PartDesignワークベンチ3分間練習06 Sketcher位置固定 拘束選択と削除 寸法計測

 拘束で形を決めても、図形は最終的にどこかの基準点との関係を固定しないとドラッグすると動いてしまうので、自由度0にはなりません。

 位置を固定するには、基準になる点や線からの位置を距離拘束で固定するか、基準点との関係を固定することです。


一番簡単な方法は、最初の図形を作図するときに座標原点に、一致拘束でポイントを決めることです。こうすれば、形状を固めるだけで完全に固定されます。

点を選択して、スケッチャー ConstrainLock.svgロック拘束をクリックすると、座標原点からのXY方向の距離拘束が自動的に記入されます。数値を修正して位置を決めることができます。

縦軸、横軸からの距離を固定する方法でも、同じことができます。
要は動かないものからの距離を決めることで固定することです。

あるいは、2つの点と座標原点を選択し、スケッチャー ConstrainSymmetric.svg対称拘束で中心合わせすることもあります。

別の方法としては、外部リンクで参照点を作り、その点との関係で固定することもできます。外部リンクについては、編集ツールの箇所で説明します。


拘束の選択と、削除、解除

 拘束の最後は、拘束を削除、解除する方法です。
 作図の途中でエラーになったときは、「冗長な拘束を選択」ツールで拘束を選択し、削除しました。

 普通の作図でも、作図中や、最終形ができた後で、拘束条件を変えることが必要になったときには、拘束を削除し、新しい拘束を設定します。


 拘束を解除する

定義した拘束を削除したり、一時的に使用できなくする機能もあります。

1.拘束を個別に削除するには、図形の周辺に表示される拘束マークを選択し、Deleteキーを押します。

2.すべての拘束をまとめて削除するには、スケッチャー DeleteAllConstraints.svg「すべての拘束を削除」をクリックします。
 拘束を削除する警告が出るので、「はい」をクリックすると拘束が削除されます。

3.線に対する拘束をひとつずつ選択するのは手間がかかるので、拘束を解除したい線を選択し、スケッチャー SelectConstraints.svg関連する拘束を選択」ツールをクリックすれば、その線に関係する拘束をまとめて選択することができます。選択した拘束は、Deleteキーを押して削除できます。

このツールを使用すると、画面上で表示されない一致拘束の有無を確認できます。選択された拘束は緑色表示にかわりますが、一致拘束でも端点が緑色表示になります。一致拘束がない端点は赤い丸のままです。


拘束のON/OFF

拘束を選択した上で、スケッチャー ToggleActiveConstraint.svg「拘束を一時的にOFF(ON/OFF)」で、選択した拘束をOFFにすることができます。

  OFFにした拘束は、ONに戻すことができます。拘束を解除して別の変形を試してみることができます。拘束は生きているのでONに戻せば、元の形になります。


拘束に関連する特殊なツールもあります。

スケッチャー RemoveAxesAlignment.svg軸の位置合わせを削除(v0.20以降)は、長方形の水平垂直拘束を解除して、平行拘束と垂直交差拘束に置き換えます。
  これにより、長方形の形状を維持したままで、回転移動することができます。

スケッチャー ToggleDrivingConstraint.svg参照拘束に切替え(ON/OFF)をクリックすると、拘束ツールが青色表示に変わり参照モードになります。
 このときに、距離拘束ツールを使うと、ポイントの間の距離を表示します。単に距離を表示するだけで拘束はしないので、CADの寸法ツールと同じように長さの計測に使えます。

 また、距離拘束(長さ、径、角度)で固定した数値を選択し、参照拘束に切替えをクリックすると、拘束を解除して参照モードに切り替えます。


 参照寸法は、数値を表示するだけで、長さを拘束しない状態になります。
 図形の長さを確認するために使えます。図形を変更すると、数値が変わります。


【スケッチの位置固定 拘束の選択と削除】


【Textデータ】

Sketcherワークベンチから、スケッチ作成ツールをクリックして、XY平面でSketcherに移動します。

円ツールで、カーソルを座標原点に重ねて白表示にして、クリックして中心点を決めます。
円周上の点をクリックして、円を作図します。
円を選択して、半径拘束で半径を決めれば完全に固定されて、緑色表示になります。

長方形ツールで、最初のコーナーを座標原点にして長方形を作図します。
水平距離拘束と、垂直距離拘束で長さを決めると、完全に固定されます。


長方形ツールで長方形を作図します。

大きさを決めるため、水平距離拘束と、垂直距離拘束で辺の長さを固定します。
大きさは決まっても、位置が自由なので、長方形は白い線のままです。
長方形のコーナーの点を選択して、スケッチャー ConstrainLock.svgロック拘束をクリックします。

座標原点からの距離が、自動的に作成されます。距離が決まったので、長方形が緑色表示に変わります。

水平の寸法をダブルクリックして、入力ボックスを出して数値を入れ替えます。
垂直の寸法も同じように入れ替えます。


もうひとつ長方形を作図します。

長方形の対角の2点と座標原点を選択して、スケッチャー ConstrainSymmetric.svg対称拘束をクリックします。
座標原点に対して中心合わせで位置が固定します。
長方形の大きさを拘束で固定していないので、位置を固定しても緑色表示にはなりません。
大きさを決めるため、水平距離拘束と、垂直距離拘束で辺の長さを固定します。


拘束を削除する方法もあります。


一番簡単な方法は、画面上の拘束マークを選択し、Deleteキーを押して削除することです。

長方形を作図します。

水平マークを選択して、Deleteキーを押して削除します。

コーナーは一致拘束の表示はありませんが、コーナーの点をクリックして、緑色表示にしてからDeleteキーを押します。一致拘束になっていた場合は、これで削除できます。

マークを削除しても、画面の図形は変形しませんが、図のどこかをドラッグすると、拘束されていない部分は自由に変形します。


拘束をすべて削除する場合は、拘束を選択する必要はありません。

長方形を2つ作図します。

スケッチャー DeleteAllConstraints.svg「すべての拘束を削除」をクリックします。
警告が出ますが、そのまま「はい」をクリックすれば、すべての拘束が消えます。

Ctrl+Zで拘束削除前に戻り、長方形のコーナーの2辺を選択します。

スケッチャー SelectConstraints.svg「関連する拘束を選択」をクリックすると、その線に関連する拘束が緑色表示に変わって選択できます。
この時、画面上で判別できない一致拘束も色が変わって選択されていることがわかります。
点が一致拘束になっていない場合は、赤い色のままで残ります。
この状態でDeleteキーを押して拘束を削除します。


【拘束の一時的なON/OFF 寸法の参照モード】


【Textデータ】

ここまでは、Deleteキーを押して拘束を削除していましたが、選択した拘束を一時的にON/OFFすることができます。

Sketcherワークベンチから、スケッチ作成ツールをクリックして、XY平面でSketcherに移動します。

長方形ツールで長方形を作図します。

長方形の水平拘束マークを選択します。
スケッチャー ToggleActiveConstraint.svg「拘束を一時的にOFF(ON/OFF)」をクリックすると、拘束マークがグレー表示に変わります。
これで拘束が無効になります。コーナーのポイントをドラッグして、辺が斜めになるように変形します。

拘束マークはグレー表示のままなので、選択します。
スケッチャー ToggleActiveConstraint.svg「拘束を一時的にOFF(ON/OFF)」をクリックすると、拘束マークが赤色表示に戻り、拘束が有効になるので斜めの辺が水平に移動します。


長方形のコーナーの2辺を選択します。

スケッチャー SelectConstraints.svg「関連する拘束を選択」をクリックすると、その線に関連する選択が緑色表示に変わって選択できます。
この状態でスケッチャー ToggleActiveConstraint.svg「拘束を一時的にOFF(ON/OFF)」をクリックすると、拘束マークがグレー表示に変わります。

ドラッグすると、図形が変形します。端点の一致拘束もOFFになっているので、線が離れてしまいます。

最初の2つの辺を選択して、スケッチャー SelectConstraints.svg「関連する拘束を選択」をクリックすると、OFFになっている関連する選択が、一致拘束も含めてすべて選択できます。
スケッチャー ToggleActiveConstraint.svg「拘束を一時的にOFF(ON/OFF)」をクリックすると、拘束が有効になって離れていた各辺がつながります。


最後に特殊な2つのツールを確認します。

長方形を作図します。
長方形は水平、垂直拘束で固定されています。

長方形を選択します。
スケッチャー RemoveAxesAlignment.svg「軸の位置合わせを削除」をクリックします。
拘束マークが、並行拘束と、コーナー部の垂直交差拘束に変わります。

縦の辺を選択して、角度拘束をクリックします。角度を60度と入力すると、長方形が回転します。


回転した長方形の辺を選択して、距離拘束(実長)をクリックします。

長さをOKで固定します。この状態でコーナーをドラッグしても、拘束した距離は固定されています。
ここで、距離拘束を選択して、スケッチャー ToggleDrivingConstraint.svg「参照拘束に切替え」をクリックすると、距離の記入が青色に変わります。これで参照モードになっています。

この状態でコーナーをドラッグすると、青い距離の数値は自由に変わります。
距離拘束ではなく、参照寸法で計測していますす。

青い文字を選択して、スケッチャー ToggleDrivingConstraint.svg「参照拘束に切替え」をクリックすると、距離の記入が赤色に変わり、距離拘束として固定します。

作図中に、部分的な寸法の確認などに使います。


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