3Dモデリング入門19 Part WBとPartDesign WBの回転ツールを使う

 回転体を作成するツールは、複雑な操作はありません。断面を回転軸に対して正しく作図し、回転軸の位置を決めれば、自動的に回転体を作成します。


回転体の作成例としてよくあるのは、コップや漏斗のような形状ですが、いくつかの作り方があります。
・上面と下面が同じ大きさなら、円柱プリミティブが使えます。または下面を作図し、押出しできます。
・上面と下面の大きさが違う場合、上下の面を作図し、ロフトツールでつなげることもできます。
・コップの断面を作図し、回転体ツールで回転して立体にするのが一般的な方法です。

モデリングの方法はいくつかありますが、必要な寸法を正確に作図できる方法を選ぶべきです。



 オブジェクトを回転するツールは、DraftワークベンチのドラフトRotate.svg回転(Rotate)とPartワークベンチのPart Revolve.svg回転(Revolve)、さらにPartDesignワークベンチにも加算のPartDesign Revolution.svg回転(Revolution)と減算のPartDesign Groove.svg溝(Groove)があります。



 DraftワークベンチのドラフトRotate.svg回転(Rotate)は、2D平面での図形の回転なので、直接ソリッドを作成するツールではありません。
(作成したソリッドを回転移動することはできますが、面から回転体を作ることはできません。)



PartワークベンチのPart Revolve.svg回転ツール(Revolve)は、一般的な3DCADのツールです。

1)2Dの面または線を選択し、回転ツールをクリックします。
2)オプションで回転軸を決めます。XYZの欄に数値の入っている方向が回転軸となります。
回転軸を距離で移動することもできます。

XYZにそれぞれ数値を入れて、軸を傾けることもできます。

参照の選択をクリックすると、作業ウインドウで線やオブジェクトのエッジを回転軸として選択することができます。

角度は、回転体を作成する範囲。
□対称角度は、角度を前後に振り分けます。

断面が軸と交差しているとエラーになります。
必ず軸の片側になるように配置します。




■PartワークベンチのPart Revolve.svg回転ツールと回転軸
1)Partワークベンチに移動します。
2)スケッチャー NewSketch.svgsketch作成アイコンをクリックして、作業面をXY-Planeにします。

Sketcherの拘束で、サイズを決めてもよいのですが、簡易的な作図なので、グリッドを使って断面を作成します。

Sketcherのオプションで、Edit controlsを展開すると、グリッドの表示を設定できます。
□グリッドの表示をONにします。グリッドサイズは5mmにします。
□グリッドにスナップもONにします。

Sketcherの水平軸から-50,10のポイントから、100×5の長方形を作図します。



閉じるで戻って、スケッチャー NewSketch.svgsketch作成アイコンをクリックして、作業平面をXY-Planeにして、縦の長方形100×5を作図します。
閉じるで戻って、スケッチャー NewSketch.svgsketch作成アイコンをクリックして、作業平面をXZ-Planeにして、縦の長方形100×5を作図します。
3)Sketchを選択し、Part Revolve.svg回転ツールをクリックします。
オプションで、方向Xボタンをクリックすると、Xが1.00になり、Zが0.00に変ります。
軸は移動しないので、中心XYZは0のままです。
OKをクリックすると、回転体ができます。

他のSketchも同様にして、回転体にします。
他のSketch001は方向Y、Sketch002は方向Zです。


Partワークベンチで作成したオブジェクトはブーリアン演算で合成するまでは、別々のオブジェクトです。










PartDesignワークベンチのPartDesign Revolution.svg回転PartDesign Groove.svg溝ツールは他のツールと同じように、回転体を作成すると同時に、元のソリッドに合成(追加削除)します。
しかも、加算減算オブジェクトを仮表示することなく、そのまま結果のソリッドを表示するので、イメージ通りに合成したり、後で修正するのは難しいところがあります。

PartDesignワークベンチのツールは、ソリッドを作成するツールなので、線(閉じていないSketch)は操作できません。


■PartDesignワークベンチのPartDesign Revolution.svg回転ツールと回転軸
Partワークベンチのツールで練習した交差したパイプを作成します。

1)PartDesignワークベンチに移動します。
2)sketch作成アイコンをクリックして、XYZ軸で回転する断面を作図します。100×5

3)Sketchを選択して、PartDesign Revolution.svg回転ツールをクリックします。
オプションが表示されます。

回転軸は絶対座標のX軸になるので、ベースX軸にします。
回転軸として適当なものを選択すると、作業ウインドウに仮表示されます。







他のSketchについても、回転ツールをクリックし、軸をベースY軸、ベースZ軸にします。










■PartDesignワークベンチのPartDesign Groove.svg溝ツールと回転軸
アイコンを見ると、溝ツールは回転体から回転体を削り取るイメージになっています。

1)Sketcherで、長方形と、かぎ型の2つのスケッチを作成します。
2)長方形を回転ツールで、立体化します。
3)かぎ型スケッチを選択し、PartDesign Groove.svg溝ツールをクリックすると、切抜いた形状ができます。








溝ツールは、一般的には元のソリッドから回転体を削除するツールです。

立方体のプリミティブを作成し、その面に円弧と直線で、閉じたスケッチを作成します。
直線が水平垂直拘束されていると、拘束が重複しているので、オレンジ色のエラーになります。
水平垂直拘束選択しdeleteで削除すると、スケッチができます。

Sketchを選択し、PartDesign Groove.svg溝ツールをクリックします。

回転軸は、垂直スケッチ軸またはベースZ軸とします。








立方体から球形状が削除されます。






立方体の面に長方形スケッチを作図し、PartDesign Groove.svg溝ツールで回転すると、回転体の部分が削除されます。
















その他の回転系のツールとしては、PartDesignワークベンチにPartDesign AdditiveHelix.svg加算ラセンツールとPartDesign SubtractiveHelix.svg減算ラセンツールがあります。
ラセンの経路に沿って断面を押出すツールです。Partワークベンチでは、プリミティブでラセンを作成し、スイープで断面を押出しすれば同様の形状を作成することができます。



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