3Dモデリング練習11 ミースの家具 MR Chaise Lounge

 ミースファンデルローエの椅子は、シンプルな構造になっているので、ラウンジチェアはパイプの組み合わせによるフレームの作成方法を思いつけば、比較的簡単に作成できる。
 スイープツールを使えばよいが、パイプツールを使うともっと簡単である。ただし、パイプツールにはいくつかの制限がある。



・パイプツールの経路にDraftで作図した曲線を使うことはできない。
 Skecherで作成した曲線は使うことができる。ただし、曲線から始まるスケッチは、断面が垂直に配置されないことがあるので、端部に直線部分を設ける必要がある。
(経路が曲線から始まる場合は、曲線部分の始点と終点を結ぶ直線を経路の方向と判断して、これに垂直に円形断面を配置しているように見える。)

・Skecherは2Dの図形なので、3D空間やねじれた面に作図することができない。

・パイプの経路には閉じた線形は使えない。閉じた形状は、幾つかに分割して作図する必要がる。

・経路をDraftの連続線で作図し、プロパティFilletRadiusに数値を設定すると、コーナーを円弧処理する。連続線を円弧処理した図形は、パイプツールで変換できる。



 以上から、パイプの中心線を作図する場合、曲線があればSkecherで作図する。経路がねじれている場合はDraftの連続線で作図するのがよい。



(2024/05/15追記)
 以下の説明では、画像の貼り込みと拡大縮小はImageワークベンチのツールを使っているが、FreeCADv0.21では、Imageワークベンチが見当たらなくなっている。
 ツールメニューの中に画像CreateImagePlane.svg画像を読込みツールがあるが、新しタブができるだけで、作業中のタブに直接読み込むことができない。
 対策としては、作業中のタブに画像を貼り付けるには、ファイルメニューのインポートを使い、ファイルの種類をImage formatsにして、画像を挿入する方法が使用できる。
画像の移動、拡大縮小には、Placementプロパティで数値入力するか、移動ツール、スケールツールを使用する。



■MR アジャスタブル シェーズラウンジ
椅子のサイズは650x1690x900、パイプ径25とする。

BIMワークベンチで作業平面を前面(XZ平面)にして、Imageワークベンチに移動する。
画像 CreateImagePlane.svgイメージ作成ツールをクリックしてファイルを読み込み、透明度Transparencyを80にする。
画像スケーリング.svgイメージのスケールツールをクリックし、スケールを合わせたい2点をクリックする。2点間の距離を入力し、スケール変更するイメージを選択してOKする。

BIMワークベンチに戻る。
Skecherに移動して、原点から椅子のサイズ1690x900の長方形を作図する。
イメージを選択し、移動ツールで椅子が長方形の中に入るように移動する。






Skecherで、写真をガイドにして座面のフレームのパイプ中心線を作図する。(端部は50以上の直線とする。)
コーナー部分はスケッチャー CreateFillet.svgフィレットツールで円弧処理する。
別のスケッチで、脚の部分のパイプ中心線を作図する。





閉じるで戻り、2つのSkecherのドラフトクローン.svgクローンを作成し、Placementで座面はY=25、座面はY=600、脚はY=625移動する。
スケッチの端部直線を使って、座面の線の上下両端と、脚の上下両端にコの字方の連続線を引く。
連続線をまとめて選択し、プロパティをFilletRadiusを50として、コーナー部を円弧処理する。


Sketchと連続線円弧処理部分の取合いを調整するために、座面中心線のSketchをダブルクリックして、上部の端部を表示する。

ビューをHome(または3Dビュー)に変更すると、連続線が見えるようになる。

連続線の円弧処理部分をスケッチャー外部.svg外部リンクツールでクリックして参照すると、Sketchライン上に参照点が表示される。
Sketchの端点と、円弧の参照点を選択し、スケッチャー ConstrainCoincident.svg一致拘束をクリックする。



Sketchの線が短縮し、削除された部分は、参照の赤いラインだけになる。
座面ラインの下端、脚のラインの両端も同様にしてSketchの線の長さを短縮する。
反対側Sketchはクローンで作成したので、自動的に反映される。
接続部の処理ができると、スケッチと連続線が重なった経路になる。





ここで、先に座面の底板を作成する。
対面する2つの線を選択し、パーツ RuledSurface.svg線織面ツールをクリックする。3か所の直線部分に底板を作成する。
パイプ中心線のSketchと連続線をまとめて選択し、アーチパイプ.svgパイプツールをクリックする。

パイプのプロパティDiameterを25に変更する。
中心線がすべてパイプオブジェクトに変換される。





最後にクッションを作成する。
Skecherで、長方形80×130を作図する。


閉じるで戻り、押出しツールをクリックして、順方向-12.5、逆方向612.5とする。(座面の幅のクッションができる。)
できたソリッドを選択し、パーツ フィレット.svgフィレットツールをクリックする。
ソリッドの手前の2辺を選択し、半径60とする。

さらに、クッションのソリッドを選択して、フィレットツールをクリックし、すべてボタンをクリック、半径18とする。
これで、クッションのすべての辺が面取りされる。


作業平面を前面にして、ガイドの写真を表示する。





クッションを選択し、写真の位置にドラフト Move.svg移動する。
さらに下書き回転.svg回転ツールで、向きを調整する。




複写または移動ツールと回転ツールを使って、クッションのソリッドをそれぞれの場所に配置する。








■MR ラウンジチェア アーム付
 アーム付きの椅子は、写真で見るとアームのパイプが下部で脚のパイプの正面にそろっている。図面がなく正確な形状がわからないので、アームのパイプが傾いているものとしてモデリングした。

椅子のサイズは650×970×830、パイプ径は25とする。

作業平面を側面(YZ平面)に移動する。Imageワークベンチに移動して写真を読み込む。
画像 CreateImagePlane.svgイメージ作成ツールをクリックしてファイルを読み込み、透明度Transparencyを80にする。
画像スケーリング.svgイメージのスケールツールをクリックし、スケールを合わせたい2点をクリックする。2点間の距離を入力し、スケール変更するイメージを選択してOKする。

BIMワークベンチに戻る。
Skecherに移動して、原点から椅子のサイズ7970x870の長方形を作図する。
イメージを選択し、移動ツールで椅子が長方形の中に入るように移動する。
Skecherで、座面から脚までのパイプ中心線を作図する。
別のスケッチで、アームのパイプ中心線を作図する。
下端に直線部分30を設ける。




閉じるで戻り、作成した2つのSketchを選択し、ドラフトクローン.svgクローンを作成する。
Placementで座面はX=25、座面はX=600、脚はX=625移動する。



作業平面を前面(正面)に変更する。前面ビューに移動すると、Sketch4本が平行に並んでいる。





アームのライン下端を脚のラインに揃えたいので、下書き回転.svg回転ツールを使って、回転中心をアームの上端、基準点をアームの下端、移動先を脚の下端とクリックして傾ける。
反対側のアームも同様にして脚の方向に傾ける。

Homeビューに戻り、パイプ中心線の端部を、Draftの連続線で、コの字方に結ぶ。
作成した3か所の連続線を選択し、プロパティFilletRadiusを50に変更して、円弧処理する。
座面とアームのSketchの端部の長さを、上のラウンジチェアーと同じ方法で短縮する。
背もたれと座面の部分に、パーツ RuledSurface.svg線織面で底板を作成する。





パイプ中心線をまとめて選択し、アーチパイプ.svgパイプツールをクリックする。

パイプのプロパティDiameterを25に変更する。
作業平面を側面に移動する。
クッション用に、長方形80×130を作図する。




長方形を選択して、押出しツールをクリックし、順方向-12.5、逆方向612.5とする。
パーツ フィレット.svgフィレットツールで、正面を半径60、他のすべてを半径18とする。
ガイドの写真を表示にする。
移動と複写、回転ツールを使って、クッションのソリッドをそれぞれの場所に配置する。








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