06.1簡単な住宅モデル Sketcherで壁を作る

 住宅のモデルを作るなら、専用のプレゼンソフトが販売されており3DCADでモデリングするより数十倍速く、しかも簡単にモデルとプレゼン資料を作成することができる。
 しかし規格外のものを作成しようとすると個別にモデリングするしか方法はないので、その部分では3Dのモデリングツールがそろっている3DCADのほうがよいかもしれない。

 さて、今回は住宅専用ソフトで作る住宅をFreeCADで作ってみたらどうなるかという練習である。まだ、オブジェクトに材質を張り付ける知識がないので、とりあえず形を組み立てるところまで作成する。

 作業の説明の前に書くのもどうかと思うが、このような住宅なら専用ソフトを使う方がはるかに簡単に作成できるので、住宅のプレゼンだけなら、そちらをお薦めしたいというのが試してみた感想である。


■壁を作成
壁の作成を簡単にするために、各階にSketcherで壁芯図を作成し壁に変換する方法を採用する。そのためには、各階のレベルオブジェクトが必要となる。

レベル作成ツールを必要な階数分だけクリックして、Floorオブジェクトを作成する。
FloorはGL、Floor001は1階、002は2階、Floor003はR階に相当する。
名前を階数に変更しておいた方が使いやすいが、複雑ではないのでそのままにしておく。

各レベルを選択し、データタブのplacementでZ方向の高さを0、600、3600、6600に変更する。(モデリングを簡単にするため階高3000とする。)

レベルオブジェクトをまとめて選択し、ビュータブのFontSizeを300にすると、作業ビューに高さを表示できる。

まず、1階より下の腰壁を作成するため、モデルタブのFloorをダブルクリックして、作業平面をFloor(GL)に移動する。
Sketcherアイコンをクリックして、Sketcherワークベンチに移動する。

GLの壁芯図を作成するため、長方形を作図する。(10mx7m程度 適当でよい)

木造住宅なら900グリッドで作図したいが、練習の入力を簡単にするために1mグリッドで作成することにした。

水平垂直距離拘束で、横10m、縦7mで固定する。
対角の2点と、基準点(0,0)をまとめて選択し、対称拘束で位置を固定する。

図形の中心と縦横が固定されたので、線が緑表示になり移動できなくなる。
閉じるで、BIMワークベンチに戻る。

モデルタブのFloor001をダブルクリックして、作業平面を1階に移動する。
Sketcherアイコンをクリックして、Sketcherワークベンチに移動する。

1階の壁芯図を作成するため、長方形を作図する。(10mx7m程度 適当でよい)
内部の壁の位置を直線ツールで作図する。
(線が重ならないように作図する。後で削除延長もできるので大体の形ができればよい。線上にある点は、マウスが線上にある時に線の色が変わったらクリックする。)


外壁の形を整える。

水平垂直距離拘束で、横10m、縦7mで固定する。
左下の一部をトリミングで削除するので、長方形が崩れる。
各辺の長さを固定し、左上1と右下2、基準点(0,0)を選択して対称拘束で位置を固定する。

内壁の位置も水平垂直距離拘束で固定する。
必要のない部分はトリミングツールで削除する。隙間のできた線は延長ツールで延ばす。
内壁の位置を拘束していくと、最後に拘束できない箇所ができる。この部分は固定した長さを変更したときの調整用の余白となる。

全ての壁位置が固定できたら線が緑表示になるので、閉じるをクリックして戻る。

モデルタブのFloor002をダブルクリックして、作業平面を2階に移動する。
Sketcherアイコンをクリックして、Sketcherワークベンチに移動する。

2階の壁芯図を作成するため、長方形を作図する。(8mx7m程度 適当でよい)
内部の壁の位置を直線ツールで作図する。

右下の一部をトリミングで削除する。
内壁もトリミング延長で形を整える。

水平垂直距離拘束で、横8m、縦7mで固定する。
各辺の長さを固定し、左下1と左上2、X軸を対象軸として対称拘束で位置を固定する。
左下1と基準点(0,0)を選択し、水平距離拘束で3000に固定する。

内壁の位置も水平垂直距離拘束で固定する。

全ての壁位置が固定できたら線が緑表示になるので、閉じるをクリックして戻る。

モデルタブのFloor003をダブルクリックして、作業平面をR階に移動する。
Sketcherアイコンをクリックして、Sketcherワークベンチに移動する。

R階で屋根の下図となる長方形を作成する。(8mx7m程度 適当でよい)

水平垂直距離拘束で縦横の長さを固定する。
各辺の長さを固定し、左下と左上、X軸を対象軸として対称拘束で位置を固定する。
左下1と基準点(0,0)を選択し、水平距離拘束で3000に固定する。

2階部分の屋根の下図を作成する。
モデルタブのFloor002をダブルクリックして、作業平面を2階に移動する。
Sketcherアイコンをクリックして、Sketcherワークベンチに移動する。

2階で屋根の下図となる長方形を作成する。(2mx7m程度 適当でよい)

水平垂直距離拘束で縦横の長さを固定する。
各辺の長さを固定し、左下と左上、X軸を対象軸として対称拘束で位置を固定する。
右下1と基準点(0,0)を選択し、水平距離拘束で3000に固定する。

BIMに戻ってモデルタブを確認すると、SketchからSketch004ができている。
Sketch003はR階屋根なので、名前をSketch003Roofと変更する。
Sketch004は2階屋根で、名前をSketch004Roofと変更する。

作業ビューをみると各レベルにSketchが作成されていることがわかる。

このFloorからFloor002までの壁芯図を壁ツールで壁に変換する。

壁ツールを使う前に、何も選択していない状態で壁作成ツールをクリックし、壁厚150、高さ3000に設定しておく。

GLの下図Sketchをクリックして選択し、壁作成ツールをクリックして壁に変換する。
壁を選択し、データタブで高さを600に変更する。

1階壁の下図Sketch001を選択し、壁作成ツールで壁に変換する。
個別に選択しなくても、Sketcherで作図した壁芯図がすべて一度に壁に変換される。

2階壁の下図Sketch002を選択し、壁作成ツールで壁に変換する。

Sketchを壁ツールで変換した壁は、交差部は自動でつながっている。
線の端部は線の位置(壁芯位置)までしか壁が作成されないので、線で作成した壁は外壁面までは壁厚/2だけ長さが不足している。

壁001の下図Sketch001をダブルクリックして、Sketcherに移動する。
不足箇所の壁長さを壁厚150/2だけ延長する。(寸法を変更すれば長さが変わる。)

壁002の下図Sketch002をダブルクリックして、Sketcherに移動する。
不足箇所の壁長さを壁厚150/2だけ延長する。(寸法を変更すれば長さが変わる。)

3Dビューで該当箇所を確認すると、壁の長さが外壁面まで伸びている。


■Sketcherを使った壁の編集
今回の練習とは直接関係はないが、Sketchを変更するとモデルに変更が反映されることを検討してみる。

1階の壁001と下図Sketch001だけを表示にして、壁を動かして状況を確認する。

Sketch001のうち赤マークの箇所の壁を削除する。


逆に壁を追加してみる。
円形壁を作成することもできる。



このように下図のSketchを編集すると、変更が自動的に反映される。

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