01.6壁式 床と階段 床は押出し方向を確認する(2022/9/27改訂)

(2021/9/27 改訂)
 床ツールは押出し系のツールなので、面の法線方向(垂直方向)に押し出しする。その場合に、反時計回りの図は上方向、時計回りは下方向に押出す。

床は長方形で作図することが多いが、長方形は反時計回りになっているので、床ツールで変換すると上方向にスラブを作成する。したがって、スラブ厚だけ下に下げることが必要になる。

床範囲を連続線で時計回りに作図すれば、下向きに押出しするのでレベルを調整する必要がないが、長方形と混在すると床の押出し方向がバラバラになり間違いの元になる。


■床の作成
1階の床を作成するために、不要な部分を非表示にする。
2階壁位置図 Sketch001 2Fは非表示にする。
1階2階の壁 Wall...は非表示にする。

レベル0をダブルクリックして作業平面を移動する。

長方形ツールで1階屋内の床面を作成する。Sketcherを使ってもよいが、複雑な形状ではないので、Draftの長方形ツールを使用する。通り芯や他の図形と連動して自動的に変形させたい場合は、Sketcherで作図する。

長方形をまとめて選択し床に変換することはできないので、ひとつずつ選択して床に変換する操作を繰り返す。

1F床レベルはGL+200とする。床スラブ厚は標準で200になっているので、そのまま変更しない。(床スラブ天端が1Fレベルになる。)

1階床をグループにまとめるため、グループ作成ツールをクリックして、グループを作成し、ラベルをsl1Fに変更する。
作成した床オブジェクトをまとめて選択し、sl1Fへドラッグアンドドロップする。


2階床を作成するために、レベル1をダブルクリックして作業平面を移動する。
2階壁芯位置 Sketch001 2Fを表示にする。

2階屋内の床範囲を、ポリライン(連続線)で指定して面を作図する。

ポリラインは、長方形と方向を合わせるために反時計回りに点を指定する。逆回転で指定すると面の向きが長方形と逆になり、レベルの違う床ができてしまうので間違いの元になる。

次に屋外の床面(1階の屋根)範囲を長方形ツールで面を作成する。

作成したWireと長方形をひとつずつ選択し、床作成ツールをクリックして床オブジェクトに変換する。

2階床の天端はレベル1+200(スラブ厚)になっているので、作成した床オブジェクトをまとめて選択し、データタブのPlacementで移動する。
Placementで増分変更をONにして、Z=-200とすると、床天端とレベル1が一致する。

2階床オブジェクトをグループにまとめるため、グループ作成ツールをクリックする。
ラベルをsl2Fに変更する。
作成した床オブジェクトをまとめて選択し、sl2Fへドロップする。


2階屋根スラブを作成するために、レベル2をダブルクリックして作業平面を移動する。
1階壁芯位置 Sketch 1Fを表示にする。
2階床オブジェクト sl2Fを非表示にする。

レベル2には壁位置図がないが、作業平面スナップ(WPスナップ)をONにしているので、レベル1にある2階壁位置図をスナップすると、作業中のレベル2の上の点として認識されるので、レベル2にレベル1の図をコピーする必要はない。

2階屋内の床範囲を、長方形作成ツールで選択して面を作成する。

床の長方形を選択し、スラブツールで床オブジェクトを作成する。
床の天端はレベル2+200(スラブ厚)になっているので、作成した床オブジェクトを選択し、データタブのPlacementでZ=-200として床オブジェクトを移動させる。

正面ビューに切り替えると、床のレベルを確認できる。

2階床オブジェクトはグループにまとめる必要はないが、データ管理上同じ名前グループにしておく方が扱いやすいので、グループ作成ツールをクリックする。
グループラベルをslRFに変更する。
作成した床オブジェクトを選択し、slRFへドロップする。



 ■階段の作成
 階段も自動的に作成するツールがあるので、これを利用する。
階段は2か所あるがレベル0からレベル1への階段なので、レベル0をダブルクリックして作業平面を移動する。

1階2階壁位置図 Sketch 1F、Sketch001 2Fは表示する。
1階2階外壁は表示する。
床オブジェクトはすべて非表示にする。

階段ツールは何も選択しないで、ツールをクリックするとXYZの原点の位置に標準の階段オブジェクトを生成するので、これを変形移動することもできるが、配置する場所に基準線を引いてこれを基に階段を生成する方が簡単である。(階段の長さは基準線の長さになる。)

屋外階段の始点終点を結ぶLineを、始点のあるレベルで作成する。

作成した基準線を選択して、階段作成ツールをクリックすると、階段が作成される。
プロパティで階段の形状を編集する。
高さは既定値が3000なので、そのままでよい。
幅は1000となっているので、1600に変更して壁に合わせる。


次に屋内の階段も同様に、基準線の始点終点をクリックしてLineを作成する。

基準線を選択し、階段作成ツールをクリックして階段を作成、幅を調整までは同じである。
高さは3000-200(レベル0+200)=2800に変更する。
幅は1100とする。

階段高さを2800に変更したので、階段上部が2Fレベルより下がっている。
側面ビューにして階段の状態を見ながら、階段をPlacementでZ=200上方向に移動する。


この階段をよく見ると、階段が壁を貫通している。
この部分は階段の作成とは関係がないが、壁などのSolidオブジェクトに切欠きを作る方法で処理することができる。

処理する壁面を選択し、作業平面を移動する。
壁を削除したい部分に長方形ツールで長方形を作図する。
(WPスナップがONになっていれば、壁面に長方形を作図できる。)

作成した長方形を選択して、Extrudeツールで押出して切取用ソリッドを作成する。
順方向100、逆方向300として、壁より厚いソリッドにする。

壁からソリッドを切抜くには、まず壁を選択し、Ctrlキーを押しながら切取用ソリッドを選択する。(2つをまとめて選択)
カットツールをクリックすると、壁からソリッドの重複部分が削除され、Cutオブジェクトができる。

できたCutオブジェクトの下層を見ると、壁とソリッド(Extrude)が移動して非表示になっている。
壁の下層のウインドウやドアも非表示になっているので、作業ウインドウで消えている。
ウインドウとドアを選択しSpaceキーで表示にもどす。


側面ビューに移動して屋内階段部分を見ると、階段の上に隙間がある。
この隙間をふさぐ壁を設けるために、階段の側面を選択し作業平面を移動する。

連続線ツールで階段の側面にすき間をふさぐWireを作図する

作成したWireを選択し、Extrudeツールで順方向100押出してソリッドを作成する。

作成したExtrudeを階段の反対側にコピーする。
ドラフト スナップ WorkingPlane.svgWPスナップがONになっていると、作業平面以外のポイントをクリックすることができないので、一時的にWPスナップをOFFにする。
Extrudeの外側と階段の反対側をスナップでクリックしてコピーする。

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