11.03図面からモデリング 住宅2-1

2番目のモデルは、林の中の別荘を作る。

壁形式の1階ボリュームの上に鉄骨ガラスフレームを載せ、さらに回転させている。

これまでに練習しているモデリングとの相違点はそれほど多くはない。
1階は2種類の壁を組み合わせて、ブロック壁、一般壁、内側の壁を使い分ける。
2階はガラス窓から見える内部の階段や天井デッキプレートを作成する。

1階と2階を作成し回転して合成するだけと考えていたが、回転移動するとオブジェクトの一部がずれてしまう現象が起こったので、戻すのに少し手間取った。

2022/9/6追記)
 最初にこの記事を書いた時は、平面で傾いたグリッドを水平に向ける方法がわからなかったので、以下の記事では1階と2階を別の場所に作図し回転して合成している。
 しかし実際には、傾いたグリッドで作業するために、長方形を作図し斜めに回転した上で、その長方形を選択して作業平面を移動するとグリッドが斜めに傾く。そのときに、9(WorkingPlaneView:メニュー>utils)のキーを押すと、グリッドが水平に表示されるので、通常の操作ができるようになる。(Placementの移動は絶対座標なので、グリッドの方向は反映されない。) 戻す場合は、2を押して上面ビューにして、さらに9を押せば通常の表示になる。
 したがって、1階2階の図を重ねて作図し、回転による合成を使わない方がモデル作成が簡単になる。



(2024/05/15追記)
 以下の説明では、画像の貼り込みと拡大縮小はImageワークベンチのツールを使っているが、FreeCADv0.21では、Imageワークベンチが見当たらなくなっている。
 ツールメニューの中に画像CreateImagePlane.svg画像を読込みツールがあるが、新しタブができるだけで、作業中のタブに直接読み込むことができない。
 対策としては、作業中のタブに画像を貼り付けるには、ファイルメニューのインポートを使い、ファイルの種類をImage formatsにして、画像を挿入する方法が使用できる。
画像の移動、拡大縮小には、Placementプロパティで数値入力するか、移動ツール、スケールツールを使用する。





■壁芯と梁芯図を作成する
今回のモデルでは傾いた通り芯が複数あって、しかも外壁の高さが均一ではないので、Sketcherで図面から軸線をトレースし、それを下書きにして部品のベースオブジェクトを作図して立ち上げていく。

1階と2階の画像は、それぞれの軸が水平垂直になるように調整しておく。それぞれの階のモデルを作成し、完成後にどちらかを回転させて合成することにする。

図面は、1回目と同じようにImageワークベンチを使って画像CreateImagePlane.svg ImagePlane作成で読み込んだ上で、Image Scaling.svg 画像スケーリングを使ってスケールを調整する。

1階の画像の位置をずらしてから、2階の画像を読込みする。

各階の高さは、断面図から想定する。
1F=GL±0として、2F梁天端=3900(床にH300の梁2段)、RF梁天端=6900(階高3000、梁H300)、RF床200+立上り950とする。

Arch Floor.svg レベル作成ツールを3回クリックして、floorオブジェクトを作成し、名前を1F0.0、2F3.9、RF6.9、それぞれのPlacementのZ値を0、3900、6900に設定する。

1F0.0をダブルクリックして作業平面を移動する。
1階は、外周の壁芯、内部の壁芯、2階の梁芯、2階ベランダと階段の梁芯をトレースする。
Sketcherで作図し、距離拘束で位置を固定する。

左上の12.2mと8000mmは、基準ラインからの距離で位置を固定した。これにより1階の軸線が完全固定の緑色の線になった。


2F3.9をダブルクリックして作業平面を移動する。
2階は梁芯の位置と内部の壁芯、階段の位置をSketcherで作図し、距離拘束で位置を固定する。


■2階の鉄骨メインフレームを作成する
2階の壁芯図を使って、鉄骨フレームを作成する。

1F0.0をダブルクリックして作業平面を移動する。
柱ツールのオプションで、柱を300x300、高さ3900にする。
1階の4本の柱を配置する。柱は1cグループを作成し、その中に移動する。

2F3.9をダブルクリックして作業平面を移動する。
2階の床梁を作成する。

梁ツールをクリックし、カテゴリとプリセットからH150x300を選択する。
(プリセットがない場合は、プリセット情報ファイルに追記すると利用できるようになるので、BIM柱ツールの使い方の記事を参考にする。)
各通りに梁を配置し、梁の高さは中心合わせになっているので、Placementで下方向に150(300/2)だけ下げる。
平面の4隅が重なるように、梁の長さと位置を調整する。
2階の梁は、2gグループを作成し、その中に移動する。

2階柱を作成するために、柱ツールのオプションで150x150、高さ2700に変更する。
2階の10本の柱を配置する。柱は2cグループを作成し、その中に移動する。

RF6.9をダブルクリックして作業平面を移動する。
RFの床梁を作成する。

梁ツールをクリックし、カテゴリとプリセットからH150x300を選択する。
各通りに梁を配置し、梁の高さは中心合わせになっているので、Placementで下方向に150(300/2)だけ下げる。
RFの梁は、rgグループを作成し、その中に移動する。


■斜め梁(ブレース)を作成する。
斜め材を作成するために、2F柱の面を選択し、作業平面を移動する。

2点指示で作成したいので、梁ツールを使う。
梁ツールのオフセットで、カテゴリなし、プリセットなしで、150x150と設定する。
2F梁とRF梁の中心を指定して斜め梁を配置する。

上下の梁に入っている部分を切取るために、長方形を作図する。

切取用長方形をExtrudeで押出し。(前後に300)
梁とExtrudeを選択し、Cutツールを使って、不要部分を切取りする。
さらに斜め梁をPlacementで75移動して、梁芯の位置を合わせる。
他の3か所の斜め梁を同様にして作成する。
できた斜め梁は、2cグループの中に移動する。


■屋根スラブ、立上りを作成する
RF6.9をダブルクリックして作業平面を移動する。

屋根面のデッキプレートを作成するために、壁芯図をガイドにして、4隅の交点を結ぶ長方形を作図する。
長方形を選択し、パネルツールをクリックして、パネルに変換する。
パネルのプロパティで、typeをTrapezoidal(デッキタイプ)、板厚2、波高さ50、波長さ(ピッチ)100とすると、デッキプレートができる。

屋根の周辺の立上り壁を作成する。
4辺に幅200の長方形を作図する。妻側はRF梁幅より25mmずつ大きくなるように位置と長さを調整する。

長辺2辺はExtrudeで200押出し、選択してスラブツールをクリックして変換する。
妻側は、Extrudeで4450(2F梁300+階高3000+RFスラブ200+立上げ950)押出し、選択してスラブツールをクリックして変換する。
妻側はPlacementで2F梁下まで3300下げる。

立上り壁の内側に床スラブ範囲を長方形で作図し、床ツールでスラブに変換する。
スラブの厚さを100に変更する。
長方形をスラブに変換したので、上方向に作成されている。Placementで50mm上げてデッキプレート分だけ移動する。

ここまでの操作でできたパネルと立上り壁と床を、rsグループを作成して、その中に移動する。

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