05.6建具 建具の壁切抜きはHostsで、切抜き深さはHoleDepthで決まる

■Hostsをリンクして壁の切抜きを設定する。

 以前のブログ「02.2円形 壁と建具と切抜き」の中で、円形壁に建具を配置する方法を検討した。その時には建具による壁の切抜き方法が理解できていなかったので、切抜き用solidを作成しCutツールで開口を作る方法で解決した。
 今回Sketchから建具を作成する方法を検討中に、もっと簡単な方法がわかったのでまとめておく。

円形壁に建具を配置する準備は、ブログ02.2円形と同じである。
作業面は上面、ビューは上面から作業開始し、壁芯の円形と多角形ができたら3Dビューに移動して壁を作成する。

円形壁と配置用の多角形壁を作成する。多角形は12面とした。

最初の建具を作成する面を選択し、作業平面を移動する。
窓を配置する。
Sash 2-pane 幅800 高さ2000で作成する。
壁面下辺の中心に配置する。

移動ツールでウインドウを壁中心に移動する。X軸方向に-400移動する。

できたウインドウを多角形壁の各辺に回転複写する。
allayを使って配列(回転)複写するのが簡単であるが、以前に書いたようにガラスの材質が消えてしまうので、配列複写が使えない。
さらに配列複写はallayオブジェクトとなり、個別のウインドウを取り出せないので今回説明するHostsを使った制御には不向きである。

したがって、今回は手間はかかるが回転複写ツールでコピーを繰り返す。
(数が多くなれば 2、4、8、16、32と増やしていけるので、それほど回数を繰り返す必要はない。)

回転複写のために、作業平面は上面、ビューは上面に移動する。
ウインドウが壁の中で見えないので、ワイヤーフレーム表示にして見えるようにする。

回転ツールでオプションのコピーをONにして、円の中心を回転中心でウインドウのコピーを4回繰り返すと、すべての窓がコピーできる。


複写ができたら3Dビューに戻り、表示も「そのまま」に戻す。

ウインドウは壁001(多角形壁)の下層にある。
壁(円形壁)を表示にすると、切抜きができていないのでガラス部分がふさがれている。

円形壁に建具を配置するために、多角形壁を非表示にする。
この時ウインドウも一緒に非表示になるので、壁001下層のウインドウを選択し表示にする。

円形壁で使用する建具を確認するために、ワイヤーフレーム表示にしてすべてのウインドウが見えるようにする。

円形壁に配置したいウインドウをすべて選択したら、データタブのHostsをクリックし、さらに[...]をクリックしてリンク窓を出す。

リンクの窓で壁(円形壁)を選択し、OKをクリックして戻る


HostsにはWall(壁)が追加されている。
モデルタブの壁の下層に選択したウインドウが入っている。

壁001では、Hostsを変更したウインドウがリストの後ろに移動している。
(壁001は非表示のままである。)

壁001の中のウインドウをすべて選択して表示する。

この状態でビューの表示を「そのまま」に戻すと、壁の中に入っているウインドウは見えなくなるが、データは残っている。

壁001を表示に戻し、選択する。
deleteキーを押して壁001を削除する。
依存関係の警告が出るが、「はい」をクリックしてそのまま削除する。

モデルタブを見ると、壁001は消えているが、一部のウインドウが残っている。

残っているウインドウは、壁に含まれないものなので、まとめて選択しdeleteキーを押して削除する。(ワイヤーフレーム表示にするとビューでも見える。)

以上の操作で、必要のないウインドウが消えて、円形壁と建具だけのデータになる。


このように、壁オブジェクトに対して建具のモデルを配置し、Hostsに壁を設定することで壁の切抜きを行うことができる。
注意すべき点は、建具オブジェクトで壁オブジェクトを切抜くということで、どちらかがsolidである場合は、切抜きはできない。


■建具による壁切抜き深さをHoleDepthで変更する。

 建具は配置した壁だけを対象にして切抜きするので、壁のすぐそばに別の壁があっても切抜きされることはない。

しかし、Sketcherをベースオブジェクトにして一括生成した壁や、建築オブジェクト加算ツールで合成した壁に建具を配置すると、背後の壁に開口ができることがある。

建具は配置するときに、既定値で前後2000mmの範囲にある壁を切取りする仕様になっている。

これを解決する方法は簡単で、プロパティを変更するだけでよい。

建具のプロパティを見ると、HoleDepthというプロパティがあり、0.00mmとなっている。これが0のときは、既定値で2000mmとなる。

前後の壁に切抜きができるときは、ここに壁厚(実際には壁厚より少し大きめの数値がよい)を入れれば、対象の壁だけを切抜くことができる。建具を配置するときに指定した面を基準にして、前後に指定深さだけ切抜きする。

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