入門ガイド1.3 データには操作履歴が残り、プロパティを変更できる

■オブジェクトの階層構造
 FreeCADのデータは操作の履歴が残る階層構造になっています。
実際のデータでその構造を確認してみます。
(このデータ構造はDraftとPartワークベンチのツールを使う場合のデータです。Part Designワークベンチの場合は、少し並ぶ順序が違いますが、同じように操作の履歴が残ります。)


まず、①Rectangleで四角形を作図します。

②RectangleをExtrudeで押出して立体にします。 

③できたExtrudeを2回複写して、Extrude001とExtrude002を作成します。
(ExtrudeのベースになったRectangleは同じものが使われているので、Rectangleの形状を変更すると、Extrude、Extrude001、Extrude002のすべてに変更が反映されます。)

④Rectangle002をArrayで配列複写(X2回、Y3回)します。


形状を変更したり、モデルが増えるたびに新しいオブジェクトができて、そのオブジェクトのベースになった古いオブジェクトは下層に移動していきます。

ひとつのオブジェクトに対して操作を続けると新しい階層が追加されていきます。分離したオブジェクトを作成すると、別のオブジェクトが作成されますが、ベースが同じであれば同じオブジェクトが下層にコピーされます。

操作は、下層から上層へ、上のオブジェクトから下のオブジェクトへと流れていきます。



■オブジェクトのプロパティ(属性)
 FreeCADのデータ(オブジェクト)にはいくつか種類があることは、ソリッドモデルのところで書きましたが、プロパティの構造からその違いを見ていきます。

FreeCADのオブジェクトは、基本的にはWireとFaceとSolidに分類されます。

線のデータの基本はWireです。Edge、Lineというオブジェクト名になることもありますが、それは操作ツールの名前です。
面はFaceです。Rectangle、polygonなども操作ツールの名前です。
立体のSolidも作成方法によっていろいろなオブジェクト名が付きます。
Solidを建築オブジェクトに変換すると、部材の名前が付きます。

基本的な形状(プリミティブ)を直接作成する場合と、ベースになる形状を操作してFaceやSolidを作成する場合でプロパティが違うので、形状を変更するためのパラメーターの位置が違ってきます。

  Line       Rectangle     立方体        Extrude

Lineは、始点終点の座標または長さで形状を変更できます。
Rectangleも幅と高さを変更できます。
プリミティブ立方体は、ベースオブジェクトがないので、縦横高さを直接プロパティで変更できます。

Extrudeは、四角形Rectangleをベースオブジェクトにしているので、プロパティでは高さだけ変更が可能です。断面形状はRectangleのプロパティに戻って変更します。

Placementプロパティは、オブジェクトの位置を設定、変更することができます。
ただし、オブジェクトにベースオブジェクトがある場合は、まずベースオブジェクトの位置があり、その位置に対する相対座標が自動的に設定されます。


上の例のExtrudeは、ベースオブジェクトのRectangle004を押出して立体化しています。
Rectangle004の位置は(-1600,-4000,0)と絶対座標になっていますが、Extrudeの位置は(0,0,0)となっており、ベースオブジェクトとの相対座標が設定されています。

コメント

このブログの人気の投稿

はじめに FreeCADでBIMはできるのか(2022/8/8追記)

オブジェクトを着色する(3) パースのレンダリングに挑戦