入門ガイド1.2 インストールとBIMで使うワークベンチの種類を知る
■インストールとアドオンマネージャー
FreeCADはネット上のホームページからダウンロードすることができます。
ダウンロードしたファイルをダブルクリックすれば、インストールすることができるので、特に難しいことはありません。
BIMワークベンチは標準では装備されていないので追加します。
FreeCADv1.0.0からはBIMワークベンチが標準で装備されたので、アドオンマネージャーで追加する必要はありません。
メニューバーのツールをクリックし、アドオンマネージャーをクリックすると、ワークベンチ選択の窓が開きます。BIMを選択し「選択をインストール/更新する」をクリックします。
ツールバーの中に [→Start ] というアイコンがあるので、クリックするとワークベンチのプルダウンメニューが出るので、その中からBIMをクリックすればBIMワークベンチに切り替わります。
■画面の構成
FreeCADの画面構成です。
- 上部に、メニューバーとツールバーがあります。ツールバーの中にワークベンチを切替えるためのアイコンも含まれています。
ツールはいくつかのツールバーに分かれていて、ドラッグすれば位置を変更することもできます。
メニューバーの表示メニューまたは右クリックで表示状態を変えることができます。 - 左側はコンボボックスです。
・モデルタブでデータの階層構造を表示します。ここでオブジェクトを選択することができます。
・タスクタブで操作中の操作ガイドとオプションの設定ができます。
(ツールを選択すると、オプションが必要な場合には自動的に表示が切り替わります。)
・ビュータブで作業ウインドウでのオブジェクトの表示状態の設定、変更ができます。
・データタブでオブジェクトのプロパティを設定、変更できます。
(ビュータブとデータタブは自動的に切り替わることがないので、必要な時に切り換えてパラメーターを確認します。) - 下段は、レポートビューとステイタスバーで作業中のコメントなどを表示します。
■ワークベンチ
ワークベンチは、FreeCADの多数のツールの中から特定の作業のためのツールを集めたツール群です。標準でも20以上のワークベンチが登録されていますが、アドオンマネージャーで追加することもできます。
FreeCADは機械系に強いCADなので機械設計関係のワークベンチが多数あります。建築ではBIMワークベンチを使います。BIMワークベンチは建築モデル作成に必要なワークベンチと追加のツールをまとめた特別なワークベンチを構成しています。
BIMワークベンチに含まれているワークベンチとツールは、次のようなものです。
- 建築ワークベンチ Archは、建築要素を操作します。BIMツールも含みます。(V1.0.0から、ArchワークベンチはBIMワークベンチに統合されました。)
- 2D作図ツール Draftは、2Dツールで、2Dおよび3DCADの基本となる作図機能を提供します。
- Sketcherワークベンチへの切り替えアイコンもあります。
Sketcherは、拘束条件を使って制約のあるスケッチを作成、操作します。 - 3D作成ツール Partは、CADパーツを作成、操作します。
(BIMに含まれていないツールも多数あるので、Partワークベンチに切り替えて操作することもあります。) - 図面作成ツール Techdrawは、3Dモデルから2Dの図面を作成します。
(寸法、注釈ツールはBIMに含まれていないので、Techdrawワークベンチで操作します。)
ほとんどの作業はBIMワークベンチで可能ですが、各ワークベンチのすべてのツールが含まれているわけではないので、特別な操作はそれぞれのワークベンチに切り換えて操作することも必要です。
BIMワークベンチには含まれていませんが、モデリングの方法によっては、次のワークベンチを切替えながら使うこともあります。
- Part Designは、Sketcherで作成したスケッチからパーツ形状を作成、操作します。
Partワークベンチよりも先進的なツールで、効率的にパーツを作成することができますが、ボディという特別なオブジェクトの中でパーツを操作し、ひとつのボディにはひとつのソリッドを作成するという条件があるので、建築モデリングでは使いにくい部分はあります。
- Spreadsheetは、スプレッドシートデータを作成、操作します。モデルから数値データを抽出するだけでなく、モデルのプロパティとリンクして、形状を操作することもできます。
- Surfaceは、サーフェスを作成および変更するためのツールを提供します。これにより、自由曲面のモデリングができます。
アドオンマネージャーで追加できるワークベンチにはCurvesというワークベンチがあり、スプライン曲線を使ったモデリングも可能になるようです。
これ以外にも建築で使えそうなものには次のワークベンチがあります。
- FEMは、有限要素解析(FEA)ワークフローを提供します。
- Imageはビットマップ画像を操作します。
- Mesh三角形メッシュを操作します。
- Raytracingレイトレーシング(レンダリング)を操作します。
現在は、レイトレーシング ワークベンチは基本的に廃止されて、その代替としてレンダーワークベンチが開発されています。アドオンマネージャーでインストールすることができます。
その他の機械系のワークベンチのツールでもワークベンチを切替えて使うことができます。
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