁が追加されている。
作業ウインドウをクリックすると仕上壁が切抜かれるので、ドア004の開口(開口枠)、ドア003が見えるようになる。











ドア003の切抜きをした時にドア004側の壁も切抜いている。

これは、WallWLSD03が連続した一体の壁なので、ドア003の延長上の部分も切抜きしている。

ドア003のHoleDepthを200に変更すると、004側の切抜きは消える。

HoleDepthプロパティの値が0の時は、既定値3000となるので、対面する壁が一体の壁であれば切抜きされる。




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建具による壁の切抜きは、折れ曲り壁を切抜きした時に、建具を設置した部分以外も切抜くことがある。その場合は、建具オブジェクトのHoleDepthプロパティ(切抜き深さ)の数値を小さく(壁厚程度に)する。
それでも処理できない時は、リンクダイアログでクリアをクリックしてリンクを解除してから、改めて対象の壁をすべて選択する、あるいは、選択順を変えることも試してみる。
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床のかさ上げを作成する
床のかさ上げは、1FLグループ内の1fS下層のExtrudeで作成済みであるが仕上壁の厚さを考慮していないので、詳細図のために新しいオブジェクトを作成する。

床かさ上げのベースラインはDraftラインで作図する。(Sketcherでもよいが、自動変形を考慮しないならDraftラインでよい。)

作業平面をレベル1に移動するために、モデルタブのデフォルトの建物の下層のレベル1を選択する。

WPセレクターをクリックすると、表示がレベル1に変わり、作業平面がレベル1(1FL)に移動する。



上面図ビューに移動する。
作成済みのかさ上げExtrudeと位置を合わせるために、Extrudeを表示にする。


 長方形ツールで、玄関部分を作図する。

作業平面(WP)をレベル1に移動しているので、長方形はレベル1の面に作図される。
かさ上げExtrudeは今後の作業には必要ないので、非表示にする。

 連続線ツールで、居室L型部分を時計回りに作図する。

洗面部分は、 長方形ツールで作図する。









便所部分も、 長方形ツールで作図する。






床かさ上げ範囲の作図が終わると、Rectangle009、Wire020、Rectangle010、011ができる。

玄関部分のRectangle009を選択し、 Extrudeツールで、長さ順方向30で押出しする。


Extrude022ができて、Rectangle009は下層に移動する。

Wire020、Rectangle010、011をまとめて選択し、 Extrudeツールで、長さ順方向150で押出しする。

Extrude023、024、025ができる。ベースラインはそれぞれの下層に移動する。


Extrude022、023、024、025を選択する。
側面(右面図)ビューに移動する。

 ワイヤーフレーム表示(V,3)に変更すると、床かさ上げExtrudeの位置を確認できる。

グループ1F床仕上を作成し、Extrude022、023、024、025を下層に移動する。





■仕上を反転コピーする。
平面図データを作成する前に、間仕切りや仕上げ壁を右側の部屋にコピーする。
上面図ビューに移動する。

1FWLSの壁005から008、Draft仕上壁のWall外壁断熱D01からWallWLSD03まで、1F床仕上のExtrude022からExtrude025までを選択する。

 ミラーツールをクリックする。


作業ウインドウで、反転対称軸として、グリッドでY軸上の点をクリックし、Shiftキーを押しながら、カーソルを上に移動すると、垂直な線が引けるので、垂直な線が見えたらクリックする。



選択した壁は、(mirrored)付の反転オブジェクトになる。








できた(mirrored)オブジェクトをまとめて選択し、Placementを開く。









Placementで□増分変更を適用をON、平行移動量Xを7200に変更して移動する。





右側の部屋に反転した仕上が移動する。










壁005(mirrored)から壁008(mirrored)は、1FWLSの下層に移動する。






Wall外壁断熱D01(mirrored)からWallWLSD03までは、Draft仕上壁の下層に移動する。










Extrude022(mirrored)からExtrude025(mirrored)までは、1F床仕上の下層に移動する。






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ここまでで使用しているデータで、setubi2DCADグループのデータはメッシュやShapeの数が多いので、アプリの動作が重くなっている。
今回の練習では、使う予定がないので削除しておいてもよい。

削除する場合は、グループやコンパウンドを展開して下層のメッシュ、Shapeオブジェクトをすべて選択してからDeleteキーで削除する。
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