07.10RC造BIMモデリング ベランダ手摺の作成例

 最後にベランダの手摺を作成する。

手摺は自動的にモデルを作成するツールがないので、個別に作成することになる。Sketcherで作成した下図を使えば編集作業が比較的容易になる。通り芯のリンクで拘束しておけば多少の変形なら対応できるかもしれない。


■手摺の作成
笠木と支柱、手摺子で構成された手摺は、次の方法で作成できる。
1.部材断面を作図し、ExtrudeやSweepで押出して部材を作成する。
または、中心線を作図しPipeかframeまたは壁ツールで円形や長方形断面に変換する。
2.部材を移動、複写、配列複写で並べていく。

以前に書いた「らせん階段」のブログの中でも、いくつかのパターンを作成している。

今回は、ガラスパネルタイプの手摺を作成してみる。
部材を作成した後は、配列複写(Array)で並べるだけなので、手摺子タイプと違いはない。

モデルでは1Fと2Fに共通の手摺があるので、2Fで作成する。
2F平面を表示し、Sketcherに移動する。

ベランダ床を作成する。
通り芯を外部リンクして、床の範囲を通り芯との距離で拘束する。床範囲は連続線ツールで時計回りに作図し、BIMに戻って床ツールでSlabに変換する。厚さは標準の200のまま。
(床ツールで下方向に押出しすることになる。)

手摺脚部の床立上りを作成するために、Sketcherで壁中心線を作図し、拘束で位置を固定する。
BIMに戻り、スケッチを壁ツールで壁に変換、厚さ200、高さ100とする

手摺の笠木を作成するために、Sketcherで手摺の位置を作図し、位置を固定する。
BIMに戻り、placementでSketchを手摺笠木の高さまで移動する。1200



手摺笠木はSweepを使いたいので、笠木断面と平行な柱面を作業平面に変更して、断面60x40を作図する。
移動ツールを使って、断面を手摺ラインの端部に合わせる。(この時、WPスナップをOFFにする。)

Partワークベンチに移動し、Sweepツールをクリックして、スイープする断面、スイープ経路を指定してOKをクリックすれば、手摺ラインに沿って笠木が作成される。

手摺の支柱はExtrudeで作成する。
Sketcherで支柱の中心位置を作図する。
BIMに戻って、中心位置に支柱の断面50x50を作図する。
Extrudeで押出して支柱を作成する。高さは1150とする。

側面側の作成した支柱2本を5通り側にコピーする。

書面の支柱はArrayで配列複写する。
移動量は支柱のピッチ1000、回数はX33、YとZは1とする。

ガラスパネルは、Sketcherで下図を作成し、窓作成ツールで変換する。
パネル作成中は手摺笠木、支柱は非表示にしておく。

ベランダ床立上りの面を作業平面にして、Sketcherに移動し、各部分のパネル形状を作図する。(正面側2枚、側面側3枚を別Sketchで作成する。柱の線を外部リンクして寸法を固定する。)

側面側

BIMに戻り、ビューを回転すると、パネルが交差しているのが見える。
パネルは壁面より90外側になるように作図しているので、その分だけ移動する必要がある。

パネルを移動して端部を合わせたら、窓作成ツールでウィンドウに変換する。

ウインドウの内訳を出し、Default(枠)の厚みを40に変更する。
追加をクリックし、ガラスを追加する。
(名前Glass、タイプ Glass panel、厚み4、オフセット20)

正面のパネルを選択し、Arrayで配列複写する。移動量は1000,回数は32回。
(Arrayで複写するとガラスの透明度が見えなくなるので、Arrayオブジェクトの透明度を90に変更する。ただし、この場合枠も透明になってしまう。)

Arrayで複写する前に、ウインドウをダウングレードで枠とガラスのsolidに分解し、それぞれをArrayで複写することもできる。その上でガラスArrayの色と透明度を変更すれば同じ状態になる。)

最後に側面とコーナー部のパネルを複写して、移動で位置合わせすればパネルが完成する。

先に作った手摺支柱部分を表示にする。
ベランダ廻りの部材をすべて選択し、複写ツールで1Fレベルにコピーする。


コメント

このブログの人気の投稿

はじめに FreeCADでBIMはできるのか(2022/8/8追記)

オブジェクトを着色する(3) パースのレンダリングに挑戦