BIMの定番モデル ファンズワース邸3 笠木、屋根、スラブの構成

■防水押えと屋根を作成
屋根と床のスラブは、モデリングでは1枚の板として作成されることが多いが、ファンズワース邸の場合、屋根は露出防水の下に50mmの断熱パネル+プレコンパネル80(中央30)mm、天井は12mmプラスターボード貼りとなっている。
2F、1Fのスラブは、梁下端フランジにプレコンパネル80mmを載せて、軽量コンクリート打設、モルタル+石張り30mmとなっている。

全ての構成をモデル化するのは手間がかかるが、表面材だけでも作成しておきたい。


屋根の防水押えは、カットTとアングルの組み合わせになっている。こういう標準部品にない形状のものをBIMソフトで作成するには、いろいろな制約があってなかなか難しいが、FreeCADは3DCADなので、どんな形でも自由に立体化し、建築オブジェクトに変換できるので優れている。

作業平面を側面に移動する。ビューは側面。
RFの外周梁が見えるようにレイアウトし、スケッチ作成ツールをクリックしてSketcherを開く。
外周梁の縦と横のラインを外部リンクツールで赤表示に変える。

屋根端部の笠木金物の形状をスケッチし、厚さを寸法拘束する。
一度戻り、再度Sketcherを開いて、屋根スラブ端部の勾配部分(厚さ50のパネル)を作図する。外周梁との位置関係で位置を拘束して完成する。

できた笠木と勾配のスケッチを選択し、placementで増分変更を適用をONにして、X方向に6700と入力して、2通りに異動する。

Partワークベンチに移動し、スイープをクリックし、オプションで笠木断面を右欄に移動、経路を選択で最初に作成した、建物外周の経路スケッチを選択し終了をクリック。ソリッドを作成をONにしてOKで笠木を作成する。
同様に、勾配パネルの断面と経路スケッチを使って、スイープで笠木廻りの勾配面を作成する。
屋根のスラブは、周辺勾配部のパネルの内側に長方形ツールで、長方形を作図する。WPスナップはOFFにしておく。
(スナップする点がはっきりしているので、Sketcherを使うより、長方形ツールで作図する方が速い。)
長方形を選択し、スラブツールでスラブオブジェクトに変換する。
厚さを50に変更してから、placementでZ方向にパネル厚さ分だけ下げる。(-50)

2Fの床と天井は、外周梁の内側のラインで長方形を作図する。
長方形を選択し、スラブツールをクリックして、スラブオブジェクトに変換する。
天井用に厚さを12に変更する。
placementでZ方向に3300-380-10=2910下げる。(天井は、外周梁下端より10mm下がり)
同じ位置に長方形を作成し、スラブオブジェクトに変換する。
厚さを30に変更し、placementでZ方向に25下げる。(床は外周梁より5mm上がり。)


1F外周梁の内側に長方形を作図し、スラブオブジェクトに変換する。
厚さを30に変更し、placementでZ方向に20下げる。(床は外周梁より10mm上がり。)


1F床下のプレコンパネルを作成する。
ビューを5(下面:2上面の裏)に移動。
外周梁と小梁を表示し、梁の内側に長方形を作図する。
長方形を選択し、オフセットで50mm外側に広げる。
長方形を選択し、スラブオブジェクトに変換する。
厚さを80に変更し、placementでZ方向に100上げる。(パネルは梁フランジの上に移動する。)

2F床下も同様に梁の間に長方形を作図し、オフセットで50mm外に広げる。
スラブオブジェクトに変換して、厚さを80に変更し、placementでZ方向に100上げる。

梁下端に長方形が作図できない時は、WPスナップをONにし、梁下端面に作業平面を移動してから長方形を作図するとよい。

仕上材は、各階の外周梁の内側に配置され、床下プレコンパネルは各スパンに入っている。

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