BIMモデリング例2/3 床、窓とドアを作成し、設備機器をインポートする

 構造フレームができたら、床をつけて、窓やドアを配置する。FreeCADは、壁に建具を配置すると、他のBIMソフトと同じように壁を自動的に切抜くことができるようになっている。

 その他にも、流しや衛生器具も配置すると住宅らしくなる。平面図として利用するだけなら、床面に平面図を貼り付けてもよい。
 器具の3Dデータはメーカーから提供されている。FreeCADは、一般的な3DCADデータである3DのDXFを読み込むことができないので、他のフリーソフトなどを使って読込可能なフォーマットに変換する必要がある。


■床を作成する。
作業平面をレベル1に移動する。
1fCと2fGを非表示にして、bfC基礎柱と1fG基礎梁を表示する。

ドラフトワイヤ.svg連続線ツールで、梁の内側を時計回りで床スラブの範囲を作図する。
(時計回りに作図すると、スラブ押出方向が下向きになる。)

床スラブ範囲を順に選択し、BIMスラブ.svgスラブツールをクリックして、Slabオブジェクトに変換する。



Slabオブジェクトをまとめて選択して、プロパティでHeightを150に変更する。






住宅内の床のかさ上げを作成する。
Slabオブジェクトは非表示、1fWの壁を表示にする。

玄関踏込みと浴室以外の部分を、ドラフトワイヤ.svg連続線ツールで反時計回りに指定して、かさ上げ範囲を作図する。



作図範囲を選択し、パーツ押し出し.svgExtrudeツールで順方向150押出す。
1fWを非表示にすると、上方向に押出しされている。

標準グループ.svgグループを作成しラベルを1fSに変更して、スラブとかさ上げを下層に移動する。


■建具を配置する。
玄関のドアを作図する。
外壁の壁面を選択し、WPセレクターをクリックして作業平面を移動する。

BIMドア.svgドア作成ツールをクリックしてオプションを表示する。
敷居高さ0、幅840、高さ2020として、壁左下にスナップしてドアを配置する。
バルコニー側は外側から外壁面を選択し、作業平面を移動する。
アーチ窓.svg窓作成ツールをクリックしてオプションを表示する。
腰壁高さ150、幅2440、高さ2020として、壁左下にスナップして窓を配置する。
作業平面をレベル1に移動する。上面ビュー、表示形式ワイヤーフレーム(v,3)にして、壁の中の建具が見えるようにする。

ドアと窓を反対側の住戸の柱位置にBIMコピー.pngコピーする。
玄関ドアは、ドラフト Move.svg移動ツールで壁面から150移動する。
最初のドアは、壁オブジェクトの下層にあり、コピーしたドア001も壁の下層にある。
ウインドウも両方のオブジェクトが壁003の下層にある。












間仕切り壁のドア、開口を配置する。
建具を配置する基準点をスナップすることが難しいので、壁の端部に仮配置してから、それぞれの場所に移動する。

建具を配置する壁を選択し、作業平面を移動する。
BIMドア.svgドア作成ツールをクリックしてオプションを表示する。

敷居高さ150、幅840、高さ2020として、壁左下をクリックして仮配置する。

作業平面をレベル1に移動して、上面ビューで、ワイヤーフレーム表示(v,3)にする。

ドアを選択し、移動ツールをクリックして、ドアを下側の壁線まで移動する。さらに、移動ツールで上方向に100移動する。
ドアが正しい位置に配置できたら、モデルタブでドアをダブルクリックして、窓要素のオプションを表示する。




オプションのコンポーネントにDoorが登録されているので、選択して削除をクリックする。
コンポーネントのDoorが削除できたら、「閉じる」をクリックして戻る。
ドアオブジェクトの扉が消えて、枠だけが残っている。
他の2つの間仕切り壁にも同様にしてドアを配置する。
ドアを配置する壁を選択し、作業平面を移動する。
BIMドア.svgドア作成ツールで、敷居高さ150、幅700、高さ2020として、壁の右下をクリックしてドアを仮配置する。
次の壁を選択し、作業平面を移動する。
BIMドア.svgドア作成ツールで、敷居高さ280、幅700、高さ1840として、壁の右下をクリックしてドアを仮配置する。
作業平面をレベル1に移動、上面ビュー、ワイヤーフレーム表示にする。
上のドアは壁から100、下の開口は壁から40となるように移動する。
下のドアは、コンポーネントでDoorを削除して、開口に変更する。







■設備機器をインポートして配置する。
設備機器はTOTOのCADデータからDXF(3D)をダウンロードできる。
FreeCADのDXFは2Dしかインポートできないので、そのままでは読み込めない。他のソフトを使ってフォーマットを変換する。(SketchUPやBlenderで変換することができる。)
フォーマットはCollada (.dae)が扱いやすい。


メニューバーのファイル>インポートから、ファイルの種類とファイル名を選択して開くをクリックしてインポートする。

インポートしたデータがメッシュオブジェクトに分解されている場合は、グループを作成し下層にまとめておく。

インポートした3Dデータを右クリックし、プルダウンメニューの表示をクリックすると、表示プロパティが出るので表示モードをFlatLinesにすると、モデルのラインが表示できる。

インポートしたデータはPlacementまたは移動ツールを使って、配置するレベルに移動する。

作業平面をレベル1に移動し、上面ビューにする。
移動ツールと回転ツールを使って、それぞれの設備を該当する箇所に配置する。

グループを作成し、ラベルを設備機器に変更して、インポートしたデータを下層に移動する。



■上階に複写する。
住戸内の間仕切り壁や設備機器を他の住戸へコピーするのは、ドラフトミラー.svg鏡面コピーツールや、ドラフト Move.svg移動ツールを使えばよいがこの練習では省略する。

1Fの配置ができたら、上階に複写する。
1fC柱と2fG梁グループを選択し、コピー&ペーストで新しいグループを作成する。
(Ctrl+Cを押すと、オブジェクト選択オプションが表示されるが、ここでは特別なリンクは使っていないのでそのままOKでよい。)
 Ctrl+Vを押すときに、どれかのグループを選択しているとその下層にコピーが作成される。何も選択していない状態でペーストして、リストの最後にオブジェクトを作成する。)

できたグループのラベルを2fC001とrfG001に変更する。
それぞれの下層の柱梁オブジェクトをすべて選択して、Placementで□増分変更をON、Z=3000でレベル2に移動する。


次に1Fの壁を複写する。




壁オブジェクトは下層に別オブジェクトのドアとウインドウを含んでいるので、グループを展開し、壁とドア、ウインドウをすべて選択した状態でコピー&ペーストでグループを複写する。







できた1fW001のラベルを2fw001に変更する。
下層の壁とドア、ウインドウをすべて選択し、Placementで□増分変更をON、Z=3000でレベル2に移動する。





Placementで移動すると、ドアとウインドウのある壁がレベル3まで移動している。
壁の下層にあるオブジェクトには移動操作が重複している。


壁オブジェクトの下層にあるWallTraceとドア、ウインドウをまとめて選択して、Placementで□増分変更をON、Z=-3000として重複部分を元に戻すと正しい位置に移動する。

ドアと窓は新しく作成した壁に自動的にリンクして、壁の切抜きもできているので、壁のリンクをやり直す必要はない。








1fSのスラブについても、コピー&ペーストで2F、RFの床を作成する。

レベルを2fS001とrfS002に変更する。
2fS001の下層のSlabとExtrudeをすべて選択して、Placementで□増分変更をON、Z=3000としてレベル2に移動する。

rfS002の下層のExtrudeは削除する。Slabをすべて選択して、Placementで□増分変更をON、Z=6000としてレベル3に移動する。
(右の図では、内部が見えるようにスラブのビュータブTransparency透明度を50に設定している。)

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