概算数量 3.スケジュールツールの集計表を定義(RC造-3)

FreeCADで概算数量を集計するために
■スケジュールツールで集計表を定義する。
 前回まででモデル建物ができたので、重複部分を削除して数量を集計すれば、躯体の概算数量ができる。
 その前に正確な数値ではないが、この状態で数量の集計を作成して、正しく動作するか確認する。削除前であれば部材の形状が単純なので、簡単にチェックすることができる。
 削除後の数量と比較することもできるので、大きな間違いがないか確認することにも使える。


モデルは、階別にレベルオブジェクトの下層に入っており、さらに、部材別にグループ化してある。

今回のモデルでは、柱オブジェクトと梁グループが同じ階層に入っていたりして、少し見通しの悪いところがある。もう少しきれいに階層分けすれば、集計が容易になるが、今回はこのままで進める。


スケジュールツールで集計条件を設定するためには、各オブジェクトの内部名が必要となる。ただし、「スケジュール定義」の下欄のAddSelectionをクリックすれば、オブジェクトの内部名を自動的に記入できるので、内部名を調べる必要はない。

集計する要素は次の通りとする。
基礎:BsF1基礎
柱: 各階Column
大梁:各階G1
小梁:各階B1、B2
床: 各階Slab
壁: 各階外壁、内壁001

梁は、大梁と小梁を分けているが、梁グループを作成して、その中に大梁、小梁のグループを入れれば一度にまとめて集計できる。
壁は、外壁と内壁にグループ分けしてあるので、別々に集計する。内壁002はボード壁を想定しているので、今回の集計には含めない。

リストが長くなるので、1F床まで、1F見上げ、2F見上げで分割する。


アーチSchedule.svg スケジュールツールをクリックして定義の内訳を出して、条件を入力する。
スケジュール名を「基礎」に変更する。
行を追加をクリックして、入力行をつくる。

「説明」は集計する部材名を入れる。

「プロパティ」は、すべて体積を集計するので、object.Shape.Volumeでよい。

「単位」はm3と入力する。
単位が間違っていても(スペースや全角など)エラーになる。

「オブジェクト」は集計対象のグループまたはオブジェクトの内部名を入れるが、わからないので、該当欄をクリックして、次にモデルタブで該当するグループをクリック、最後にAddSelectionをクリックすると、オブジェクト欄に内部名が自動的に記入される。

①一番上の基礎の場合、基礎の横のオブジェクト欄(空欄)をクリックする。
②モデルタブで、BsF1基礎をクリックする。
③AddSelectionをクリックする。
④オブジェクト欄にStructure010が自動的に入る。

基礎はグループでなく、構造体オブジェクトなので内部名も構造体の名前が入っている。

□スプレッドシートに関連付けをONにすると、スケジュールオブジェクトの下層にResultができる。
□詳細な結果がOFFの場合は、個別リストは表示しないで、集計結果だけを表示する。

1F見上げ、2F見上げについても同様にして作成する。


記入にエラーがあると、モデルタブの最後のスケジュールオブジェクトの下層にResultができないので、その場合は記入に間違いがないか確認する。





それぞれのResultをダブルクリックして、内容を確認する。

基礎は、2.0x2.0x0.8x12=38.4

基礎柱は0.6x0.6x1.2x12=5.184

1FG1は0.4x1.2x(16x3+12x4)=46.08

1FSlab16.6x12.6x0.2=41.832である。

1F柱と2階柱は、0.6x0.6x3.6x12=15.552

2RG1とRFG1は、0.35x0.7x(16x3+12x4)=23.52


RFSlabは1Fと同じ、2FSlabは階段吹抜けがあるので、少し少なくなっている。

壁は窓や内壁に違いがあるので、ここでは判断できない。

構造体の体積は、この集計でよさそうである。





鉄骨造のように部材長さが必要な場合を検討してみる。

今回のモデルは柱梁の高さと長さを階高と、通り芯に合わせているので、そのまま長さを集計すれば、概算の部材長さを計算できる。

柱は、object.Heightで、高さを抽出する。

梁は、object.Lengthで、長さを抽出する。

単位はm。

オブジェクト欄をモデルタブを使ってリンクすることは同じ。





柱は、3.6mと1本だけの長さになっている。軸システムを使って複製した場合は、長さの集計には反映されないようなので、後で本数分を掛けて延長を計算する必要がある。

大梁は、2F、RFとも16x3+12x4=96

小梁は、起点終点位置が通り芯にあっていない箇所があるので、通り芯距離の合計より少し大きくなっている。

長さについても、正しく集計されている。

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