02.1円形 建具配置条件 円形壁に建具が配置できない理由


■曲面壁に建具を配置する条件

 FreeCADの仕様として、曲面の壁には建具を配置することができないと考えていた。
 しかし、前回の壁式住宅の建具を作成中に、一つの方法を思いついて試してみたところ、右のような形であれば作成することができた。

 いろいろやっていると、建具配置ツールには次のような条件があることがわかってきた。


1.建具はソフトが建具を配置する面と判断した平面と平行な面に作成される。

2.建具を配置する面は操作中にマウスを近づけた面に自動的に移動する。
(マウスポインタ先端に表示されている建具の輪郭の方向が変わる。)

3.建具の配置で切抜きできるのは、建具を配置した壁だけで、周りの壁には影響しない。

4.建具の切抜きは壁オブジェクトが対象で、Solidオブジェクトは切抜きしない。

5.曲面壁は、曲面全体に対して作業平面が一つに決まっているので、曲面に対して自由な方向で建具を配置することはできない。
(建具の方向は面に拘束されている。)


■条件の確認
 簡単な図形で以上のことを確認してみる。

円形壁を作成するために、方向が狂わないように作業平面を上面、ビューを上面ビューに移動する。

円を作成し、面を非表示にするか、downgradeでWireに変換する。

壁作成ツールで立ち上げる。(壁厚200、高さ5000とする)


作成した壁の面をクリックして選択し、作業平面アイコンをクリックするとグリッドが移動する。この面はY軸に平行になっている。
(これがソフトが曲面壁の作業面と判断する面になる。)

作業平面を上面にもどす。
窓作成ツールをクリックし、窓のオプションで幅1200、高さ2000とする。
敷居の高さは0でよい。

マウスを動かすと、ビューで建具の輪郭が移動する。この方向はX軸方向になっている。

マウスポインタが円形壁に触れないように注意しながら、建具を壁に挿入して適当な位置でクリックすると、建具が作成される。

壁に触れていないということは、配置の基準になる壁がないので建具を作成しても、壁の切抜きはしていない。

次に、建具を配置するときに円形壁にマウスポインタを触れさせると、建具の方向が変わる。
その状態で、壁に差し込んでクリックすると、建具を作成すると同時に、建具の前後の壁に切抜きができる。
(切抜き範囲は前後2m程度に見えるが、これが既定値なのか条件により変わるのかは不明)

(21.11.04追記: 建具のプロパティにHole Depthがある。ここに数値を入力すると切抜き深さを設定できる。0の場合は既定値で2m程度になっている。)

最初の円形壁だけの状態で、壁オブジェクトを選択しdowngradeすると、モデルタブで壁はSolidに変わる。
(壁オブジェクトはもともと属性はSolidなので、downgradeすることで壁の諸属性が消えたことになる。)

この状態で、上の操作をすると、壁に触れて建具の方向が変わった後でも、壁の切抜きはできていない。つまり、壁でないと切抜きはできないことになる。
(逆にSolidで作成したモデルを壁オブジェクトに変換すれば、建具で切抜きができる。)

円形壁と直線壁がある場合も同様のことが起こる。
直線壁に配置した建具では、円形壁の切抜きはできない。

円形壁を対象とした建具は、直線壁を切抜きできない。
ひとつの建具で複数の壁を切り抜くことはできないことになる。

(21.11.04追記: 建具のプロパティにHostsという項目がある。ここで対象となる壁をリンク追加すると、ひとつの建具で複数の壁を切抜きすることができるようになる。)

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