11.05図面からモデリング 住宅2-3

■1階壁と建具を作成する


1階壁は通り芯をガイドにして、ベースラインを作成し、壁ツールで壁に変換する。

1F0.0をダブルクリックして作業平面を移動する。
外壁ブロック壁の部分を作図する。
各部分の高さが異なっているので、Draftの直線ツールで作図し、壁厚は200,部分ごとに高さを3100と3300に変更する。

壁の一部は切抜きが必要なので、その面を選択し長方形を作図する。
長方形をExtrudeで前後300ずつ押出してソリッドにしてから、壁ツールで壁に変換する。
切抜き用の壁ともとの壁を選択し、建築オブジェクト減算ツールで壁を切抜く。
(Cutツールを使うと壁属性が消えるので、減算ツールを使う。)

壁をすべて選択し、プロパティでMakeBlockをONにする。
ブロックサイズを200x400、目地幅10、2段目オフセットを200とすると壁にブロックが表示される。
壁は、1wallグループを作成し、その中に移動する。

内部の壁も、壁芯図から壁位置のベースラインを作成する。
壁ツールで壁に変換し、壁厚100、高さ3300とする。

外壁一般と外壁内張りをひとつの壁でまとめて作成する。
外壁ブロック壁の内側に合わせて、長方形で範囲を指定し、ダウングレードしてWireに変換する。
Wireを壁に変換し、プロパティで、配置Left、高さ3300、オフセット-30、壁厚150とすると、ブロックから内側に30の位置で壁が作成できる。
内部の壁も、1wallグループの中に移動する。


外壁廻りの建具を配置する。
建具は、「ホストオブジェクトへ自動的に含める」オプションはOFFにして配置し、すべての配置が完了してから、建具のHostsを指定する方か失敗が少ない。
建具は、1winグループを作成し、その中に移動する。


■1階屋根の梁とスラブを作成する。
1階外壁上部の梁を作成する。
1階屋根の梁の上に、2階の床梁が載る構造になっているので、1階屋根梁の天端は2F-300である。

2F3.9をダブルクリックして作業平面を移動する。
梁ツールで、150x300の梁を1階壁上部に配置する。Placementで下方向に450(300+梁H300/2)だけ下げる。

屋外階段につながるテラス部分は、2Fと同じレベルである。
梁ツールで、150x300の梁を配置し、Placementで下方向に150下げる。

屋外の屋根になる部分に、連続線で時計回りに床範囲を作図する。
床ツールでスラブに変換し、テラス部分はそのままの高さ、屋根部分はPlacementで下方向に300下げる。
スラブはまとめて、2slabグループに移動する。

■屋外の階段、手摺を作成する
1F0.0をダブルクリックして作業平面を移動する。
階段のベースラインを作図し、階段に変換する。
屋内階段と同様にして、階段のプロパティを設定する。階段高さは3900、段数16としている。


手摺は配置する面に作業面を移動しながら、単線で支柱と笠木を作図する。
階段部分は、桁の側面を作業面にして、横から見た手摺を作図する方が簡単である。

手摺の単線図ができたら、パイプツールでパイプ形状に変換する。
プロパティで直径を30に変更する。
手摺は、railグループを作成し、その中に移動する。場所別にグループ化してもよい。


2階の外壁にルーバーとひさしを作成する。
どちらも平面形を作図し、カーテンウォールに変換して、プロパティで形状を作成する。

部材のマリオンサイズは、カーテンウォールが垂直でないと正しく作成されないので、基本的に垂直面に形状サイズの長方形を作図する。
ルーバー形状ができたら、回転移動で90度回してから外壁の適当な位置に移動する。


■1階と2階を合成する
軸線が傾いている場合は、最初から傾いた状態でモデリングすれば合成の必要はないが、いくつかの座標系を移動しながらモデリングするのは手間なので、今回は階別に作成して合成することにした。

実際に操作してみると、一部のオブジェクトの位置関係が崩れてしまうので、別々にモデリングするのは適当でないかもしれない。
位置関係が崩れる原因がわからないので、今のところ対策することもできない。

今回のモデルで対策した崩れた箇所と修正方法について、以下にまとめておく。

1階と2階の軸は20度の角度でずれている。
1階オブジェクトをShift+Bのボックス選択で選択し、回転移動をすると、壁が想定外の位置に移動した。
(2階で試しても、数か所のオブジェクトの位置が崩れてしまった。)

オブジェクトがすべて選択された状態なので、そのまま移動で2階の平面と重ねると、さらに大きく位置がずれることがわかる。

ブロック壁の部分は、20度多く回転していることと、Y軸方向に移動していることがわかるので、修正が可能である。

ブロック壁を選択し、340度(-20度)回転する。壁を何度か移動してもとの壁位置まで戻す。

長方形の一般壁は、移動した法則がわからない。戻すのは難しいので削除して、壁をもう一度作成する。
作業平面を斜めに傾いた壁とグリッド方向を合わせたいので、外壁上部の面を選択して作業平面を移動する。

グリッドが外壁と直行するように傾いたら、外壁内側に長方形を作成し、ダウングレードでWireに変換、壁を作成する。最初に一般壁を作成した時と同じ操作を繰り返す。
(この時にキーボードで「9」を押すと、WorkingPlane Viewという機能で表示しているグリッドを水平垂直に表示することができる。このグリッドで連続して作業する必要がある場合には、ビューの方向を真っすぐにしておいた方が使いやすい。)

壁の切抜き用ソリッドを表示にすると、位置が崩れているので削除する。
外壁の面を選択し、作業平面を移動する。
切抜き用長方形を作成し、ソリッドを作成、壁を減算ツールで切抜きする。
(この時、切抜きする壁のMakeBlockをOFFにしておかないと、うまく動作しない。)

外壁に建具を配置し、建具のHostsを設定する。
以上で、壁の修正が完成する。

単線のベースオブジェクトを使うことができる要素(壁、階段、パイプ)は、ベースオブジェクトを作図し、ツールで変換すればFreeCADを有効に使うことができる。

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