01.2壁式 壁位置下図を作成 軸線に合わせてSketcherで作図(2022/9/27改訂)

(2022/9/27 改訂)
 ■壁の下図を作成
 壁芯の線を細かく作ったので、BIMの作業ビューで直接壁を作成することも可能であるが、下図があるほうが今後の作業がわかりやすいので、壁位置を示す下図を作成する。

 下図はSketcherで作ると、線の拘束、数値入力を使って正確な図を作ることができる。Sketcherの標準設定でグリッド表示ON、グリッドスナップONとしたので、今回のような単純な形状は拘束を使わないでグリッドを使った方が速く作図できる。

しかし、グリッドで作図する方法は簡単に見えるが、詳細な図面を作成するには適当ではない。正確な作図をするためには、寸法を正しく指定できる作図法を使う方がよいので、グリッドを使った操作を確かめた後で、Sketcherの拘束を使う作図法を練習する。


■壁位置図の作成 まず最初にグリッドを使って作図する。(参考例)
BIMワークベンチにあるDraftの作図ツールで作成するなら、ドラフト スナップ グリッド.svgグリッドスナップをONにして、壁芯の交点をなぞりながら作図することができるが、Draftのツールで作図すると、線が別々のLineやWireオブジェクトになってしまうので使い勝手がよくない。

一方、Sketcherで作図すると、Sketcherで作成した線はSkechというひとつのオブジェクトにまとまるので、作成後の取り扱いが容易である。また、変更をするときもSketcherでまとめて修正できるというメリットもある。

FreeCADの説明では、PartDesignワークベンチにはSketcher、partワークベンチにはDraftという使い分けがあるが、partワークベンチでもSketcherで作成したオブジェクトを使うことができるので、すべてのベースオブジェクトをSketcherで作成してもよい。

3Dオブジェクトのベースになる2Dオブジェクトは、基本的にはSketcherで作成すると他の図形に連動した自由な変形に対応できるので優れている。したがって、Draftのツールで作図した図形をベースオブジェクトとして使うのは、他の図形と連携する必要のない部分に限定した方がよい。


最初に制約(拘束)を使わないで、Sketcherのグリッドだけで作図する方法を紹介し、その後で、Sketcherで拘束を使って作図する方法を練習する。
グリッド部分は、操作の参考例なので読み飛ばしてもかまわない。


1.1階の下図を作成するために、モデルタブのレベル0をダブルクリックして、作業平面をレベル0に移動する。
(初期状態で、作業平面はレベル0にあるので、改めて移動する必要はないが、作業をする前に作業平面の位置を確認する習慣をつける。)

 作業平面をレベル0に移動したら、上面ビューに移動してからスケッチャー CreatePolyline.svg新しいスケッチを作成アイコンをクリックすると、自動的にSketcherワークベンチに移動する。

Sketcherの作図ツール(直線や連続線)を使って壁芯の位置を作図する。
(作図範囲が広がるのに合わせてグリッド表示も広がる。)

壁芯はグリッド上にあるので、カーソルを壁芯の軸線の交点に近づけると、グリッドにスナップしてクリックできる。
壁芯の交点を順にクリックして壁芯図を作成する。(交点のない部分でも、グリッドにスナップするので、座標を見ながらクリックすることができる。)

レベル0の壁位置の作図が完了したら閉じるをクリックすると、自動的にBIMにもどる。

2.BIMに戻ったら、3Dビューに切り替えてレベル0にスケッチが作成されていることを確認する。
 2階の下図を作成するために、モデルタブのレベル1をダブルクリックして、作業平面をレベル1に移動する。
 上面ビューに移動してからスケッチャー CreatePolyline.svg新しいスケッチを作成アイコンをクリックして、Sketcherワークベンチに移動する。

Sketcherの作図ツールを使って壁芯の位置を作図する。

カーソルを壁芯の軸線の交点に近づけると、グリッドにスナップするのでクリックする。
壁芯の交点を順にクリックして壁芯図を作成する。

レベル1の壁位置の作図が完了したら閉じるをクリックして、BIMにもどる。

SketchとSketch001という2つのオブジェクトがデータタブにできている。


■Sketcherの拘束で壁芯図を作成する
 Sketcherは図形を描けるので2D作図ツールと混同されるが、本当は製図用のツールではない。拘束という機能を使って2Dオブジェクトを作成するためのツールである。
ここでは、Sketcherの拘束を使って、壁芯図を作成する。

Sketcherについては、「入門ガイド2.3 Sketcherワークベンチ 制約 拘束を使う」で説明している。

作業平面は上面、上面ビューとする。レベル0をダブルクリックして、作業平面を移動する。
1F通り芯だけを表示にして、スケッチ作成ツールをクリックして、Sketcherに移動する。

連続線と直線ツールを使って、壁の位置を作図する。
図は通りより少し大きめに作図する。
線は垂直水平に引くと 自動的にまたはマークが出て垂直水平に拘束される。

作図中にカーソルを線の端点や線上に重ねると色が変わるのでクリックすると、一致拘束または線上点拘束となり線がつながる。(一致拘束には拘束のマークが出ない)
このときに、軸線にカーソルを重ねても色が変わることはない。外部形状リンクしていないので、画面に見えるだけで参照することができない。

壁の位置を決めるためには、基準となる線が必要となる。
スケッチャー外部.svg外部形状リンクツールをクリックし、外壁位置の軸線をクリックすると線が赤く表示される。
これで、通り芯を基準にして壁位置を固定することができる。

外壁のコーナーの点と、軸線を選択し、スケッチャー ConstrainPointOnObject.svg線上点拘束をクリックすると、コーナーの点が軸線上に移動する。
これを繰り返して、外壁コーナーの点を軸線の交点にそろえる。

内部の壁の位置は、直近の線の端点とスケッチャー ConstrainDistanceX.svgスケッチャー ConstrainDistanceY.svg距離拘束で位置を固定する。
位置と長さが拘束で固定されて変形しなくなったら、線が緑色に変わる。
タスクタブの閉じるをクリックしてBIMに戻る。

BIMに戻ったら、レベル1をダブルクリックして作業平面を上の階に移動する。
スケッチ作成ツールをクリックして、Sketcherに移動する。

連続線と直線ツールを使って、壁の位置を作図する。
方法は1階と同じ。

スケッチャー外部.svg外部リンクツールをクリックし、外壁位置の軸線をクリックする。

外壁のコーナーをスケッチャー ConstrainPointOnObject.svg線上点拘束し、交点に重ならない線をスケッチャー ConstrainDistanceX.svgスケッチャー ConstrainDistanceY.svg距離拘束で固定することも1階と同じ。
これを繰り返して、外壁コーナーの点を軸線の交点にそろえる。
位置と長さが拘束で固定されたら、線が緑色に変わる。
タスクタブの閉じるをクリックしてBIMに戻る。

SketchとSketch001という2つのオブジェクトがデータタブにできている。

■作図前のデータ整理
 以上で通りと壁位置の準備ができたので、今後の作業が進めやすいように、データを整理しておく。
 まず、Sketchを選択して、データタブのLabelをクリックして、Sketch 1Fに変更する。
同様に、Sketch001を、Sketch001 2Fに変更する。

次に、レベル0~2オブジェクトをまとめて選択して、一番上層のファイル名オブジェクトにドラッグアンドドロップする。
(レベルオブジェクトは、作業平面の移動に使うので、データの一番上の階層に移動しておけば今後の作業のたびに階層を展開する手間がなくなるし、データも見やすい。)

データの整理をすると、建物情報や軸線はモデルタブではさわる必要がなくなるので、デフォルトのサイト折り畳んでおけばデータが見やすくなる。


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