07.8RC造BIMモデリング 外部建具 Sketcherで作成
FreeCADで建具を作るもう一つの方法は、Sketcherで下図を作成する方法である。
この方法なら自由に形を作ることができて、複雑な構成のものでも一度に作成できるので、非常に便利なように見えるのだが、実際に使ってみると設定や作り直しの手間がかかり、これだけで全体を作成するのは効率的ではない。
■Sketcherで建具を作成する
Sketchを建具に変換するために、どれだけ手間がかかるのか、前回プリセットで作成した窓を作成しながら操作方法を確認する。
建具を配置する面を表示し、作業平面を移動することはいつもと同じである。
スケッチ作成をクリックしてSketcherに移動する。
枠の作り方はいろいろ考えられるが、今回は縦材の見え方が同じになるようにブロックに分けて合成する。
長方形と直線ツールで、枠、扉、ランマ窓などを作図し、水平垂直拘束で寸法を固定する。
右のFixedとランマ部分を配列複写で横にコピーする。
複写回数は5回、垂直水平方向を等間隔をONにする。
(拘束で元図の寸法を固定しておかないと、複写したときに形が崩れることがある。)
配列複写の条件を決めOKをクリックすると、ビューにガイドラインがでるので水平方向に引き出し長さ1000以上、角度は0に近い数字になるところでクリックして決定する。
配列複写の最初の部分を拡大すると、角度と距離が表示されているので、ダブルクリックして正しい数値に変更する。(角度は0、距離は窓幅925)
右側の窓が合成されて連続窓になる。(配列複写では個々の窓を選択することはできない。)
窓の位置を柱端部に合わせ、右の連続窓を扉の枠上端部に合わせる。
合わせたい点を選択し、一致拘束をクリックすると、図が自動的に移動する。
BIMに戻るとSketchができているので選択し、窓作成ツールをクリックするとウインドウに変換される。
この状態では、建具の奥行が設定されていない。
データタブのウインドウをダブルクリックして内訳を出す。
コンポーネントのDefaultはツールが自動的に閉じたWireを見つけて作成した要素で、一番外側のWireとその内側のWireで図形を作っている。
Defaultを選択し、編集をクリックすると下段にコンポーネントの内容が出るので、名前はそのままにして(名前を変更すると別のコンポーネントとして登録される)、厚みを100、オフセットを50に変更する。
閉じるでBIMに戻ると、枠に奥行ができているが、壁の切抜きはできていなので、データタブのHostsで背後の壁をリンクすると、壁の切抜きができる。
扉のコンポーネントを登録するために、追加をクリックして内訳を出す。
名前とタイプ、ワイヤー、厚み、オフセットを入力し、コンポーネントを作成/更新をクリックすれば登録できる。
窓も同様に追加で登録する。
窓をまとめて一度に登録することはできないので、窓の数だけ登録を繰り返す。
ガラスも同様に追加で登録する。
ガラスもその数だけ登録を繰り返す。タイプはGlass panelにする。
ここまでの操作で、モデルができるはずであるが、拡大してみると形状は正しく作成されているが、材質の設定におかしなところがある。
コンポーネントの登録の順序を変えたり、一部を削除したりするとまた違う結果になるので、コントロールできない。
今後形を変更することがないなら、ダウングレードでsolidに変換し、ガラス部分だけ色と透明度の設定をするという方法もあるが実用的ではない。
以上のように窓が複雑になると、コンポーネントを登録する手間が大きくなることとガラスの制御が難しいことを考えると、大きな窓をSketcherだけで作成するのはあまり効率的ではない。
対策として考えられるのは、窓をいくつかの部品に分けて部品を合成する形で全体を構成する方法である。プリセットとその変形で作成できるものはプリセットを使い、できない部分だけをSketcherで作成して合成する方法である。
Sketcherで作成した部品を合成する方法は次のようになる。
最初のスケッチで扉部分を作成する。
全体を一度に作図するより、登録の手間が少なく、ガラスの制御も簡単である。
プリセットで作成できないものだけSketcherを使うことにすれば、操作はもっと簡単になる。
コメント