05.1建具(ドア&ウインドウ)のプリセットを確認する

FreeCADのドアとウインドウ作成ツールは、壁オブジェクトを自動で切抜いて建具を配置してくれる非常に有効なツールであるが、標準で登録されているプリセットが少ないという問題がある。

 技術ドキュメントをみるとSketcherで作成した図を基にして建具を作成できるように書いてあるが、詳細な説明がないので試してみるしかない。

 これまでは建具の形を作る方法がわからなかったので、プリセットにある形式を組み合わせて連窓段窓を作成していた。しかし、これでは作れる形に限界があり、部材の大きさを自由に変えることもできないので少し行き詰ってきていた。
 そこで自動で生成した建具のデータを検討して、建具の形を自由に作りたいというのが今回のテーマである。

 プリセットにない形の建具を作成する方法としては、次の3通りを考えている。
1.プリセットにあるFix、Open、Slideなどの窓を組み合わせて大きな窓を作成する。
2.プリセットで作った窓のSketch(下図)を加工して、違う窓を作る。
3.Sketcherで窓の下図を作り、窓オブジェクトに変換する。
データタブをみると少し違うオプションもあるので、これ以外の方法があるのかもしれないが、今わかるのは上の3つの方法である。


 建具作成ツールで作成したドアと窓のデータを見ていていくつかわかってきたことがあるので、それをまとめておく。
 また、Sketchを基に作成した建具は自動で壁を切抜きしないが、これもデータタブのHostsを設定することで、切抜きできることがわかった。この設定を利用すると、以前のブログで円形壁に建具を配置するために切抜き用Solidを作成していた作業を省略することができるので、後でまとめて説明する。

まず、自動で建具を作成し、そのデータの内容を確認する。
作業平面は上面、3Dビューで作業を開始する。

壁を作成し(厚さ200、高さ4200)そこに、Simple door、Glass door、Sliding 2-paneの3つの建具を作成し、データの内訳をみる。

simple doorは、1000x2100 枠見付H1=50とする。

モデルタブのドアをダブルクリックするとドアオブジェクトの内訳が開く。

OuterframeとDoorというコンポーネントがある。
Outerframeを選択し編集をクリックすると、コンポーネントの内容が出る。

内容のタイプ部分をクリックして、オプションを見ると、軸組、Solid panel、Glass panel、
Louvreの4種類が選択できる。

軸組みは、建具枠と建具フレームに該当する。
Solid panelは、扉とパネル
Glass panelは、ガラス
Louvreは設定方法が不明

Outerframeでは、タイプは軸組になっている。

その他の要素は、ワイヤーはその要素の境界になるライン(閉じたWire)
厚みは要素の奥行寸法
オフセットは基準点(壁面)からのオフセット
□+オフセットは、ONにすると作成時にセットした建具のオフセットが加算される。

ヒンジ、オープニングモードはドアの開き状態をビューに表示するときの条件を決めるが、Outerframeはドアではないので指定しない。

コンポーネントを作成/更新するをクリックしてもどる。

Doorを選択し編集をクリックして、コンポーネントの内容を出す。
タイプは、Solid panelになっている。
ワイヤーは扉を表す内側の四角Wire1になる。
厚さとオフセットは、プリセットに入力した数値が入っている。
オフセットデフォルトはONになっている。

ヒンジ、オープニングモードもセットされている。

コンポーネントを作成/更新するをクリックして戻ってから、下段のSketchをダブルクリックすると、Sketcherに移動して建具の下図を確認できる。

次にモデルタブのドア001(Glass door)を確認する。

モデルタブのドア001(Glass door)をダブルクリックして内訳を出す。

コンポーネントはOuterframe、Innerframe、Innerglassがある。

Outerframeを選択し編集をクリックして、コンポーネントの内容を出す。
タイプは軸組、オフセットデフォルトがONになっている。

Innerframeを選択し編集をクリックして、コンポーネントの内容を出す。

タイプは軸組
Innerframeは扉の枠(框)なので厚みとオフセットがOuterframeとは違っている。
オフセットデフォルトはONになっている。

ヒンジ、オープニングモードもセットされている。


Innerfglassを選択し編集をクリックして、コンポーネントの内容を出す。

タイプはGlass panel
厚みとオフセットがガラスの設定に変わっている。
オフセットデフォルトはONになっている。

ヒンジは指定していないが、オープニングモードはセットされている。

コンポーネントを作成/更新するをクリックして戻ってから、下段のSketchをダブルクリックすると、Sketcherに移動して建具の下図を確認できる。

※ 枠と扉の間に隙間を設けているが、Simple doorでは隙間がなく、枠の内側ラインと扉ラインが同じWireになっている。
 扉にガラスがあることで条件が違うかとも考えたが、隙間なしでもガラスを入れることができるので、隙間の有無による条件の違いが不明である。Sketchから建具を起こすときに、うまくいかない時に調整するしかない。

次にモデルタブのウインドウ(Sliding 2-pane)を確認する。

モデルタブのウインドウをダブルクリックして内訳を出す。

コンポーネントはOuterframe、Leftframe、Leftglass、Rightframe、Rightglassがある。

Outerframeを選択し編集をクリックして、コンポーネントの内容を出す。
タイプは軸組、オフセットデフォルトがONになっている。

Leftframeを選択し編集をクリックして、コンポーネントの内容を出す。

タイプは軸組
Leftframeは扉の枠(框)なので厚みとオフセットがOuterframeとは違っている。
オフセットデフォルトはONになっている。

ヒンジ、オープニングモードもセットされている。

Leftfglassを選択し編集をクリックして、コンポーネントの内容を出す。

タイプはGlass panel
厚みとオフセットがガラスの設定に変わっている。
オフセットデフォルトはONになっている。

ヒンジは指定していないが、オープニングモードはセットされている。

RightframeとRightglassはLeftとはオフセットが違ってくる。

コンポーネントを作成/更新するをクリックして戻ってから、下段のSketchをダブルクリックすると、Sketcherに移動して建具の下図を確認できる。

このように、建具オブジェクトは建具形状の範囲と、タイプ、厚み、オフセットをコントロールすることで建具の形状を作成することができる。
作成した後でも、Sketchやコンポーネントを変更することで、建具の形状を変更できることもFreeCADの優れた点である。

コメント

このブログの人気の投稿

はじめに FreeCADでBIMはできるのか(2022/8/8追記)

オブジェクトを着色する(3) パースのレンダリングに挑戦