入門ガイド1.4 標準設定と表示、ビューと作業平面の種類と使い方

■標準設定
 メニューバーの編集で、プルダウンメニューの最下段の[設定]をクリックすると、設定のウインドウが開くので、ここで標準的な条件を設定することができます。

 各ツールのオプションやプロパティで設定した場合には、標準設定には保存されないので毎回設定することが必要になります。




1. 標準> 標準> 言語で 日本語を選択すると、メニューやプロパティ、ツールの説明などの対応している部分を日本語表示にすることができます。

2. 標準> 標準> 起動で 起動後に自動ロードされるモジュールを BIMに変更します。

3. 標準> ドキュメント> 標準で □起動時に新しいドキュメントを作成をONにします。(毎回新規作成をしなくても、作業を開始できます。)

4. 標準> 選択範囲> □対応するオブジェクトが3Dビューで選択された場合にツリーアイテムを自動的に展開をONにします。

5. 標準> 単位> 単位で単位を設定します。
単位の設定の単位系を 標準(mm/kg/s/度)にします。小数点以下桁数は、0または1。

6. Draft> グリッドとスナップ> 作業平面のグリッド間隔を100mmにします。(建築用)

7. Arch> 全般的な設定> オブジェクトの作成で □壁の自動結合はONにします。
  □可能な場合には壁のベーススケッチを結合はOFFにします。
 (壁は結合したように見えますが、それぞれの壁を区別することができます。)

8. Sketcher> 標準> Sketcherで 
  グリッドの表示はON、 グリッドサイズは100mm、 グリッドにスナップはON

9. 表示> 色> 背景色で 作業ウインドウの色を変えることもできます。



■ビューと表示スタイル
 ビューとは、作業ウインドウでモデルを見る方向です。
3Dでモデリングするためには、いろいろな角度でモデルを確認しながら作業を進める必要があります。
マウスの中央ボタン+左または右ボタンで、画面を回転することはできます(任意の方向から立体的に見るので3Dビューという)が、標準の方向から見る場合は、ツールバーのアイコンで、前後上下左右の方向を選択します。
Std ViewIsometric.svg は、アイソメで45度方向からの等角投影図です。

全体表示や表示スタイルの変更もできます。
全体表示は、Std ViewFitAll.svg です。
v.0.19までは、全体表示はグリッドを含めていたが、v.0.20からはオブジェクトだけを対象とするように変更された。
選択したオブジェクトの表示は、Std ViewFitSelection.svg です。

表示スタイルの変更はStd DrawStyleAsIs.svg▼ です。
表示スタイルは、3Dビューの面と線の表示方法をコントロールします。横の▼でプルダウンメニューを出して変更できます。

デフォルトは V,1「そのまま」ですが、線だけの表示にしたり、線を隠して面だけの表示にすることができます。

V,3「ワイヤーフレーム」は、面は表示されないので面を選択することはできませんが、面の後ろに隠れている要素を選択するときに便利です。


■作業平面 グリッド
 BIMワークベンチとArch、Draftワークベンチのツールバーには、作業平面のアイコン ドラフトトレイボタンplane.png があります。
 作業平面(Working Plane)は、モデリングのベースになる図形を作図、編集する平面です。作業ウインドウでグリッドが表示されている面です。
2DCADは平面上で作図しているので、指定するポイントが前後にずれることはありませんが、3Dでは作業平面がないと、指定したポイントが別のビューで見ると、まったく別の場所にずれていることがあります。

 面を選択していない状態で、ドラフトトレイボタンplane.png をクリックすると、タスクバーが作業平面の選択画面に変わるので、ここで作業する平面を選択します。
この上面、前面、側面は基準点(0,0,0)を通る基準平面です。

 ビューと作業平面は上面、前面、側面と同じ表現を使うので混同するかもしれませんが、ビューは見る方向、作業平面は操作する平面ということで、まったく別の機能です。

面を選択してから、ドラフトトレイボタンplane.png をクリックすると、選択した面に作業平面が移動します。この場合は、基準の平面ではなく実際に選択している面が作業平面になります。
アイコンの表示は「色の編集」と間違っていますが、「ビュー方向へ調整」(Custom)が正しい表示です。
これについても、v.0.20で「カスタム設定」という表示に修正された。

作業平面に関しては、他にも重要な機能があります。
メニューバーUtilsのプルダウンメニューにドラフトWorkingPlaneProxy.svg create Working Plane proxyというツールがあります。同じものが、Draftワークベンチと、BIMツールバーのBIM Views.png 表示マネージャーをクリックしたときに左下に表示されるボックス下部にもあります。

ドラフトWorkingPlaneProxy.svg create Working Plane proxyをクリックすると、モデルタブにWPproxyオブジェクトが作成されます。
WPproxyは作成されたときの、作業平面、オブジェクトの表示状態、視線方向を保存します。つまり、ダブルクリックすると、いつでも決まった方向からの表示状態に戻ることができるということです。
さらに、作業平面はPlacementで移動することもできます。
モデリングするときに、同じ見え方の画面で作業平面の位置だけ変えて作業したい時に最適のツールです。



 3Dパーツを作成するPartワークベンチやPartDesignワークベンチには作業平面のアイコンがありません。
 これらのワークベンチでは、プリミティブという基本形状を配置するか、DraftまたはSketcherで2Dのベースオブジェクトを作成して立体化します。

 プリミティブは、基準点(0,0,0)にXYZ軸に沿って生成されるので、位置がずれることはありません。
 Draftワークベンチは、上の方法で作業平面を決定します。
 Sketcherは面を選択していない場合は、作図前に必ず作業平面を確認してくるので、面を決めないで作図することはありません。

 PartワークベンチやPartDesignワークベンチでは、最初のオブジェクトを作成すると、そのオブジェクトを基準にして作業するので、作業平面のグリッドを表示しなくても操作することができます。
 作業平面を常に意識しているのは、建築モデリングの特徴かもしれません。建築では、オブジェクトを別の場所に移動複写することを繰り返すので、移動方向を把握しておかないとすぐにモデルが崩れてしまいます。

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