Tips集【建具ツール】建具(扉、窓)ツールの奥行寸法(見込)を調整する

Tips集:窓ツールの奥行寸法(見込)を調整する

 以下の「建具ツールのパラメーターW(見込寸法)がモデルに正しく反映されない」という問題は、FreeCAD v0.20以前のバージョンで発生していたが、v0.21以降は修正されているので、FreeCADの最新版を使用する場合には以下の調整を考慮する必要はない。


 FreeCADでは、建具(扉、窓)ツールのプリセットを使って、基本的な開口部のモデルを作成し、自動的に壁を切抜いて配置することができる。
 窓をひとつずつモデリングするのは手間がかかるので、プリセットが使えるのは非常に有効であるが少し問題がある。
 モデリング練習6で気づいたことであるが、建具モデルの奥行方向の寸法(見込)がパラメーターの図で設定した寸法と違っている。(FreeCADはv0.18とv0.19を使用している。)
厚さの大きいコンクリート壁などではあまり気にならないが、詳細な図面を作成するときには調整が必要になる。

 プログラムのバグか、操作方法の間違いかは確認できないが、バグであればいずれ修正されることを期待している。

寸法が違うことについて規則性があることがわかったので、対応方法を説明する。

窓のプリセットFixedで作成してみる。

Fixed(嵌め殺し窓)は、幅高さの他に次の部分を設定する。
H1:枠寸法(見付) 50とする。
W1:枠奥行(見込) 100とする。
O1:壁面からのオフセット 0とする。
(ガラスは枠W1の中心に配置される)
以上の設定をして、作業ウインドウでクリックするとモデルが自動的にできる。

モデルを見ると、ガラスの位置が枠中心から少しずれている。
計測ツールで枠とガラス位置を測ってみると、枠奥行は150、ガラス位置は50となっており、枠の奥行が指定した100になっていないことがわかる。

枠の奥行はW1=100で設定しているが、モデルはW1+H1=150となっている。

パラメーターの数値を入れ替えて試してみた結果、モデルの枠奥行寸法は、W1+H1-W2となることが分かった。

Fixed窓では、W2は必要のないパラメーターであるが、Fixed窓の枠奥行はW2の数値で調整することができる。

モデルで150となっている奥行を本来の100にするために、W2=50とする。

以上の設定で作成すれば、枠奥行100のモデルとすることができる。
ガラス位置にはW2の影響はない。




奥行は、W1、H1、W2の組み合わせで決まるので、W2は0のままで、W1を50にしても枠奥行は50+50=100となるが、ガラスはW1の中心に配置される。
ガラス位置がずれてしまうので、W2で調整するのがよい。








Open 1-pane窓の場合を確認する。
開き窓の枠が付くので、幅高さの他に次の部分を設定する。
H1:枠寸法(見付) 50とする。
H2:窓枠 60とする。
W1:枠奥行(見込) 100とする。
W2:窓奥行 40とする。
O1:壁面からのオフセット 0とする。
O2:枠からのオフセット 30とする。
(ガラスは窓枠W2の中心に配置される)
以上の設定で、モデルを作成する。











枠の奥行は、W1+H1-W2=100+50-40=110となっている。
W2は窓枠なので変更することはできないので、W1の数値を調整する。
奥行110を100にするために、W1=100を90に変更する。














ガラスの位置は、W2で決まるので、W1を変更しても問題ない。











Open 2-pane窓の場合も、同じ設定で作成できる。

































simple doorで確認する。
幅高さの他に次の部分を設定する。
H1:枠寸法(見付) 50とする。
W1:枠奥行(見込) 100とする。
W2:扉奥行 40とする。
O1:壁面からのオフセット 0とする。
O2:枠からのオフセット 30とする。
以上の設定で、モデルを作成する。













枠の奥行は、W1+H1-H2=100+50-40=110となっている。
W2(扉厚さ)を変更することはできないので、W1の数値を調整する。
奥行110を100にするために、W1=100を90に変更する。



























Glass doorで確認する。
幅高さの他に次の部分を設定する。
H1:枠寸法(見付) 50とする。
H2:扉框 120とする。
H3:扉下框 150とする。
W1:枠奥行(見込) 100とする。
W2:扉奥行 40とする。
(ガラスはW2の中心に配置される。)
O1:壁面からのオフセット 0とする。
O2:枠からのオフセット 30とする。
以上の設定で、モデルを作成する。

枠の奥行は、110となっている。
W2(扉厚さ)を変更することはできないので、W1の数値を調整する。
奥行110を100にするために、W1=100を90に変更する。















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