BIMプロジェクトのセットアップツール(レベル)

 前回に続き、BIMプロジェクトのセットアップでのレベル設定の方法になる。

■レベルの整理
レベルの表示を調整する。
まず、レベル0~3オブジェクトをCtrl+クリックですべて選択し、ビュータブのFontSizeを500にして、レベルの文字を見えるようにする。

次はWP ProxyとWP Proxy001~003をCtrl+クリックですべて選択し、Display Sizeを1000にして、working planeを表示する。

しかし、セットアップから何度挑戦しても下図のようにworking planeの位置が1階分ずれた状態になってしまう。

レベル0の中のWP Proxyを選択して、データタブの中のPlacementを見ると、PositionのZの値が5000mmになっている。レベル1~3のWP Proxyも5000ずつずれており、原因が不明である。

とりあえず、WP Proxyを選択して、Placementで数値入力により移動することを試みたが、working planeの位置が予想しない位置に移動してしまうので、Placementで移動することは難しい。

あとはマウスで起点と移動先を指定して移動する方法でやってみたが、何度か繰り返していると移動先が指定点とずれるようになるので、いずれにしてもWP Proxy (working plane)の移動はできないと判断した。

いろいろな作業をしている途中で、グリッドの位置がずれた時には、モデルタブのレベル0をダブルクリックすると、基準平面の基準点の位置にグリッドがもどる。


■階高の変更方法
BIMプロジェクトのセットアップで自動生成したWP Proxyオブジェクトが移動できないとなると、WP ProxyをBIMプロジェクトで作る意味はない。

したがって、BIMプロジェクトのセットアップの設定では次のようにする。
□水平軸を縦軸に固定はチェックを入れる。(水平軸オブジェクトができる)
 水平軸の表示が必要ないときはここもチェックを入れない。
 水平軸を作成するツールは見当たらないが、軸作成ツールで軸を作図し、placementで回転移動すればほぼ同等のものを作ることはできる。

□define a working planeのチェックは入れない。(WP Proxyは作成しない)

この条件で、自動生成し、ここまでの設定をやり直すと、次の図のようになる。これまでのデータからWP Proxyを削除しただけの図である。やり直すのが手間の場合は、ここまでのデータからWP Proxyをすべて削除してもよい。



最後に水平軸、レベルの変更を確認する。
水平軸オブジェクトをダブルクリックすると、軸線と同様に内訳のパネルが出る。
軸線の場合と同様に、距離の変更、軸線の追加、削除ができる。

水平軸の数値を変更すると、作業ビューで水平軸が移動するが、レベル表示は移動していないので、ずれが発生する。このことから水平軸と、レベル、working plane(WP Proxy)はリンクしていないと判断できる。

水平軸の変更方法は、次のようになる。階高を変更する(レベルの高さを変更する)場合も、以下を繰り返すことになる。(WP Proxyは削除しておく。)
1.水平軸を移動して形を整える。
2.レベルオブジェクトの高さを水平軸に合わせる。
3.必要なら各レベルにWP Proxyを作成する。

モデルタブの水平軸オブジェクトをダブルクリックして内訳を出す。
仮に、2を1000、4を3000、追加をクリックして水平軸5追加し、5000とする

レベル表示と水平軸がずれているので、レベルオブジェクトを選択し高さを調整する。

レベル1を選択し、データタブのPlacementの[...]をクリックして、配置を出す。
平行移動量Zを見ると、元の高さ5000となっているので1000に変更すると、水平軸の位置にそろってくる。

レベル2、3についても同様にZの高さを6000、9000に変更すると、それぞれの水平軸の位置に移動する。


水平軸5(レベル4)に相当するレベルオブジェクトがないので、新しいオブジェクトを作成するために、レベル作成アイコンをクリックするとFloorオブジェクトが作成される。

レベル0から3を編集したのと同じ方法でレベルを調整する。

Floorオブジェクトを選択し、ビュータブでFontSizeを500に変更すると作業ビューのレベル0と同じ部分にFloorの文字が見えるようになる。

Floorオブジェクトを選択したまま、データタブでLabelをレベル4に変更、Placement[...]をクリックして、配置を出す。

配置が開いたらZを14000に変更すると、レベル4の文字が水平軸上に移動する。

レベル4オブジェクトをデフォルトの建物オブジェクトにドラッグアンドドロップすると、レベル4が他のレベルオブジェクトと同じ階層に移動する。



■WP Proxyを作成(WP Proxyが必要な場合の方法)
WP Proxy作成ツールのアイコンは通常は表示されていないが、メニューバーのutilityのプルダウンメニューの中にある。
または、BIM Views managerのアイコンをクリックして、パネルを表示するとパネル下部にアイコンがある。

レベル0をダブルクリックして、グリッドがレベル0の位置にあることを確認したら、パネル下のWP Proxy作成アイコンをクリックすると、WP Proxyオブジェクトが作成される。



各レベルのWP Proxyは次のように作成する。

レベル1からレベル4まで、ダブルクリックしてグリッドをその場所に移動してからWP Proxy作成アイコンをクリックし、WP Proxy001~003まで作成する。

WP Proxy~WP Proxy003までを、Ctrl+クリックで選択した状態で、ビュータブのDisplay Sizeを1000に変更すれば、working planeが作業ビューで見えるようになる。

あとはWP Proxyをそれぞれのレベルオブジェクトにドラッグアンドドロップして、下層構造に入れる。

レベル0をダブルクリックして、グリッドを基準点に移動して完了する。


 ここまで手間をかけて軸線(通り芯)とレベルを作成するのは、建築BIMモデリングをする時に通り芯が基準になることと、各レベルで直接モデリングしたいからである。
 基準面でモデルを作成した後に各レベルに移動させるという方法をとるのであれば、ここまでの設定は必要ない。

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