12.1カーテンウォールと傾斜壁1 壁の結合は指定するポイントが重要

 BIMワークベンチには、線や面を直接カーテンウォールに変換するツールがあるので、これを使ったモデリングを練習する。

右図の建物を4回に分けて作成する。
1)壁ツールで自動結合を使って壁を作成、ねじれたスロープを作成
2)曲線を円形カーテンウォールに変換し、プロパティを設定
3)傾斜したカーテンウォール、台形型カーテンウォールを作成
4)傾斜した壁を壁ツールのプロパティで作成し、建築加算減算ツールで編集

 アーチ カーテンウォール.svgカーテンウォールツールは、均等割りしかできないようなので、均等でないスパンはベースラインの作り方を工夫する必要がある。また、変形した面にカーテンウォールを割り付けることについても考えてみる。


 今回も複雑な構成の建物を作成するので、Sketcherで壁芯位置図を作成する。各階共通で使えるように、すべての階の壁芯を1枚にまとめている。
(実際の設計では最初に壁の位置をすべて決めてしまうことはないので、それぞれの階の壁をひとつずつ作成しながら、全体を組み立てていくことになる。)

作業平面を上面にして、Sketcherに移動する。
今回のモデリングでは、壁のベースラインをDraftワークベンチのツールでスナップを使って作図することを考えているので、壁位置図は細かい部分まで作図している。
(ベースラインをSketcherで作成するなら、外周ラインがあればそれぞれの部分でSketcherで作図してもよい。)

BIMに戻ったら、レベルツールを6回クリックして、floorオブジェクトを作成し、ラベルをBFから1F、2F、3F、4F、RFに変更する。
それぞれのレベルをPlacementでZ=0、3200、8400、12400、15400、18400に変更する。

レベルができたので、モデルタブでBFをダブルクリックして作業平面をBFに移動する。

壁位置図の周囲の接地面のラインも作成しておく。建物4隅にそれぞれの高さのラインを作図する。
直線ツールで、コーナーをスナップクリックして、オプション相対がONを確かめて、終点を座標入力でX=0、Y=0、Z=それぞれの高さ3000、7500、3500とする。
作成した直線の頂点を連続線で結んで、接地面のラインとする。

敷地右側に敷地外への出口(スロープ2か所と階段)があるので、その部分の接地面ラインを作成する。
右上の線(Z=3000)を選択し、それぞれの場所に複写する。
WPスナップをOFFにして、作成した線と接地面ラインの交点を直線(3か所)で結ぶ。

グループGLを作成し、接地面ラインや高さを作るために作図した直線をまとめてドロップする。


■BFの壁とスロープを作成する。
平面上の作業は、上面ビューで操作する。
BFの壁を作成する前に、床を作成する範囲を作成し、ビュータブShapeColorで色分けする。
連続線ツールで、駐車場、階段、EV、倉庫、BFスロープ範囲を作図する。
(今回はわかりやすいようにテキストツールで室名を記入(ビュータブでFontSizeを1000)したが、特に記入する必要はない。)
グループBFareaを作成し、範囲図やテキストを移動する。

BFの壁は、すべて壁厚200、高さ3200(階高)とする。
左下の外壁面から作図する。
壁の接続部は、前回のTips集 壁ツールで連続壁を結合して作成するためのヒントで記載したように壁の小口を使いながらポイントを指定すれば自動結合するので、後で編集する手間がいらない。
うまくポイントにスナップできない部分でも、Shiftキーで方向を拘束すると参照ラインが出るので、他のポイントを投影することができる。


BFスロープ部分は、先に作成した開口部の接地ラインと、BFスロープ範囲の面(Face)のエッジを選択し、partワークベンチのPart RuledSurface.svg線織面ツールをクリックすると勾配の面を作成できる。


■1Fの壁とスロープを作成する。
作業平面を1Fに移動して、1Fの床範囲を作図する。

1Fの壁は部分で高さが違うので、いくつかに分けて作成する。
壁が重なってポイントが指定できない場合は、他の壁を非表示にして高さ別に壁を作成する方が簡単である。
壁の高さは、2Fまでが5200、手摺壁は1200、上側隣地は2500とする。


1Fから接地面へのスロープはBFと同じように、スロープ範囲面のエッジと接地ラインを選択して、線織面ツールで勾配を作成する。


階段部分は、BFの壁の間に設置するので、BF壁を表示、1F壁は非表示にする。
階段上の床は長方形で作図する。
階段は、踏面部分を起点から終点に向けてベースラインとして作図する。
適当なポイントがないので、別の場所に水平の直線を作図し、階段上の床のコーナーにスナップを使って移動する。

階段上の長方形は、Extrudeツールで順方向0、逆方向300で押出しする。
階段のベースラインを選択し、階段ツールをクリックすると、線が階段に変換される。
作成した階段の中の手摺オブジェクト(Rail、Rail001)は必要ないので、選択してDeleteキーで削除する。

階段を選択し、プロパティで配置(Align)はLeft、高さは2050、幅(Width)、段数(Number of Steps)は11段とする。
高さ方向の位置は、1F合わせで作成されているので、Z=-2050移動して高さ分だけ下げる。

階段下の床は、スロープと同様に、階段のエッジと接地ラインを選択して線織面ツールで床面を作成する。

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