BIMモデリング例1/3 セットアップで軸線を作成し、壁芯、柱梁壁を配置する

 BIM入門ガイドの最後に、 FreeCADを使ったBIMモデリングの流れを知るために、簡単な共同住宅のモデルを作成する。
共同住宅のモデルは他のBIMソフトでも同じようなものが紹介されているので比較できる。

簡単なワンルームタイプの1スパン分と屋外階段だけ作成し、2階建て勾配屋根とした。
作業平面の移動や、モデルの寸法はできるだけ記入したが、作業ウインドウでクリックする場所などは省略している部分もある。



■通り芯と水平軸を作成する。
BIM Project.pngBIMプロジェクトのセットアップをクリックして、オプションを表示する。
建物の全体長さを7200、全体幅を10000とする。

V軸(縦軸)の数を2、距離を7200とする。
H軸(横軸)の数を2、距離を10000とする。

レベルは、GL、1F、2F、RFの4とする。
階の高さは3000とする。
□水平を縦軸に固定をONにして、水平軸を作成する。





OKをクリックすると、デフォルトのサイトからレベルまでのオブジェクトが自動的に作成される。

デフォルトの建物からHumanまでは建物のモデリングに必要ないので、非表示にする。





建物の輪郭とHumanが画面から消えて、横軸、縦軸、水平軸だけが残る。
レベルはFontSizeが小さいので見えない。


水平軸をダブルクリックして、オプションを表示し、軸2(GLから1Fまでの距離)を600に変更する。



GLから1Fが600に変更になり、2F、RFの水平軸も移動する。



レベル0から3までをまとめて選択して、ビュータブでFontSizeを500に変更する。




■レベルの高さを設定する。
水平軸の高さとレベルオブジェクトは連動していないので、各レベルオブジェクトの高さを変更する必要がある。
レベル1を選択し、データタブのPlacementを展開し、Positionのzを600に変更する。
レベル2を選択し、Positionのzを3600に変更する。
レベル3を選択し、Positionのzを6600に変更する。

レベルの文字位置が表示され、文字が水平軸の位置に移動する。




■壁芯を作成する。
作業平面を上面に移動し、ビューを上面にする。
壁芯を作図するために、アーチ軸.svg軸作成ツールを2回クリックして、軸001と軸002を作成する。
(軸001と軸002は同じ場所にできる。)
軸001(縦の壁芯)を選択して、プロパティでLengthを10mに変更する。
軸002(横の壁芯)を選択して、Lengthを72000㎜、Placementで角度を90、Positionのxを7200に変更する。







壁芯の長さと方向が変更になる。
画面表示が変わらないときは、Std Refresh.svg再計算(再描画)アイコンが着色になっていればクリックする。
軸001をダブルクリックして、オプションを表示し、軸1を1750、軸2を1850とする。
軸3から5は削除する。
軸002をダブルクリックして、オプションを表示し、軸1から順に-2000、5500、1450、1850、1200に変更する。
壁芯の位置が移動する。

標準グループ.svgグループ作成ツールをクリックしてグループを作成し、ラベルを壁芯に変更する。
軸001と軸002をドラッグ&ドロップで、壁芯グループの下層に移動する。


■柱を配置する。
モデルタブでレベル1をダブルクリックして、作業平面をレベル1(1F)に移動する。

BIM列.svg柱ツールをクリックして、オプションで長さを800、幅を800、高さを3000とする。
通り芯の4隅の交点に柱を配置する。

下側2つの柱を選択し、ドラフト Move.svg移動ツールをクリックする。
移動基準点を適当にクリックして、Shiftキーを押しながらカーソルを下に移動する。
(移動方向が垂直方向に拘束される。)

移動量のYを-300に変更して、柱を下方向に移動する。
標準グループ.svgグループ1fCを作成し、柱オブジェクトを下層に移動する。


■梁を配置する。
レベル2をダブルクリックして、作業平面をレベル2に移動する。

BIMビーム.svg梁ツールをクリックして、オプションで幅を400、高さを600に変更する。
柱の中点をスナップして外周部の梁を作成する。
下辺の梁を選択し、ドラフト Move.svg移動ツールをクリックして、梁の端点を柱の端点に移動して、位置合わせする。
梁の側面と壁芯の交点をスナップして、内部の梁を作成する。
梁オブジェクトは梁中心で配置されるので、2Fレベルより600/2=300㎜だけ高くなっている。
梁オブジェクトをまとめて選択して、データタブのPlacementの数値をクリック、右端の[...]をクリックして配置オプションを表示する。
(オブジェクトをまとめて移動するときや相対量で移動する時は配置オプションを使う。)
配置オプションで、□増分変更を適用をONにして、Zを-300とする。
すべての梁が-300移動して、天端がレベル02に位置合わせできる。
標準グループ.svgグループ2fGを作成し、梁オブジェクトを下層に移動する。




■壁を配置する。
レベル1をダブルクリックして、作業平面をレベル1に移動する。2fG梁は非表示にする。

アーチ壁.svg壁ツールをクリックして、オプションで幅を200、高さを3000-梁600=2400に変更する。配置は中央とする。
柱と通り芯、壁芯の交点をスナップして外壁と住戸の境界の壁を作成する。

住戸内の間仕切り壁を作成するために、アーチ壁.svg壁ツールをクリックして、オプションで幅を150に変更する。高さは3000-スラブ150=2850に変更する。
壁芯と壁の交点をスナップして、間仕切り壁を作成する。



2fG梁を表示に戻して、部材の状態を確認する。







■基礎柱と基礎梁を作成する。
1fCの柱と2fGの梁を選択して、コピー&ペーストで柱と梁を作成する。

作成した柱をまとめて選択し、プロパティでHeightを1200に変更する。
Placementの[...]をクリックして、配置オプションを表示する。
□増分変更をONにして、Zを-1200として柱天端を1Fに合わせる。
グループbfCを作成し、柱を移動する。


梁をまとめて選択し、プロパティでHeightを1200に変更する。







Placementの[...]をクリックして、配置オプションを表示する。
□増分変更をONにして、Zを-3000-300(=-3300)として梁天端を1Fに合わせる。

グループ1fGを作成し、梁を移動する。






bfC、1fC、1fG、2fGを表示にして、位置を確認する。




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