RC造モデリング 簡易版1/2 通り芯から、柱、梁を配置するまで

 RC造の建物モデルは「練習05RC造」で作成しているが、自動変形を可能にするために特別なリンクを作成したり、Sketcherでベースオブジェクトを組み合わせる方法を採用したため、操作方法が複雑でわかりにくいものになってしまった。

 ここでは、練習05と同じモデルを部品を配置していく基本的な方法で作成することで、モデリング操作を単純化してみたい。
 Revitなどの市販BIMソフトであれば、このような方法で部品を配置することで自動的に重複部分が結合処理され、リンクが作成されて部分的な変更に伴う自動変形ができるようになっている。


■通り芯とレベルを作成する
BIM Project.pngBIMプロジェクトのセットアップツールをクリックして、建物の規模とレベルを設定する。
建物の全長32m(4×8m)、全幅21m(3×7m)
V軸5、距離8000mm、H軸4、距離7000mm
レベルの階数6、距離2000mmとする。

モデルタブにデータができるので、デフォルトのサイトを非表示にして、下層の軸、横軸、縦軸、レベルを表示にする。

レベルオブジェクトはまとめて選択して、一番上の階層にドラッグする。


横軸と縦軸をまとめて選択して、プロパティで表示状態を変える。
ビュータブでBubbleSizeとFontSizeを500に変更する。
numberingは、1,2,3にする。
BubblePositionをStartに変更する。

次にレベルオブジェクトをまとめて選択する。ビュータブでFontSizeを500に変更して、作業ウインドウにレベルの文字が表示する。

レベルオブジェクトをひとつずつ選択して、データタブで、LabelとPlacementのPositionのzを次のように変更する。
レベル01 BS z=0.000mm
レベル02 BF z=2000mm
レベル03 1F z=6000mm
レベル04 2F z=10200mm
レベル05 RF z=14000mm
レベル06 PA z=16100mm

表示の設定を 変更すると、通り符号とレベルが表示になり、レベル位置が指定高さに移動する。




■基礎柱を作成する。
柱は軸プロパティのリンクを使えば、一括配置することができるが、ひとつの柱からコピーを繰り返しても簡単に配置することができる。

作業平面をBS、上面ビューに移動する。
BIM列.svg柱ツールをクリックして、オプションを表示し、長さ600、幅600、高さ2000に変更する。

左下の通り芯交点に最初の柱を配置する。
柱をBIMコピー.png複写ツールで、通り芯の端点スナップして横にコピーする。

横にコピーした柱をまとめて選択して、BIMコピー.png複写ツールで縦にコピーする。
Y4通りのX1-2には柱がないのでコピーしない。




以上でBSレベルの柱ができる。





できた柱をまとめて選択して、右クリックのプルダウンメニューで、Move to groupをクリックする。
モデル内のグループのリストが表示されるので、最下段の+Add new groupをクリックする。







Add groupオプションで名前をbsCとする。

OKで戻ると、bsCグループができて、柱は下層に移動している。









■BF柱を作成する。
bsCを表示にして、下層の柱をまとめて選択する。
Ctrl+Cでコピーし、作業ウインドウをクリックしてグループ内の選択から抜ける。
Ctrl+Vでペーストすると、リストの最後にコピーした柱ができる。

柱をまとめて選択し、Placementをクリックし、右端の[...]をクリックして、配置オプションを表示する。
□増分変更をONにして、Z=2000に変更して、BFレベルに移動する。
プロパティのHeightを4000に変更して柱の高さを調整する。
右クリックのMove to groupでbfCグループを作成し、下層に移動する。

■1F柱を作成する。
bfCの下層の柱をまとめて選択し、コピー&ペーストで新しい柱を作成する。

柱をまとめて選択し、Placementをクリックし、右端の[...]をクリックして、配置オプションを表示する。

増分変更をONにして、Z=4000に変更して、1Fレベルに移動する。
プロパティのHeightを4200に変更して柱の高さを調整する。
右クリックのMove to groupで1fCグループを作成し、下層に移動する。




■2Fの柱を作成する。
1fCの下層でY1からY3通りの柱をまとめて選択し、コピー&ペーストで新しい柱を作成する。

柱をまとめて選択し、Placementをクリックし、右端の[...]をクリックして、配置オプションを表示する。

増分変更をONにして、Z=4200に変更して、2Fレベルに移動する。
プロパティのHeightを3800に変更して柱の高さを調整する。

右クリックのMove to groupで2fCグループを作成し、下層に移動する。





■RFの柱を作成する。
2fCの下層でY2通りの柱をまとめて選択し、コピー&ペーストで新しい柱を作成する。

柱をまとめて選択し、Placementをクリックし、右端の[...]をクリックして、配置オプションを表示する。

増分変更をONにして、Z=3800に変更して、RFレベルに移動する。
プロパティのHeightを2100に変更して柱の高さを調整する。






右クリックのMove to groupでrfCグループを作成し、下層に移動する。





柱がすべてできると、bsCからrfCまでグループができて、それぞれの柱は下層に移動している。










■基礎梁を作成する。
梁は、ひとつずつの柱間(スパン)に個別に梁を配置すれば、柱との重複がないので理想的であるが、手間が多くなるので、同じ位置と断面の梁は連続梁として作成する方が効率的である。

作業平面をBFに移動し、bsCの柱を表示にする。
BIMビーム.svg梁ツールをクリックして、幅400、高さ2000とする。
柱面の中点をスナップして、連続梁を作成する。

Y3-4間は床レベルがFL-200で、梁断面が変わる。
BIMビーム.svg梁ツールをクリックして、幅400、高さ1800に変更する。
柱面の中点をスナップして、梁を作成する。
外周の梁は柱外面合わせなので、梁の外端と柱外端がそろうようにドラフト Move.svg移動ツールで梁を移動する。
外周の梁をすべて移動する。
小梁の中心線を作図する。
Y2通りにLineを作図する。
Lineを下方向に-3500ドラフト Move.svg移動し、移動したLineを逆に上方向に7000で2回BIMコピー.pngコピーする。
作成したLineをまとめて選択し、Move to groupで小梁位置グループにまとめる。



小梁位置グループをデフォルトの建物にドロップすると、軸グループの後ろに移動するので、データの見通しがよくなる。







BIMビーム.svg梁ツールをクリックして、幅を300、高さを2000に変更する。
梁位置Lineと梁の交点にスナップして小梁を作成する。
BIMビーム.svg梁ツールをクリックして、幅を300、高さを1800に変更する。
梁位置Lineと梁の交点にスナップして小梁を作成する。
高さ2000の梁をまとめて選択して、Placementで□増分変更をONにして、Z=-1000として、梁天端をBFレベルに合わせる。

作成した梁をまとめて選択し、Move to groupでbfGグループにまとめる。

高さ1800の梁をまとめて選択して、Placementで□増分変更をONにして、Z=-900-200として、梁天端をBF-200レベルに合わせる。

作成した小梁をまとめて選択し、Move to groupでbfBグループにまとめる。

Y3-4の梁がBFより200下がっている。



■1F梁を作成する。
BFの梁をコピーするのも方法であるが、基礎梁と一般部の梁は位置や種類が大きく異なることも多いので、階ごとに作成する方が都合がよいこともある。

作業平面を1Fに移動し、bfCの柱だけを表示にする。
BIMビーム.svg梁ツールをクリックして、幅400、高さ600に変更する。
柱面の中点スナップで、連続梁を作成する。

外周の梁を、ドラフト Move.svg移動ツールで梁外面と柱外面をそろえる。




小梁位置Lineと梁側面の交点スナップで、BIMビーム.svg小梁を作成する。







大梁をまとめて選択して、Placementで□増分変更をON、Z=-300として、梁天端を1Fに合わせる。

作成した大梁をまとめて選択し、Move to groupで1fGグループにまとめる。

小梁をまとめて選択して、Placementで□増分変更をON、Z=-250として、梁天端を1Fに合わせる。

作成した小梁をまとめて選択し、Move to groupで1fBグループにまとめる。










■2F梁を作成する。
2FのY3-4間は屋上になるので、2FはY3通りが外壁面となる。

作業平面を2Fに移動し、1fCの柱だけを表示にする。
BIMビーム.svg梁ツールをクリックして、幅400、高さ600に変更する。
柱面の中点スナップで、連続梁を作成する。

外周の梁を、ドラフト Move.svg移動ツールで梁外面と柱外面をそろえる。





小梁位置Lineと梁側面の交点スナップで、BIMビーム.svg小梁を作成する。





大梁をまとめて選択して、Placementで□増分変更をON、Z=-300として、梁天端を2Fに合わせる。

作成した大梁をまとめて選択し、Move to groupで2fGグループにまとめる。

小梁をまとめて選択して、Placementで□増分変更をON、Z=-250として、梁天端を2Fに合わせる。

作成した小梁をまとめて選択し、Move to groupで2fBグループにまとめる。










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