01.4壁式 窓ツールと複写と移動で 1Fの建具を配置する(2022/9/27改訂)
(2022/9/27 改訂)
■オブジェクトの移動について
建具を作成するためにはオブジェクトの移動や複写を繰り返すことになるので、移動複写の方法を確認しておく。
移動の方法としては、次の3通りある。
1.データタブの中のPlacementで、XYZ軸の移動量を入力してオブジェクトを移動する。
軸に対する回転も設定できるので、数値がわかっている場合には正確な移動ができる。
軸に対して斜め方向で移動させるにはXYZ方向それぞれの数値が必要となるので、斜め方向で使うのは難しい場合がある。
2.移動の基準点をクリックで指定した後に、移動量を数値入力してオブジェクトを移動する。
作業平面がAutoになっていると作業平面が勝手に移動することがあるので、作業平面を上面や正面に変更してから作業する方がよい。
作業平面を決めてから作業する場合でも、基準点をクリックした後、移動先の点を探してマウスが動いている限り数値入力ボックスの値が変わりつづけるので、マウスを動かさないようにして数値入力しEnterを押すという方法になる。
マウスを動かしているときに、Shiftキーを押すとカーソルの方向で水平垂直に拘束されるので、XまたはYの1方向だけ入力することができる。
3.2DCADと同様に、移動の基準点と移動先の2点をマウスでクリックして移動する。
これが最も簡単な方法に見えるが、3DCADでは3Dビューで見えている点が想定している点と同じという保証がないので、作業平面とスナップだけを頼りに作業を進めることになる。
この方法は図上で移動先がわかるなら、数値がなくても移動できるので自由度は高い。基本的には、WP(作業平面)スナップをONにして作業平面上で移動するが、WPスナップをOFFにすると、3D空間の任意の点で移動することもできる。
3Dのモデリングは、2Dと3Dのビューを移動してモデルが正しくできているかを常に確認しながら作業を進める必要がある。
どれかのビューで正しく見えても、別のビューで全く違っている可能性はある。
FreeCADでは作業平面上の作業を基本としているので、オブジェクトを移動するのに最も適当な作業平面に移動しながら作業することが重要である。
■建具の配置方法
建具は、建具作成ツールで作成する。
建具アイコンをクリックして窓のオプションを出し、プリセットで建具の形式を選ぶ。
数値入力でサイズを決定してから、作業ビューで配置ポイントを指定する。
敷居の高さで、Z軸方向のオフセットを調整することもできる。
標準で登録されているプリセットは種類が少ない。建具を配置したい壁にSketcherで姿図を作図し、ドアや窓に変換する方法があるが設定は少し複雑である。
詳細な建物モデルを作るのでない限りは、いまあるプリセットを組み合わせて建具の姿を作り上げていく方が時間の短縮になる。
建具の配置ポイントを指定するには2つの方法がある。
1.作業平面をAutoにして、3Dビュー(または正面ビュー、側面ビュー)で配置したい壁の上に建具の輪郭が表示されたところで、クリックして配置する。
(壁の数が増えて重なる部分が多くなると、マウスを動かしても配置したい壁の上に思うように建具の形が表示されないことが多い。)
この方法は正面ビュー、側面ビューでも可能であるが、さらに位置がずれる傾向がある。
2.3Dビューで配置したい壁を選んで、その面に作業平面を移動してから、作業平面上で建具の配置を決定する。
(比較的簡単に建具を壁面に表示させることができる。)
感覚的には、1の方法がどの壁にでも直接配置できるので、使いたい方法であるが、とにかく失敗が多いので、確実に配置のできる2の方法を採用する。
(2の方法でも3Dビューで作業できるので、実はあまり違いはない。作業平面を先に指定するかどうかだけである。)
建具をコピーすると、オブジェクトの名称は別のものになるが、ベースオブジェクトのスケッチは同じものなので、そのグループのどれかの建具をサイズ変更するとすべての建具に変更が反映される。
あとで変更の可能性のある建具は、建具作成ツールで別の建具として作成する必要がある。
プリセットの建具の基準点は左下になっているので、建具の幅を変更すると左下固定で図形が変形する。
■1階建具の作成
軸線は表示にしておく。
まず、6通りから始める。
3Dビューで6通りの壁を選択し、ツールバーの作業面アイコンをクリックすると、作業平面が6通り壁に移動する。(グリッドが移動する。)
アイコンの表示はv0.19までは「色の編集」であったが、v0.20からは「カスタム設定」に修正されている。
窓作成ツールをクリックするとタスクタブに建具のオプションが開く。
敷居の高さはZ軸方向のオフセットになる。
今回は1FL=レベル0+200で設定するので、高さ200とする。
プリセットで建具のタイプを指定する。下に標準図があり各変数の該当箇所が表示されている。
プリセットは、Open 2pane(2連Fixed窓にしたいがプリセットにないので、両開き窓で代用する)を選ぶ。
プリセットタイプが少ないので形の近いものを組み合わせて建具を組み立てる。詳細図を作成するのでなければイメージは把握できる。
今回は、幅4600(壁壁間)、高さ2600(階高3000-1Fまで200-2Fスラブ200)
建具枠見付け(H1)20、 扉見付け(H2)50、 壁面と建具の関係はオフセット(O1)0、枠見込(W1)100、扉見込(W2)40、枠から扉までのオフセット(O2)30とする。
壁に建具の輪郭が表示されたら、配置基準点にスナップマークが出ていることを確認してクリックする。
配置したい面に建具の輪郭が表示されていて、スナップ点が正しければ建具が作成され、壁の切り抜きが行われる。
この時の失敗の多くは、壁が正しく選ばれていないことによる。
また、正面ビュー、側面ビューで作業しているときは、作業平面が壁の面とずれていることが考えられる。
(先に作業面を決めていても、勝手に作業面が移動していることがある。)
次に B通りの建具を作成する。
まず、B通りの壁面をクリックして選択し、ツールバーの作業平面アイコンをクリックすると作業平面が指定した面に移動する。
壁作成ツールをクリックして窓オプションを表示し、プリセットをOpen 1paneに変更する。幅を2300に変更する。
3通り通り芯と壁交点のスナップマークを確認して建具配置点としてクリックする。
建具が作成されたら、それを選択してコピーツールで窓を追加する。
建具の左右下隅の点を基準点移動先として2点指定して移動する。
(必ずスナップマークを確認する。)
コピーして建具が2つできたら両方を選択して、逆方向に複写する。
建具の左右下隅の点を基準点移動先として2点指定して移動する。
2-3間のスリットも作成する。
窓作成ツールをクリックして、窓オプションを出す。
プリセットはOpen 1paneで変更なし。
幅を400にする。
建具配置の基準点は正確な位置にスナップできないので、最寄りの2通り交点を基準点として指定して、窓を仮に配置する。
配置した窓を選択して、正しい位置に移動する。
移動の基準になる点をクリックする。
移動点を入力するタブが開くので、Xに900と入力する。
マウスが動いてYZに数値が入っているときは0を入力して、Enterキーで確定する。
Shiftキーを押すと水平垂直に拘束されるので、YとZは自動的に0になる。
以上でB通りの壁が完成する。
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