08.6BIMカーテンウォールとスタッド、胴縁、ルーバーの作り方

■カーテンウォール(帳壁)ツール

 ベース面を四角形の面に分割し、垂直マリオン、水平マリオンを作成し、マリオン間のスペースをパネルで埋めることによってカーテンウォールを作成する。(不規則な曲面の場合は三角形に分割され、対角マリオンを作成することもある。)
 パネル厚さを0にして、フレームだけ表示することもできるので、スタッド壁の下地部材として使用することもできる。

その他に、同じ断面形状の部材を面に均等に割り付けることができるので、ルーバーやガラリ、格子、グレーチングなどにも応用ができる。


カーテンウォールツールを適用して最初にできる形は、分割数1の単純な四角形になるので、プロパティでマリオンの数と形状を調整する必要がある。

マリオンは、数を指定し均等割りする。ピッチを指定する、あるいは片側から割り付ける方法はプロパティには準備されていない。


使用法
ゼロから作成する方法は、壁ツールと同様に2点を指定し、その線をベースラインとしてカーテンウォール(帳壁)を作成する。

線、円弧、ポリライン、スプラインなどの線形オブジェクトから作成することもできる。
ベースラインになるオブジェクトを選択し、カーテンウォールツールをクリックすると、カーテンウォールになる。

面に対しては、壁ツールのように押出してオブジェクトを作成するのではなく、その面を四角形のカーテンウォールとして分割する。不規則な多角形、円形などは外接する四角形を作成して分割する。

連続線で作図した多角形は四角形に変換して分割するが、線織面ツールやFaceBinderツールで作成した面は、その形状のままで分割する。

複数の面のある立体図形の場合は、各面をカーテンウォールに変換する。


オプション
・カーテンウォールは、Archコンポーネントに共通のプロパティと動作を共有する。

・カーテンウォールマリオンは、自動正方形で、マリオンサイズプロパティで変更できる。ただし、プロパティでマリオンプロファイルを設定すると、マリオン形状はプロファイルの設定が優先する。
マリオンは、各エッジの中央に配置されるが、カスタムプロファイルを設定し、[中心プロファイル]プロパティをオフにすることで(0,0,0)点を基準にして配置することもできる。たとえば、プロファイルをパネルの少し後ろに配置する場合は、そのプロファイルを(0,0,0)原点の少し下に作図する。

・カーテンウォールにマルチマテリアルを適用すると、フレームレイヤーがマリオンに使用され、ガラスパネルレイヤーがパネルに使用される。ガラスパネルレイヤーが存在しない場合は、ソリッドパネルが使用される。


プロパティ

カーテンウォールは、アーチコンポーネントオブジェクトのプロパティを継承する。
次の追加プロパティ形状も調整できる
  • センタープロファイル:プロファイルを使う場合にエッジの中央に配置するかどうか
  • 対角マリオン数:対角マリオンの数(自動入力)
  • 対角マリオンプロファイル:対角マリオンがある場合はそのプロファイル
  • 対角マリオンサイズ:プロファイルがない場合の対角マリオンのサイズ
  • 高さ:線形オブジェクトに基づいている場合の、このカーテンウォールの高さ
  • 水平マリオンの位置合わせ:水平マリオンのプロファイルが表面と位置合わせされているかどうか
  • 水平マリオンの高さ:プロファイルがない場合の水平マリオンの高さ
  • 水平マリオン数:水平マリオンの数(自動入力)
  • 水平マリオンプロファイル:水平マリオンのプロファイル
  • 水平マリオン幅:プロファイルが使用されていない場合の水平マリオンの幅
  • 水平断面:このカーテンウォールの水平断面の数
  • ホスト:このカーテンウォールのホスト。カーテンウォールは、ツリービューのホストオブジェクトに埋め込まれて表示される。
  • パネル数:パネル数(自動入力)
  • パネルの厚さ:パネルの厚さ。0にすると非表示になる。
  • データの絞り込み:コンポーネント間で減算を実行して、重複しないようにする
  • スワップ水平垂直:水平線と垂直線を交換する
  • 垂直方向:このオブジェクトが垂直/水平方向を推定するために使用する垂直方向参照
  • 垂直マリオンの位置合わせ:垂直マリオンのプロファイルが表面と位置合わせされているかどうか
  • 垂直マリオンの高さ:プロファイルがない場合の垂直マリオンの高さ
  • 垂直マリオン数:垂直マリオンの数(自動入力)
  • 垂直マリオンプロファイル:垂直マリオンのプロファイル
  • 垂直マリオン幅:プロファイルがない場合の垂直マリオンの幅
  • 垂直断面:このカーテンウォールの垂直断面の数

フレーム壁を作る】
カーテンウォールは、壁と組み合わせてフレーム壁(木製または金属のフレームで内側の構造層が作られている壁)を作成できる。

以下の手順で作成する。
1. 2点をクリックして、通常のアーチ壁を作成する。

2. アーチ壁のベースラインを選択し、カーテンウォールツールをクリックして、壁と同じベースラインからカーテンウォールを作成する。

・壁とカーテンウォールの両方の高さが同じであることを確認する。
(ここで壁オブジェクトは非表示にして、カーテンウォールだけが見えるようにする)

・垂直フレームのみが必要な場合は、カーテンウォールの水平セクションの数をゼロにする。
 マリオンの数を入力し、適当なピッチになるように調整する。
・パネル厚さを0にして、フレームだけを表示する。


・目的の垂直マリオンの幅と高さを設定する。(木軸の場合はこれで作成できる。)

 型鋼の場合は、マリオンプロファイルを作図し、プロファイルプロパティに設定する。マリオンの形状は、Sketcherで(0,0)を中心に作図しておけば、位置を移動するのも簡単である。SketchをWireに変換し、垂直プロファイにWireを設定する。Sketchのままではプロファイルとして使えない。


3. マルチマテリアルを作成する。
(マルチマテリアルを設定する前に、材料別のマテリアルを作成すれば各部材にそれぞれのマテリアル属性を付加できるが、単にボードと軸のスペースを割り当てるだけであれば、マテリアルの登録なしでもマルチマテリアルは設定できる。)

・マテリアル作成ツールをクリックして、モデルタブにマテリアルオブジェクトを作成する。
 Materialsと、下層にMaterialができている。

・再度、マルチマテリアル作成ツールをクリック、「新しい複合マテリアルを作成」をクリックして、複合マテリアルの定義メニューに移動する。

・ボード + 軸 + ボードの3層のマルチマテリアルを作る。
 追加をクリックし、名前、マテリアル、厚みをダブルクリックして入力する。

 名前は新規...のままでよい。マテリアルはプルダウンからMaterial。
 厚みは、ボードは25、軸は-100(軸の部材の幅)、ボードは25として、3層を定義して戻ると、モデルタブMaterialsの下層にMultiMaterialができている。
(軸の厚さを-100とすると、マイナスは中空の層厚さを設定できる。)

マテリアルの設定は、後で変更できるので、今の段階では各層の厚さだけを設定する。

4. 壁オブジェクトを表示に戻し、マテリアルプロパティでMultiMaterialに設定する。
 これで、カーテンウォールで作成した軸組が壁の中に表示される。

5. カーテンウォールのHostプロパティを、最初に作成した壁に設定する。
カーテンウォール(帳壁)が壁オブジェクトの下層に移動する。



【その他の設定例】
バックマリオン付きのカーテンウォール、コンクリートルーバー
 Sketcherで断面を作図し、プロファイルを設定する。(0,0)との位置関係に注意する。


格子、ガラリ
 単純な断面であれば、マリオン幅長さの調整で作成できる。複雑な形状はプロファイルを作成する。


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