10.2独立基礎と布基礎 RC基礎を作る WPproxyを使う

 基礎のコンクリート部分を作成する。今回の計画建物は、独立基礎(杭基礎)で考えているが、布基礎の作り方も検討する。

 モデルを作成する前に、作業平面を移動しながら作業するために、WPproxyを作成しておく。WPproxyは、作業平面の位置を保存する他に、その時の作業ビューの表示状態も保存するので、これを使ってモデリング作業の標準的なビューの構成を保存し、必要な場所にその状態を呼び出してモデリングするようにすれば、毎回同じオブジェクトの表示非表示をコントロールする手間が省略できる。

モデリングは、基本的に平面図に部品を配置して構成していくので、平面のWPproxyを作成する。
レベルオブジェクトはどこからでも見えるように、モデルタブの最上層に移動する。(レベルをすべて選択し、デフォルトのサイトにドラッグすれば移動できる。)
レベルの名前を各フロアー名に変更しておく。

ビューは上面、作業平面は上面図とする。
デフォルトのサイトを非表示にして、画面からすべての要素を消したうえで、軸線(横縦)と水平軸だけを表示にして、Utilsメニューの中のWPproxy作成をクリックして、WPproxyを作成する。
(実際に使うときは、WPproxyのPlacementでZ値を変更してから作業平面を移動して作業する。)

■独立基礎、基礎柱を作成
WPproxyのPlacementでZ値を-1100(基礎下端)に変更し、WPproxyをダブルクリックして作業平面を移動する。

独立基礎は、柱ツールで作成したいが、基礎サイズ(1200x1200x高さ1000)を柱オプションに入力すると、作業ビューで中心合わせで配置することができない。
(横長の形状を設定すると、ソフトが勝手に梁材と判断する。)

対策として、基準点(0,0)位置に長方形で1200x1200を作図し、柱ツールで構造体オブジェクトに変換する。(柱オプションは高さを1000に設定しておく。面の押出しになるので幅長さは気にしなくてよい。)

できた構造体オブジェクトの軸プロパティを軸(Axis System)にすると、通り芯の交点に構造体(基礎)が配置される。

グループbsFを作成し、構造体オブジェクトを入れ、レベルGLに移動する。

鉄骨柱脚の基礎柱を作成する。
WPproxyのPlacementでZ値を-1000(柱下端)に変更し、WPproxyをダブルクリックして作業平面を移動する。

柱ツールで基準点(0,0)に柱を配置する。 600x600x高さ1900とする。
できた柱オブジェクトの軸プロパティを軸(Axis System)にすると、通り芯の交点に柱が配置される。

グループbsCを作成し、柱オブジェクトを入れ、レベルGLに移動する。

■地中梁を作成
梁(母屋材)は、部材断面の中心が配置基準になるので、梁芯のレベルで作業をする。
WPproxyのPlacementでZ値を-550(GL-100、梁H900/2)に変更し、WPproxyをダブルクリックして作業平面を移動する。

梁オプションのカテゴリ、プリセットなしで幅400、高さ900としてX軸、Y軸の最初の梁を配置する。(梁は、通り芯の交点から交点までとする。)

構造体オブジェクト(柱梁)は、起点の位置と角度、長さで管理されているので、パラメトリック変形するためには、位置と長さをコントロールしなければいけない。

最初の2本の梁は、位置は基準点(0,0)固定なので、梁の長さを数式エディタで変更しておく。
A通りは、縦軸スパンの合計 Spreadsheet.B4とする。11.5m
1通りは、横軸スパンの合計 Spreadsheet.E2とする。6500

その他の梁は、もとの梁をそれぞれの通りにコピーする。
長さはもとの梁と同じなので、位置が自動変更できるように、それぞれのPlacementの数式エディタで式を入力する。

それぞれの通りの位置は、スプレッドシートの行番号に合わせてあるので、スプレッドシートを見なくても、入力して結果の数値を確認すればよい。

■腰壁を作成
WPproxyのPlacementでZ値を-100(地中梁天端)に変更し、WPproxyをダブルクリックして作業平面を移動する。

Sketcherに移動し、腰壁の壁芯図を作成する。
通り芯を外部リンクし、通り芯との距離拘束で壁位置を固定する。

閉じるで戻り、Sketch(壁芯図)を壁ツールで壁オブジェクトに変換する。 幅150x高さ1000とする。
これで、独立基礎と腰壁までRC部分が作成できた。

RC部分は、構造体オブジェクトの加算減算で結合することができるが、設計中に変更があった場合は、結合前の方が使いやすいので今はこのままにしておく。



■布基礎の場合
布基礎は、Sketcherをベースラインにして壁ツールを使うと結合部の処理が自動でできるので、その方法が最も簡単である。同じSketchをベースにして底版と立上り壁を作成すれば、まとめて形状を変更することができる。

WPproxyのPlacementでZ値を-1100(基礎下端)に変更し、WPproxyをダブルクリックして作業平面を移動する。

Sketcherに移動する。

通り芯を外部リンクして、布基礎の中心線との関係を距離拘束する。
距離が0の場合でも基礎が偏芯しても変更できるように、距離拘束で固定する。

Sketchを選択し、壁ツールで壁オブジェクト(基礎底版)を作成する。幅1200x高さ300
Sketchをベースラインにしているので、結合部は自動的に処理されている。

底版の下層にあるSketchを選択し、壁ツールで壁オブジェクト(立上り壁)作成する。
 幅200 高さ900とする。

立上り壁を選択し、Placementで上方向に300(底版厚さ)移動する。
以上で布基礎の形状が作成できる。

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