PartDesignワークベンチ3分間練習05 Sketcher拘束で水平垂直に位置合わせ、中心合わせする

 拘束の基本的な機能は、点と線の関係を定義して関係を固定することです。
 拘束ツールを適用すると線が変形するので編集ツールのように見えますが、ドラッグすると形は変わります。変形することよりも定義された関係を維持することの方が重要です。

 図形を拘束して変形を制限することにより、図形が自由に変形できる可能性が減少します。形を確定し、最終的に位置を固定すると自由度0になり、まったく変形することがない図形になります。

 この完全に拘束された図形の一部の拘束を変更すれば、他の部分は拘束条件を維持したままで、部分的な変形が可能になります。


線と線の関係を拘束する

線の関係を定義する拘束には次のものがあります。アイコンや名称をみれば、形状は推測できます。

スケッチャー ConstrainCoincident.svg一致拘束、スケッチャー ConstrainPointOnObject.svg線上点拘束は、これまでに使っているので特に説明はありません。

スケッチャー ConstrainEqual.svg等値拘束は、選択した線の長さ、半径などを同じ長さになるように拘束します。

スケッチャー ConstrainParallel.svg平行拘束は、選択した線をすべて平行な位置関係になるように拘束します。

Sketcher ConstrainPerpendicular.svg垂直交差拘束、線と線を垂直交差する位置関係に移動して拘束します。
  端点と線を選択すると、垂直交差関係に移動した後に、端点を線に線上点拘束します。

スケッチャー ConstrainTangent.svg接線拘束は、線と曲線が接するように位置を移動して拘束します。
  端点と線を選択すると、接線拘束した後に、端点を線に線上点拘束します。

スケッチャー ConstrainSymmetric.svg対象拘束は、2つの線と対称軸を選択すると、2点を線対象の位置に移動し拘束します。
  2つの点と、中心になる点を選択すると、2点を点対称の位置に拘束します。

線を拘束するときには、線と線の相対関係の他に、縦横の軸線や座標原点も拘束対称の線や点として使用できます。

対称拘束は、対称の点の位置が固定されていると、点対称の中心が2点間の中心に移動するので、図形を中心合わせにすることにも使えます。


線そのものに対しても、拘束できる条件があります。 

スケッチャー ConstrainHorizo​​ntal.svg水平拘束、スケッチャー ConstrainVertical.svg垂直拘束は、線の方向を水平、垂直に拘束します。

線は水平、垂直に方向をそろえますが、複数の点を選択してクリックすると、点の位置を水平または垂直に整列するので、水平垂直に位置合わせすることができます。

スケッチャー ConstrainBlock.svgブロック拘束は、選択した図形をその位置に完全に固定するので、変形も移動もできなくなります。他の図形に関係しない特殊なツールです。

寸法の拘束は、図形の寸法を記入しているように見えますが、寸法を計測するツールではなく、その部分の長さを固定するツールです。

スケッチャー ConstrainRadius.svg半径拘束、スケッチャー ConstrainDiameter.svg直径拘束、スケッチャー ConstrainDistanceX.svg水平距離拘束、スケッチャー ConstrainDistanceY.svg垂直距離拘束はそれぞれの部分の長さを拘束します。

スケッチャー ConstrainDistance.svg距離拘束(実長)は、線または2つの点の実際の長さ(実長方向)を固定します。
  点と線を選択すると、点から線への垂直方向の距離を固定します。

スケッチャー ConstrainAngle.svg角度拘束は、線と水平軸の角度を固定します。
  2つの線を選択すると、線の間の角度を固定します。


【05 線と線の拘束】


【Textデータ】

Sketcherワークベンチでスケッチ作成をクリックし、XY平面で、Sketcherに移動します。

線と線の拘束を練習します。

ラインツールで直線を作図します。端部に円弧を作図します。

(一致拘束と、線上点拘束はすでに何度も操作しているので練習しません。
 スケッチャー ConstrainEqual.svg等値拘束は、線を同じ長さに固定するだけなので、特に説明することはありません。)

線を複数選択して、スケッチャー ConstrainParallel.svg平行拘束をクリックすると、線が平行に固定されます。

線を2つ選択して、Sketcher ConstrainPerpendicular.svg垂直交差拘束をクリックすると、線が垂直な位置関係に移動します。

Ctrl+Zを押して、変形前に戻り、線と端点を選択して、Sketcher ConstrainPerpendicular.svg垂直交差拘束をクリックすると、線が垂直な位置関係に移動すると同時に、端点が線上点拘束されます。

線と曲線を選択して、スケッチャー ConstrainTangent.svg接線拘束をクリックすると、線が他方の線に接するように移動します。Ctrl+Zで戻り、端点と線を選択してスケッチャー ConstrainTangent.svg接線拘束をクリックすると、接してかつ線上点になる位置に移動します。

拘束を定義すると、関係が固定されます。図形をドラッグしても、他の拘束で形を変形しても定義した拘束を維持します。

2つの点を選択して、対称軸になる線を選択してから、スケッチャー ConstrainSymmetric.svg対称拘束をクリックすると、対称軸に対して対称な位置に点が移動します。矢印と×マークで拘束が表示されます。

対称軸として、Sketcherの縦軸、横軸を選択することもできます。

2つの点と、中心になる点を選択して、スケッチャー ConstrainSymmetric.svg対称拘束をクリックすると、中心点に対して対称な位置に2点が移動します。場合によっては、中心点の方が移動することもありますが、いずれにしても点対称の位置になるように拘束されます。

中心点として、座標原点を選択することもできます。


Ctrl+Zを複数回押して、拘束のない状態に戻ります。

線を拘束するツールも確認します。

線を複数選択して、スケッチャー ConstrainHorizo​​ntal.svg水平拘束ツールをクリックします。線の方向が水平に移動します。

次に、線の端点を複数選択して、スケッチャー ConstrainHorizo​​ntal.svg水平拘束ツールをクリックします。すべての点が同じ水平位置にそろいます。最初に水平拘束していた線は、線全体が同じ水平位置にそろいます。

線を選択して、スケッチャー ConstrainBlock.svgブロック拘束をクリックします。

線は、形状も位置も変更できなくなったので、緑色表示に変わって、自由度0になったことがわかります。

スケッチャー ConstrainDistanceX.svg水平距離拘束またはスケッチャー ConstrainDistanceY.svg垂直距離拘束は、指定箇所の距離を測定して表示するので、入力ボックスで任意の長さに変更して固定します。

円や円弧は線を選択して、スケッチャー ConstrainRadius.svg半径拘束、スケッチャー ConstrainDiameter.svg直径拘束をクリックすれば、半径や直径を固定できます。

線であれば、線そのものを選択して、をクリックすればその方向の寸法が表示されるので、指定したい数値に変更して、距離を固定します。

任意の2点を選択して、水平、垂直距離拘束で距離を固定することもできます。

2点を選択して、距離拘束(実長)をクリックすると、指定した2点の直線距離を拘束します。
点と線を選択し、スケッチャー ConstrainDistance.svg距離拘束(実長)をクリックすると、点から線への垂直距離が表示されるので、数値を変更して固定します。

角度拘束は、ひとつの線を選択して、スケッチャー ConstrainAngle.svg角度拘束をクリックすると、水平軸からの角度を表示するので、数値を入力して固定できます。

二つの線を選択して、スケッチャー ConstrainAngle.svg角度拘束をクリックすると2線間の角度になります。



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