操作ガイド11 3D:線織面(RuledSurface)、FaceBinderで面を作る

■線織面(RuledSurface)の使い方
線と線の間を結んで面を作成することは、モデリングでは重要な操作である。
FreeCADにはSurfaceワークベンチやCurvesワークベンチなどの曲面をモデリングできるツールもあるが、単純に線や面の間をつなぐ程度のモデリングであれば、Partワークベンチの線織面(RuledSurface)ツールを使う方が簡単である。

線織面とは直線を連続的に移動させたときにできる曲面と説明されるが、2つの線の間を直線で連続的に結んでできる曲面である。

線織面は2本の線を選択し、ツールをクリックすると面を作成する。
・線は同一平面上でなくてもよい。(同一平面上ならただの平面になる。)
・線は連続線でも曲線でも構わない。ラセンのような3D曲線でも選択できる。

簡単に言えば、2つの立体的な線の間に面ができるだけである。

わかりやすいように立方体の面に作図して確認する。
線織面は、ソリッドのエッジの線も選択できる。

一番単純な例は、平面上の2本の線をつないで面にするパターンである。
実際のモデリングでも2本の直線の間に面を作って、加工して編集するパターンが多い。


線が3D空間でずれていても問題なくつながる。






直線と曲線、曲線と曲線でも面を作成できる。






連続線の場合は、一度に変換できない。連続線を構成する線をひとつずつ変換していく。





ラセンを使った例である。
3D曲線でも、複雑な形状でない限り面を作成できる。





建築の屋根の曲線も境界のラインが作図できれば、構成することができる。

完全に自由な曲面を作成するためには、Curvesワークベンチが必要になる。










■FaceBinderでソリッドの面を抽出する
 FaceBinderはソリッドから面を作成するツールである。ソリッドの面を選択しツールをクリックするとFaceBinderオブジェクトができる。

 このツールが必要なひとつの理由は、FreeCADでは、ソリッドの面を分割できないことにある。
 一般的な3DCADでは、ソリッドの面に線を引いて面を分割すると別々の面になり、それぞれ別に押出しなどの操作ができる。
 ところがFreeCADでは、面上に線を引いても面が分割されることはない。パラメトリックモデラーであるFreeCADは、パラメーターで変形できない不整形なソリッドができないようにコントロールしているのようにみえる。

 面を切断する代わりにFreeCADでは、ソリッドの面に作業平面を移動し、その面上でDraftやSketcherで断面形を作図する方法を採用している。
ただし、Partワークベンチには切断(Slice)ツールがあるので、面と線を作成することができれば切断できないわけではない。したがって作図に手間のかかる複雑な図形であれば、面を抽出して切断する方が簡単なこともある。

 FaceBinderのもうひとつの重要な機能が、ソリッドから複数の面をまとめて抽出することである。これにより面で構成された立体ができるので、厚みを付ければ箱やリング状の形を作成することができる。
 
FaceBinderのメリットは、作成した面(FaceBinderオブジェクト)は、もとの形状にリンクしているので、もとのソリッドを変形すると、FaceBinderの面の形状も変化することである。
Sketcherでもとの図形を外部リンクして位置関係を拘束した場合と同じ効果があるので、パラメトリック変形に対応することができる。

操作は面を選択し、FaceBinderツールをクリックするだけなので、特別なことは必要ない。

どの面でも、どんな組み合わせでも自由に取り出すことができる。

FaceBinderで抽出した面は、もとの面と同じ位置にできるので、押出しなどに使うにはそのままの位置で使用できる。
Sliceツールで面を分割することもできる。


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