02.5円形住宅 構造フレーム 柱梁の配置、回転複写(2022/10/3改訂)
(2022/10/3 改訂)
円形住宅については、モデリング方法を全面的に書き換えることにした。
モデリングの順序は元の記事とほぼ同じであるが、最初の記事は、FreeCADに慣れていないこともあって無駄な操作を繰り返していることが多かった。
それは初めてFreeCADを使う人には練習になるという面もあるが、操作の説明としてはあまり効率的な方法ではないので、もう少し手際よくモデリングする方法を提案する。
円形建物は難しそうに見えるが、実際には同じフレームを回転していることも多く、角度のある部分の対応方法がわかればそれほど困難ではない。
BIMワークベンチを使うので、平面図を作成して立ち上げるのではなくて、できるだけ各階の平面に要素を配置し、その場で部材を組み立ていく方法でモデリングを進めたい。
建物の形状は直径10m高さ6m程度の円柱形である。正確には24面多角形であるが、モデリングの練習にならないので、円形として作成する。
■レベルと基準線を作成
BIMモデリングの最初は基準線の作成であるが、縦横軸はないのでレベルから始める。
レベル作成ツールを4回クリックしてFloorオブジェクトを作成する。
オブジェクトのラベルを1F、2F、RF、PARに変更する。
各レベルをPlacementで高さをZ=0、2650、5300、5900に設定する。
ビュータブでfont Sizeを300に変更すれば、ビューにレベルの文字が表示される。
1Fをダブルクリックして作業平面を移動する。
作業のための基準になる円を作成する。
基準円は、円ツールで□塗りつぶしオプションをOFFにして、作成する。
半径は750、1250、1800、2400、4800、5000とする。
放射状の軸線は、最初の直線を作成してから、Arrayをクリックする。
モデルタブにできたArrayオブジェクトのプロパティで、タイプをPolar、回数を24とする。
グループ作成ツールをクリックし、できたグループのラベルをグループ軸に変更する。
下図のオブジェクトをドラッグアンドドロップで移動する。
■柱を作成
柱ツールは、平面形のカテゴリーを選択し寸法と高さを入力して配置する。
適当なカテゴリーがない場合は、平面図を作図し柱ツールで立ち上げるが、長方形ならカテゴリーなしでも設定することはできる。
柱ツールの配置基準点は柱中心になるので、スナップできるポイントがない場合は、作成後に移動させる必要がある。
外側の柱は、何も選択していない状態で柱ツールをクリックし、オプションを表示する。
長方形断面なのでカテゴリーなしで、長さを240、幅を90、高さを2650(階高)とする。
4800の基準円と水平軸の交点をスナップしてクリックし、柱を配置する。
外側の柱は2本組なので、柱を正しい位置に移動する。
作成した柱を選択し、Placement右端の[...]をクリックする。
Placementの移動量で、増分変更をONにしてX=-120、Y=90移動する。
さらに、柱を選択しコピーツールをクリックする。
作業平面上で移動ツールを使って数値入力して移動する場合は、基準点はどこでも適当なポイントをクリックし、カーソルを移動したい方向に動かす。
Shiftキーを押すと方向がXかY方向に拘束されるので、Y=-180でコピーして2本組の柱にする。(隙間が90になる。)
内側の柱は、柱ツールをクリックしオプションで高さを2410に変更する。
(長さと幅は前回の数値が残っているので変更しない。)
1800の基準円と水平軸の交点をスナップしてクリックし、柱を配置する。
以上で内外の柱ができる。
柱上部に梁を配置するために、2Fをダブルクリックして作業平面を2Fに移動し、上面ビューにする。
梁ツールをクリックする。
モードは母屋材になっている。
カテゴリーなしで、長方形断面の幅を90、高さを240とする。
750と4800の基準円と水平軸の交点をスナップしてクリック、梁を配置する。
梁ツールで作成した梁は始点終点が梁の中心になっているので、Placementで高さ方向を調整する。
梁を選択し、Placementの右端[...]をクリックして移動量のオプションを出す。
増分変更をONにして、Z=-120として下方向に移動し柱の天端と合わせる。
梁の作成が終わったら、1Fをダブルクリックして作業平面を1Fにもどす。
作成した柱オブジェクト(構造体)と梁オブジェクト(Beam)をひとつずつ選択し、Arrayツールをクリックすると、モデルタブのオブジェクトがArrayに変わる。
できたArrayオブジェクトをまとめて選択し、プロパティでタイプをPolar、回数を24に変更して、柱梁を配列回転複写する。
グループ作成ツールをクリックして、グループを作成しラベルを1Fフレームにする。
その下層にグループを作成しラベルを1F外柱、1F内柱、2F床梁とする。
柱梁のArrayオブジェクトをそれぞれのグループにドロップする。
グループ分けができたら、1Fフレームを選択し、コピーツールをクリックして、2Fのフレームを作成する。
数値入力でコピーするので、基準点はどこでもよいので適当な位置をクリックする。
移動量のオプションで、X=0、Y=0、Z=2650と入力すると、2Fにコピーできる。
(このとき、作業ウインドウでカーソルを動かすと数値が変わってしまうので、タスクタブの移動量オプションの部分の外にカーソルが出ないようにする。)
1Fフレームと同じ構成のグループとオブジェクトができているので、ラベルを2Fフレーム、2F外柱、2F内柱、RF床梁に変更する。
内側の柱の本数を調整するので、上面ビューにする。
2Fフレームと、2F床梁を非表示にする。
1F内柱のArrayを選択して、ダウングレードをクリックしてソリッドに分解する。
モデルタブの最後に分解したソリッドができる。
不要部材を選択して、Deleteキーを押して削除する。
2Fの内側の柱の本数を調整する。
1Fフレームと、RF床梁を非表示にする。
2F内柱のArrayを選択して、ダウングレードをクリックしてソリッドに分解する。
モデルタブの最後に分解したソリッドができる。
不要部材を選択して、Deleteキーを押して削除する。
残ったソリッドをまとめて選択して、もう一度2F内柱にドロップする。
(この時に、ソリッドをまとめて柱ツールをクリックすると、構造材という建築オブジェクトに戻すことがでk
■内側柱上部のつなぎ梁
内側柱のつなぎ梁を作成する。
上面ビューのままにして、作業平面をRFに移動する。
1Fフレームはすべて非表示、2Fフレームは表示にする。
つなぎ材は750、1250、1800の基準円の位置にあり、1250部分には梁下に90Φのパイプを設けている。
つなぎ材は30×80で、内面の位置は750+30=780、1250-30/2=1235、1800-240/2-30=1650とする。
原点を中心として多角形ツールで側面24、塗りつぶしOFFにして24角形を作図する。(つなぎ材の内側ラインで作図する。)
それぞれの多角形を選択して、2Dオフセットツールをクリックし、オフセット値30、オフセットを埋めるをONにして、つなぎ材の上面を作成する。
作成した面をまとめて選択して、Extrudeツールで逆方向(下)に80押出しする。
1250部分のパイプは、作業平面を正面に移動して、原点に半径45の円を作図する。
円を選択し、移動ツールをクリックして数値入力でX=1250移動する。
円が1250の位置に移動したら、作業平面をRFにもどる。
円形断面を基準円に沿って押出しするにはPartワークベンチのスイープツールを使う。
スイープツールは断面と経路の位置がずれていても、経路を断面の位置に投影してソリッドを作成するので、断面に合わせて経路の円を作図し直す必要はない。
BIMワークベンチには、パイプツールがありクリックするだけで経路の線をパイプ形状に変換できるが、経路が曲線の場合は使用できないので、ここではスイープツールを使う。
Partワークベンチに移動し、スイープツールをクリックする。
オプションで、断面の円オブジェクトを選択し矢印ボタンで右欄に移動する。
スイープ経路ボタンをクリックし、作業ウインドウで1250の基準円を選択し決定ボタンをクリックする。
ソリッドを作成をONにして、OKをクリックすればSweepオブジェクトができる。
パイプはレベルRFにできているので、Placementで増分変更をONにして、Z=-240-45=-285下方向に移動し、梁下に配置する。
グループを作成し、ラベルをRFつなぎ材に変更する。
作成したオブジェクトをまとめてRFつなぎ材にドロップする。
グルーブRFつなぎ材を選択して、コピーツールをクリックし、X=0、Y=0、Z=-2650移動する。
移動してできたグルーブのラベルを2Fつなぎ材に変更する。
つなぎ材のグループを1Fフレームと2Fフレームにドロップする。
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