07.11RC造BIMモデリング パイプとフレームで手摺を作る
FreeCADのツールで手摺作成に使えそうなものはフレームとパイプそしてフェンスである。
断面を経路(パス)に沿って押出すツールとしてはスイープもある。
フレームとスイープやパイプは次の点で違いがある。
1.フレームとスイープは断面を作成して指定する必要がある。パイプは自動で円形断面を作成する。(パイプは断面を指定しなくてよい。)
2.フレームとパイプの経路は直線と連続線だけで、曲線は変換できない。スイープは直線の他に曲線も経路に指定できる。
3.ポリラインを変換する場合、フレームは接合部の処理はしない。パイプは接合部を曲面処理する。スイープは突合せ処理する。
4.フレームは断面と経路の位置関係に制限がない。断面は経路の始点にあるものとして押出される。スイープは断面と経路の位置関係によって押出しの結果に違いができる。
5.選択できる要素は、フレームは1断面と1経路で作成するが、Array、group、Sketchなどの複数要素をまとめたオブジェクトは1経路として指定できるので、複数の線分をまとめて変換することが可能である。
パイプは断面選択はなし、複数の経路(線分)をまとめて選択可能、ただし、複数要素をまとめたオブジェクトは変換できない。スイープは断面(複数断面も可能)と1経路で作成する。
フェンスは技術ドキュメントによれば、支柱と手摺部分を作成し、パスを指定すれば支柱と手摺を繰り返してフェンスを構成するとあるが、設定のルールがよくわからないので、いまのところ思い通りの形を作ることができていない。
パイプは線を選択し、パイプツールをクリックするとパイプ形状に変換する。複数の線を同時に選択し、一度にまとめて変換することもできるので円形断面に変換するならこれが一番速い方法かもしれない。もちろんパラメーターで直径を変更することもできる。
ポリライン(連続線Wire)を変換すると、接合部の結合処理も自動でできるので便利である。下図のポリラインの接合部のパラメーターを変更するとパイプにも反映される。
パイプの練習
パイプの下図になるLine、Wire、LineをArrayで配列複写したものを準備し、すべてまとめて選択し、パイプツールをクリックする。
LineとWireはPipeに変換されるが、Arrayは変換できない。
Pipeの下層に入っているWireのfillet Radiusで接合部の半径を変更できる。
■フレームツールで手摺を作る
フレームは断面形状を指定した線に沿って押出すことができる。断面を経路(パス)に沿って押出すという意味ではスイープと同じであるが、操作方法はスイープより簡単である。
フレームを使えば手摺の中心線を作成して手摺部材に変換できるので、まず下図を作成する。
下図は、BIMの作図ツールで作成してもよいし、Sketcherを使うこともできる。
Sketcherで作図した図形は一つのオブジェクトなっているので、断面形状が異なる部材は別のSketchに分ける必要がある。
逆に普通の作図ツール(直線、連続線)で作図したものは、種類別にわけてグループ化するか、Sketchに変換してからフレームに変換すれば部材別にまとめて変換できる。
今回作成する手摺は単純な形状なので、Sketchを分けて作成するより、2D作図ツールとArrayを使って作図する方が速い。
作業平面を正面、ビューも正面にして作業を始める。
手摺長さ1500x5=7500と高さ1200を作図する。
笠木の下と脚部に手摺子控え材を笠木の線と床の線から150の距離に複写移動する。
支柱は左端に作図した縦線をArrayで5回配列複写する。元の形状を含めて回数X6、Y1。
移動距離は1500。
(複写とトリムでもよいし、長方形で作図し不要部分を削除でもよい。)
この線を選択し、Arrayで最初のマスの手摺を作成する。移動量150、回数X9、Y1。
手摺子のArrayを右側に4回配列複写する。移動量1500、回数X5、Y1。
支柱の経路はArrayでまとまっているので、支柱Arrayと断面を選択しフレームツールをクリックして変換する。
手摺部材の断面形状を作図する。(場所はどこでもよい。)
笠木は楕円60x30 横長の作図でよいが、回転の練習をするために縦長に作図する。
その他の部材は長方形でよい。支柱50x50、控え40x30横長、手摺子25x25。
笠木をフレームに変換する。
経路と断面の順に選択し、フレームツールをクリックすると軸組オブジェクトに変換される。
形状を縦長に作図したので、笠木は縦長になっている。
データタブのRotationを90に変更すると方向が変わる。
控えはLine2本に分かれているので、1本ずつ変換してもよいし、2本まとめて選択しグループを作成してまとめてもよい。あるいはまとめて選択しSketchに変換してもよい。
まとめたグループまたはSketchと断面を選択し、フレームツールをクリックして変換する。
以上でよいが、支柱と控えと手摺子はユニオンで結合しておくとデータが見やすい。
手摺子もArrayで一つにまとまっているので、Arrayと断面を選択しフレームツールをクリックして変換する。
笠木の端部が支柱中心で止まっているので、笠木オブジェクト(軸組)下層のLineをダブルクリックして編集モードに入り、参照点をクリック、移動先をクリックして支柱外端に合わせる。(画面表示が変わらないときは再描画をクリックする。)
手摺グループを作成し、その中にまとめて入れてもよい。
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