03.1らせん階段 片持ち、Faceの切断

  今回から階段の作り方を検討したい。
階段と手すりはパターンが多く、建物の中でもかなり目立つ要素なので、モデリングでもその部分を適当に作って済ませることはできない。

 FreeCADのワークベンチの中には階段とフェンスのツールがあるが、階段はパターンが限られるし、フェンスに至っては基準モデルを自作しラインに割り付けるようなもののようなので、いずれにしても自由にモデルをつくることはできない。
 したがって、階段と手すりをいくつか作成しながら、関連するツールを確認していくことにする。

■配列複写Arrayについて
 階段を作成するには同じものを何度もコピーするので、配列複写Arrayを使うことが多い。これまでにも円形住宅で何度か使っているが、回数を複写する程度であった。

 FreeCADの配列複写はかなり強力で、タイプはortho、polar、circularの3種類があり、さらにinterval AxisでXYZ方向に変形させることができる仕様になっている。詳細は使用するときに確認することにする。

■Faceの切断について
 Solidが面で切断できることについては、いろいろなところに出ているので知っている人も多いと思うが、Face(面)も切断できる。
 PartワークベンチにあるSolidを切断するのと同じツールを使って、Faceも切断できるが、どれを使うかによって切断後の面の取り出し方が違ってくる。単に切断した面が欲しいだけなら、最も単純な切断を使うのがよい。
 Faceと切断ライン(直線でも曲線でも)を選択し、切断をクリックすれば分割できる。


■らせん階段 その1

 まずは前回の円形住宅の中心にあるらせん階段を作成する。

直径1500、中心柱100、
階高2650(1周14分割14段)
踏板、手摺の形状は右の通り。






作業平面を上面、上面ビューから開始する。
今回は小規模モデリングなので、グリッドを使う方が簡単である。グリッド間隔を10mmに変更して、新規作成で表示させる。

基準線は中心柱、外周円、14分割線を作図する。

次に中心柱(100)と手摺(20)を作図し、踏面が手摺より10mm外側になるように基準を作図する。

柱線と手摺廻りの基準線を使って、踏面の境界線を作図する。
Partワークベンチに移動する。
外周の円を面に面に変換した図と、上で作成した境界線、中心を通る境界線を選択し、切断ツールをクリックすると、面がいくつかの部分に分割される。
(うまく分割できないときは、作図した境界線が正確に円周上に達していない可能性があるので、再度引き直す必要がある。)

分割したFaceのうち踏面以外の面を選択し、削除する。

段板の切抜きSolidを作成するために、面の対称軸になる位置にLineを引く。
踏面の面をExtrudeで押出し。逆方向に先端厚み10だけ押出す。
中心LineをExtrudeで押出し。逆方向に段板最大の厚み120押出す。


押出した長方形の下側を切抜きに使うので、境界線を引く。
Partワークベンチに移動して、面の切断をする。

切断によりできた下側の三角形を残し、上半分は削除する。
三角形をExtrudeで押出し。前後300とする。
踏板部分はモデルタブのExtrudeを選択して、オプションの厚さを120に変更する。

押出したSolidを、Ctrlキーを押しながらまとめて選択し、Cutツールをクリックすると切抜きができる。

切抜きしてできた段板に手摺を付ける。

手摺の円をExtrudeで押出し。
最初の手摺は下段の段板とつながるので、上に900(手摺高さ)、下に2650/14(蹴上)+30(取り付け金物寸法)とする。

踏面中間の手摺は、上に900+2650/14/2(蹴上の1/2)、下に30(取り付け寸法)とする。

以上で階段1段分のパーツができた。
中央の柱もExtrudeで押出し。高さ2650とする。


段板をArrayで回転させながら、高さ方向に配列する。
段板のパーツを選択し、Arrayをクリックする。
Arrayのオプションで、タイプはPolar、回数14とする。
さらにinterval AxisでZを2650/14とする。これが1回あたりのz方向への移動量となる。

段板ができたら、2本の手摺についても同様の操作を繰り返す。



以上で手摺子の部分ができたので、手摺Rail(笠木)部分を作成する。
Rail部分はらせん曲線になるので、プリミティブという基本図形を使って作成する。

まず、ワークベンチをPartに変更する。
プリミティブの呼び出しをクリックする。

プリミティブの種類で螺旋を選択する。

ピッチは1回転する高さ 2650
高さは螺旋全体の高さ 2650
左右の回転方向も変更できる。
XYZで配置位置を調整して作成をクリックする。

Partワークベンチでらせん形状が作成できたら、BIMにもどる。
らせんを選択し、パイプツールをクリックする。
パイプのオプションで直径を変更する。25




階段の登り初めの位置を調整するために、回転する。

段板の1枚目が床に埋もれているので削除するために、段板のArrayをdowngradeで分解してSolidに変換する。

1枚目を選択し、Deleteキーを押して削除する。
手摺も同様に分解して、編集できるがここでは省略する。




前回の続きということで、段板はボックスタイプのものを作成したが、一般的な段板とリブ付きの場合も作ってみる。

画面が少し暗いので、設定の表示のカラータブで背景色を明るくした。

まず下図は柱半径100、リブ先端まで1200、階段外周1350、階高3000,一周20段とする。踏面作成用の補助線、手摺位置も記入する。

外周線を面に変換したFaceと階段の輪郭、柱線を選択する。
Partワークベンチに移動して、切断ツールをクリックして面を切断する。

BIMにもどって、必要のない面を削除して踏面平面を完成する。
リブ位置の線を作成する。
図では重なっていて見えないが、柱線から1250の線までLineを作図している。
その線をExtrudeで押出し。下に120
踏面をExtrudeで押出し。下に40

押出したリブの面にリブ形状切抜き線を作成しする。(今回は斜め線)
リブの長方形と切抜き線を選択する。
Partワークベンチに移動して、切断ツールをクリックして切断する。(不要部は削除)

リブをExtrudeで押出し。前後5 で厚み10の板とする。
リブが踏面を貫通しているので、踏面のコピーを作成し(Ctrl+C、Ctrl+Vでモデルタブにコピーオブジェクトができる。)、リブをコピーオブジェクトで切抜きする(Cutツール)。

手摺をExtrudeで押出し。それぞれ高さを調整する。

これをまとめて、回転複写で20段作成する。
Partワークベンチの螺旋で、ピッチ、高さ3000、半径1320、Z方向900で作成する。
BIMにもどり、螺旋をパイプ形状に変更する。
中心の柱円を表示し、Extrudeで押出し。4000

今回は階段と手摺をPlacementでZ方向に3000/20持ち上げて、最下段を削除しないで階段を完成した。

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