3Dモデリング練習15 ダイニングチェア1

 椅子は比較的自由な曲線が使われている家具である。ここまで練習してきた方法の応用編として、いくつかのダイニングチェアを作って曲線や傾きのある部材の作り方を試してみる。
 サーフェイスやCurvesワークベンチを使えば自由な曲面ができるが、Partワークベンチの基本的なツールで曲面を作る方法を検討する。

 曲面を作る場合でも、数値やポイントを決めながら作成する方が、図面化するときに基準点が分かりやすい。さらに、パラメトリックモデラーであるFreeCADは、ベースオブジェクトの位置やサイズを調整しながらモデルを確認できるので、数値と形状の関係を把握する練習にもなる。


■練習1
円形の座面とハイバックの椅子を作成する。
最初に、座面と脚の位置関係を決める。
作業平面を上面にして、Sketcherで座面と脚を作図する。

上部が円形の座面に、上(背面)の脚は座面外に持ち出し、下(前面)の脚は、座面内に入るように決めている。

このSketchをガイドにして、各部材のベースオブジェクトを作図する。
ベースオブジェクトは、Placementでレベルを調整する。

左側の脚を作成し、右側にコピーすることにして、左上の脚から作成する。
脚は、上部と下部で位置と断面を変更するので、それぞれの断面Skechを別々に作成し、ロフトツールで変換する。

Sketcherで、左上の脚を作図する。
ガイドのSketchと同じ位置に脚の長方形を作図する。
Skech380Cとする。
高さ380の位置なので、PlacementでZ=380移動する。
Sketcherで、脚下部分の長方形を作図する。
30×30、元の脚より外に30移動する。
Skech000Cとする。


Sketcherで、脚頂部の長方形を作図する。
30×30、元の脚より外に45+5移動する。
PlacementでZ=800移動する。
Skech800Cとする。


Sketcherで、左下の脚を作図する。
30×30、元の脚の位置に作図する。
Skech380C1とする。
PlacementでZ=380移動する。

Sketcherで、左下の脚の脚下部分を作図する。
20×20、元の脚から5ずつ内側に作図する。
Skech000C1とする。


作業ウインドウに各断面が表示される。
ロフトツールをクリックし、左上の断面を下から順に選択して右欄に移動し、ソリッドを作成をONにして脚のソリッドを作成する。
左下の脚についてもロフトツールでソリッドに変換する。

ガイドのSkechを表示して、左上の脚は回転複写ツールでコピーする。
左下の脚は複写ツールで右にコピーする。




Sketcherで、つなぎ材を作成する。
脚の外面より5内側につなぎ材のラインを作図する。
上の脚では、内側ラインに接する位置になる。
Skech380Bとする。
コピー&ペーストでコピーを作成し、Skech270Bとする。
Placementで、380BはZ=380、270BはZ=270移動する。


Sketcherで、前側のつなぎ材も作図する。
脚の下辺より5上に作図する。
Skech380B1とする。
コピー&ペーストでコピーを作成し、Skech270B1とする。
Placementで、380B1はZ=380、270B1はZ=270移動する。
作成した380Bと380B1を選択して、押し出しツールで逆方向45とする。
270Bと270B1を選択して、押し出しツールで逆方向30とする。
4つのつなぎ材を3Dオフセットで、厚さ15、オフセットを埋めるをONにしてソリッドを作成する。
脚を表示して位置関係を確認する。



背もたれは、脚の勾配に沿っているので、勾配に合わせた面を作成する。
Sketcherで、座面のラインを作図する。脚から脚まで円弧を作図し、半径拘束で脚内側より5だけ外になるように調整する。
PlacementでZ=380とする。
脚頂部のSkechも表示にする。
Sketcherで、脚頂部のラインを作図する。
円弧を作図し、半径拘束で脚内側より5外に配置する。
両端は、脚の線を使って線上点拘束で長さを調整する。
PlacementでZ=800とする。


作業ウインドウに戻り、2本の円弧を選択して線織面ツールをクリックして、背もたれの面を作成する。




作成した面を選択して、3Dオフセットで厚さ15、オフセットを埋めるをONにして、背もたれの板を作成する。
作業平面を前面に移動する。
背もたれの板から必要な部分を切抜きする。

Sketcherで、下段の板のために長方形を作図する。
座面から100、板高さ30とする。


別のスケッチで、中段の長方形を作図する。
下段との隙間60、板高さ30とする。




別のスケッチで、上段の長方形を作図する。
中段との隙間60、頂部との差20とする。







できた下段のSketchを選択して、押し出しツールで逆方向600として、切取用ソリッドを作成する。
切取用ソリッドと背もたれ板のソリッドをまとめて選択し、コモンツールで共通部分を抽出する。


中段、上段についても同様にして、共通部分を抽出する。
作業平面を上面にする。
ガイドのSkechをコピー&ペーストして、座面のSketch380Sを作成し、PlacementでZ=380移動する。
スケッチをダブルクリックしてSketcherに移動し、座面の輪郭線以外を削除する。
座面のSkech380Sを選択して、押し出しツールで順方向400とする。
フィレットツールで半径15として面取りする。

脚、つなぎ材、背もたれを表示して、フィレットツールで脚は5で丸面取り、背もたれは2で丸面取りする。


■練習2
脚とひじ掛け、側面のつなぎ材が連続している椅子を作成する。
作業平面を上面にする。
Sketcherで、平面に椅子の外寸570×510、座面440×450、ひじ掛けのU字型の平面、背面板の円弧を作図して、ガイドを作成する。
作業平面を側面にする。
Sketcherで、側面に脚とつなぎ材、ひじ掛けの支柱までの連続した断面と座面クッションの断面を作図して、ガイドを作成する。
脚を作成するために別のスケッチで、脚からひじ掛け支柱までのラインを作図する。
(側面ガイドのSketchをコピーして、不要な座面の部分を削除すればよい。)




作業平面を上面にする。
脚のSketchを選択して、押し出しツールで順方向15、逆方向15とする。
左右の脚のために、クローンツールをクリックして、クローンを2つ作成する。
左右のクローンをPlacementで、それぞれX=-260、X=260移動する。
Sketcherで、ひじ掛けの平面を作図する。
(ガイドのSketchをコピーして、不要部分を削除してもよい。)
Placementで、Z=640とする。



ひじ掛けのSkechを選択して、押し出しツールで逆方向25とする。
Sketcherで、手摺上の背面板の円弧を作図する。
Placementで、Z=640とする。
背面板のSkechを選択して、コピー&ペーストで同じものを作成し、PlacementでZ=740とする。(または、増分変更ONにしてZ=100とする。)
さらにPlacementでY=10として、勾配分だけ後ろに下げる。


背面のライン2本を選択して、線織面ツールをクリックして面に変換する。
作成した面を選択し、3Dオフセットで厚さ15、オフセットを埋めるをONにしてソリッドに変換する。
背面板を選択して、フィレットツールをクリック、上面の左右の辺を選択して、半径50で丸面取りする。
作業平面を側面にする。
座面クッションの断面を作図する。




作成した断面を選択して、押し出しツールをクリックし順方向220逆方向220とする。
フィレットツールをクリック、すべてボタンをクリック、半径10とする。
作業平面を前面にする。
ビューを前面(正面)にすると、脚と座面の間に隙間がある。
これは、足を傾けるために脚の最下面をずらしておいたスペースである。



脚のオブジェクトを選択して、回転ツールをクリックし、スナップで、右下端を回転中心として脚最上部右端をひじ掛け右端まで回転する。




右側の脚についても、同じように回転してひじ掛け端部に合わせる。
部材を表示して確認する。







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