操作ガイド8 BIM:階段を作成する(ベースラインで合成)

■階段ツールを使う
 階段ツールはいまのところ直線状の階段を作成できるだけであるが、階段の基準となるベースラインを組み合わせることでいろいろなパターンを作成することができる。

手摺子については、Sketcherで作図し、パイプやフレームツールで部材に変換すれば、自由な形状が作成できる。

階段ツールをクリックすると、長さ高さ段数の既定値を使って階段を自動生成することができるが、移動して位置合わせしなければいけないので、直線(ベースライン)を階段に変換する方法で作成するのが最も適当な方法である。

階段の既定値は、高さ3000 長さ4500 幅1000 段数17段になっているので、ベースラインを選択し、階段ツールをクリックすると、長さ以外の高さ、幅、段数は既定値のままで階段ができます。その階段のプロパティを変更して必要な形状を作成します。

踏面300で8段の階段を作成してみます。

作業平面を上面に移動する。

長さ2400 (300×8)のベースラインを作図する。
ベースラインは始点から終点方向に作図する。

直線を選択し、階段ツールをクリックすると、階段オブジェクトと、下層にRail、Rail001ができる。



階段の高さは3000、幅1000、段数17段で作成される。

Railは手摺でH900の位置になっている。





階段のプロパティの下の方に、Stairs、Steps、Structureがあり、この中で階段の形式を設定することができる。


Stars
Align:ベースラインに対する階段の位置を決める。(LeftまたはRight)
階段のHeightとWidthを入力する。
階段のLengthはベースラインを指定したので、入力しなくてよい。

Steps
Numberステップ数:階段のステップの数。
RiserHeight:蹴上の高さ。(高さと段数から自動計算)
TreadDepth:踏面寸法。(長さと段数から自動計算)
TreadThick:踏板の厚さ(仕上げ厚)

Structure
Stringerは桁式階段の設定
 Overlap:階段と桁材の重なり寸法。
 Width:桁材の幅。
StructureOffset:階段と桁材の位置関係
    Structureで階段形式を選択
     Massive 躯体RC形式
     One Stringer 桁式(1本)
     Two Stringer 桁式(2本)

    StructureThicknessは、コンクリートスラブの厚さ、または桁材の高さ。

    今回はコンクリート階段で設定する。

    Height(高さ)を1500に変更する。





    NumberOfSteps(段数)を9に変更する。

    RiserHeightは、自動的に166.67に変る
    TredDepthは、自動的に300に変る



    Structureはコンクリートなので、Massiveのまま。

    Thicknessも150で変更なし。




    高さと段数を変更して、階段の形状が調整できた。

    桁式階段の場合は、階段形式のStructureをOneStringerまたはTwoStringerに変更してから、Riser(蹴上)、Tread(踏面)、Stringer(桁)の数値を入力して形状を調整する。




    ■折返し階段、複層階の階段を合成する。
    階段を合成するためには、ベースラインを複数作成し、まとめて選択して階段ツールをクリックすると、下から順に階段が積み上げられる。

    階段をつなぐ踊り場部分を作図する。
    2600x1500の長方形を3000の間隔をあけて配置する。


    3000の間に階段を作成できるように、長方形のコーナーを結んでベースラインを作図する。



    反対側のコーナーも折返し階段のベースラインを作図する。




    2本のベースラインと同じ位置に、3本目、4本目のベースラインを作図する。 




    作成したベースラインをまとめて選択し、階段ツールをクリックして階段に変換する。





    Starsオブジェクトができて、下層にベースラインに対応した階段が入っている。









    階段の高さは3000、幅1000、段数17段で作成される。

    Railは手摺でH900の位置でつながっている。








    下層のStars001から004までをまとめて選択し、プロパティを変更する。










    Height(高さ)を1800に変更する。

    Width(幅)を1200に変更する。





    NumberOfSteps(段数)を10に変更する。

    RiserHeightが180に変る。
    TreadDepthが333.33に変る。





    階段の高さ幅、段数が変更になる。

    踊り場部分の長方形をそれぞれのレベルにコピーすれば階段の合成ができる。




    このように踊り場部分の形状を作図し、そこにつながるベースラインを作図すれば、どの方向でも階段を作成し合成することができる。






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