13.1 軸線が傾いた建物 作業平面の基準になる外壁を作成する

 軸線が水平垂直ではないモデルの作成を、平屋建ての住宅で練習する。

 FreeCADにはSketcherがあるので、壁のラインに対して平行拘束や垂直交差拘束を使えば、作業平面のグリッドを壁に合わせて傾けなくてもベースラインを作図することはできるが、拘束が複雑になる。(水平垂直拘束や線上点拘束は自動的に設定されるのでわかりやすい。)
 ここでは、作図したい箇所に合わせて作業平面(WPProxy)を作成し、グリッドの方向で作図してモデリングする方法を検討する。


 作業平面の回転移動については、「Tips集【基本操作】モデルの面に合わせて、水平垂直の作業平面を作成する」でまとめている。



(2024/05/15追記)
 以下の説明では、画像の貼り込みと拡大縮小はImageワークベンチのツールを使っているが、FreeCADv0.21では、Imageワークベンチが見当たらなくなっている。
 ツールメニューの中に画像CreateImagePlane.svg画像を読込みツールがあるが、新しタブができるだけで、作業中のタブに直接読み込むことができない。
 対策としては、作業中のタブに画像を貼り付けるには、ファイルメニューのインポートを使い、ファイルの種類をImage formatsにして、画像を挿入する方法が使用できる。
画像の移動、拡大縮小には、Placementプロパティで数値入力するか、移動ツール、スケールツールを使用する。



■平面図のイメージを読み込む。
作業平面を上面、上面ビューにする。
Imageワークベンチに移動する。

画像 CreateImagePlane.svgイメージプレーンの作成ツールをクリックする。
ファイルを選択して方向はXY平面とすると、座標原点にイメージを読み込み、モデルタブにImagePlaneができる。

グリッドを見やすくするために、PlacementでZ=-0.1として、画像がグリッドの下になるように調整する。。
ImagePlaneのTransparency(透明度)を60に変更して薄く表示する。

画像スケーリング.svgイメージプレーンのスケールをクリックする。
イメージを拡大するために、基準になるラインの起点と終点をクリックする。
Distance(距離)に拡大後の2点間の距離を入力する。
モデルタブで、ImagePlaneを選択し、OKをクリックするとイメージが拡大され、グリッドの表示が変わる。



■外壁を作成する。
作業平面を上面、上面ビューに移動する。
スケッチャー CreatePolyline.svgスケッチ作成をクリックして、Sketcherに移動し、外壁の外側のラインを作図する。
屋根のラインも作図する。外壁と平行拘束で固定する。
右下部分で壁高さの区分位置のラインも作図する。外壁上側のラインと垂直交差拘束で固定する。
閉じるで戻ると、下書きSketchができる。

下書きSketchを表示して、Sketchにスナップしながら反時計回りに外壁を作成する。
壁の自動結合をON、スケッチの結合をONにする。

アーチ壁.svg壁ツールをクリックして、オプションを表示し、AlignをRight、厚さ300、高さ3300にする。
Sketchの端点と交点にスナップしながら壁を作成する。
元の壁に結合するには、元の壁ラインの端点をスナップして次の壁を指定する。
壁ツールをクリックして、オプションを表示し、高さ5300に変更する。
Sketchの端点と交点にスナップしながら壁を作成する。

壁ツールをクリックして、オプションを表示し、高さ3000に変更する。
円形部分は、塗りつぶしなしで、円を作図し、アーチ壁.svg壁ツールをクリックして壁に変換する。



(壁が直行していないので、ベースラインのSketchが結合していないと、コーナーが正しく結合できない。)







■勾配屋根部分の壁とガラス面を作成する。
右下の勾配屋根部分の壁を作成する。

アーチ壁.svg壁ツールで、高さを6500に変更し、壁の始点終点をクリックして、壁を作成する。








勾配屋根の水上水下のラインを下書きSketchをスナップして作図し、それぞれをPlacementでZ=6500、Z=3300に移動する。









作成した水上水下のラインを選択して、パーツ RuledSurface.svg線織面ツールをクリックして、屋根の勾配面を作成する。







片方の壁と屋根の勾配面を選択し、Partワークベンチのパーツ SliceApart.svg切断ツールをクリックする。

ExtrudedSliceオブジェクトができる。
下層に切断された2つのSliceオブジェクト、その下層にSlice、さらに下層に壁と屋根の線織面が移動する。

切断された壁の上半分を選択し、deleteキーで削除する。

もうひとつの壁とSliceオブジェクトの下層の屋根の線織面を選択して、パーツ SliceApart.svg切断ツールをクリックする。



同じようにExtrudedSlice001ができるので、上半分を選択して、削除する。

作成したSliceオブジェクトはソリッドなので、窓を配置しても切抜くことができない。
Sliceオブジェクトを選択して、壁ツールをクリックすると、壁オブジェクトに変換できる。






ガラス面を作成する。
ガラス面が屋根に接する部分のラインを下書きSketchにスナップして作図する。








作成したラインをパーツ押し出し.svgExtrudeツールで、順方向6500で押出しする。





作成した面とSliceオブジェクトの下層の屋根の線織面を選択して、パーツ SliceApart.svg切断ツールをクリックする。

もうひとつのガラス面も同様にして、切断する。
切断した上半分の面を選択して、deleteキーで削除する。
切断した面の上辺を端点スナップして、屋根に接するラインを作図する。

ラインを作図したら、下半分の面も削除する。
(面を切断するときにできたSliceオブジェクトも削除する。)
下書きSketchにスナップして、ガラス面が地面に接する部分のラインを作図する。

地面と屋根面のラインを選択し、パーツ RuledSurface.svg線織面ツールをクリックして、ガラス面を作成する。
反対側の面も同様にして作成する。




作成したガラス面の先端のラインをまとめて選択して、パーツ RuledSurface.svg線織面ツールをクリックして、傾いたガラス面を作成する。










■中央のガラス壁を作成する。
中央部のガラスの屋根と壁を作成するために、作業平面を壁と平行な方向に移動する。

基準になる壁の面を選択し、WPセレクターをクリックして、作業平面を移動する。
ツールバーのUtilsの作業平面プロキシを作成をクリックしてWPProxyを作成する。

WPProxyのPlacementで、Z=0、X軸まわり0度に変更して、作業平面を水平に移動する。


WPproxyをダブルクリックすると、作業平面のグリッドが水平になる。

WPProxyをいつでも呼び出せるようにラベルをWP_center01に変更しておく。
「9」を押して、作業平面ビューに移動すると、グリッドを正面から見る画面に変わる。


sketch作成をクリックして、Sketcherに移動し、基準外壁のラインを外部リンクツールで赤表示に変える。
中央のガラス壁を作成するために、長方形ツールで作図し、距離拘束で固定する。
閉じるで戻り、Sketchにスナップして、壁の接地面ラインと屋根水下側のラインを作図する。





水上側のラインは、Extrudeツールで順方向8000で押出しする。
水下側のラインは、PlacementでZ=4000で移動する。
作成したラインを2つずつ選択し、線織面ツールをクリックして、それぞれの面を作成する。
以上で、外壁とガラス面ができる。






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