操作ガイド10 3D:面と線の押出し(Extrude、Offset、Trimex)

断面や経路を使うことなく、モデルの面や線を直接押出すことの出来るツールがExtrudeとOffsetである。(トリムでも可能)

■Extrudeの使い方
Extrude(押出し)は、3Dソフトで立体を作成する時に最もよく使う機能であり、面を選択して押出しするだけなら、特に説明が必要なことはない。

FreeCADのExtrudeはオプションで押出し方向を変更できるので、いろいろな設定ができるが、基本は面を垂直方向に押出して立体を作成することに尽きる。



2Dの面または閉じたWire(sketchでも可)を選択し、Extrudeツールをクリックするとオプションが開く。

〇法線に沿って、〇エッジに沿って、〇カスタム方向が選択できる。
「法線に沿って」は、面に垂直な方向でこれが標準設定である。
「エッジに沿って」は、押出しの方向となる直線を指定する。
押出し長さを設定しなければ、エッジの長さで押出しする。
長さを入力すると、その設定が優先する。
「カスタム方向」は絶対座標のXYZ方向の比率を設定する。

長さは、順方向逆方向を一度に設定することもできる。
外側テーパ角度を入力すると、押出す側面に傾斜をつけることができる。
この時、下の「ソリッドを作成」がOFFになっていると、上下の面が作成されない。


線や閉じていないWireも押出して面を作成することができるが、データ上はソリッドとして扱われるので、面を対象とするツールでは編集できない。





Extrudeで作成したオブジェクトは、2D図形がベースオブジェクトになっているので、プロパティではLengthしか変更できない。
もとの平面は、ベースオブジェクトのプロパティに戻って編集する。




上面(XY)に2000x2000の長方形を作図し、Extrudeのオプションを確認する。
法線に沿っては、長さの順方向2000、逆方向1000とする。
エッジに沿っては、側面(XZ)に作図したLineをリンクする。
「選択」をクリックし、作業ウインドウでLineを選択すると、Lineがリンクされる。
順方向を2000に変更する。
カスタムはX1000、Y2000、Z2000とし、順方向を2000としている。
最後に、外側テーパ角度で30度に設定する。
順方向を1000に設定する。
以上の設定を作業ウインドウで確認することができる。









■オフセットの使い方
Draft Offset.svg オフセットの基本は、線を平行な位置に移動複写する機能である。
FreeCADには、通常のオフセットの他に2Dオフセットと3Dオフセットツールがある。

通常のオフセットはDraftとBIMワークベンチに入っている。

2Dの線を選択して、オフセット距離を入力すると、もとの図形と平行な図形を作成する。
コピーオプションで移動と複写の区別をする。
(閉じたWireをオフセットすると、作成される図形は面付きの閉じたWireになり、2Dオフセットと同じような動作になる。)


Draft Offset.svg 2Dオフセットは、BIMとPartワークベンチの中にある。

面または閉じたWireを選択し、オフセット距離を入力する。
接合の種類で「円弧」にするとコーナーが丸く面取りされる。
共通集合にすればもとの図形のままになる。

オフセットでも面を拡張できるが、コーナー処理できるところが2Dオフセットとの違いである。

Part Offset.svg 3DオフセットはPartワークベンチのツールである。
面を選択してからのオプションは2Dオフセットと同じであるが、3Dオフセットは面を垂直に押出して新しい面を作成する。
「オフセットを埋める」をONにすると、もとの面との間をふさいでソリッド形状を作成するので、Extrudeと同じような使い方ができる。

Extrudeと3Dオフセットは、もとの面の形状によって使用できる条件が違う。

閉じたWireと、四角形を2つ作図して、オフセットを試してみる。

閉じたWireを選択し、オフセットをクリックする。オフセット距離を300にすると、外側に閉じたWireができている。

面をオフセットした場合は、コピーをONにしないともとの形状は削除される。

面に2Dオフセットを使うと、新しい面ができる。接合の種類でコーナー部の形状を変更できる。

3Dオフセットは、面の垂直方向に新しい面を作成する。オフセットを埋めるをONにしているので、ソリッドになっているが、OFFの場合は、新しい面ができて2枚の面になる。



■トリムツールの押出しについて
その他にDraft Trimex.svg トリムツールで立体の面を押し出しすることができる。
トリムは本来は線を延伸短縮するためのツールであるが、FreeCADのトリムは立体の面を直接押出す機能がある。

立体の面を選択し、トリムツールをクリックすると、マウスの動きに合わせて面が前後に移動する。

移動量は、XYZの距離で指定していたが、v0.19.3からは、直接移動距離を入力できるようになっている。
押出した先で、スナップを使って既存の面や点に位置合わせするような使い方もできるので、簡単な押出しには便利なツールである。

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